中谷彰宏の「恋愛食堂」vol.1:デザートを制する人は、「次回」がある。――デザートの誤解に気づこう。

一緒に食事をして、「次回」があるかどうかは、ハッキリと結果が出る。食事は、出会いの面接の場。同伴者は、どこで判断しているかを知ることが大事。男性が油断しがちな「デザート」での失敗をしないポイントを押さえよう。

デザートは、ロスタイムではなく、勝負が決まる後半戦。

つきあっていい男性かどうかは、一緒に食事に行ってみればいい。
家での食事よりも、外食がいい。
レストランに行けば、その人が、どんな風に食事を楽しむかが、わかります。
食事の仕方は、人生の楽しみ方でもあります。
お店の人との接し方から、人との接し方もわかります。
一回の食事は、一夜を明かすより、もっとその人の事がわかります。
食事をしてみて、「ないな」と感じたら、次回は「また、こちらから連絡しますね」と、感じよくお断りしておけばいい。
「恋愛食堂」は、恋に悩む女性の食事と恋愛の影のコーチになります。
まず、最初のアドバイス。

デザートを大切にしない男性は、女性をハッピーにしない。

実際にあった例を、見てみましょう。
ある男性が、おつきあいしたい女性を、老舗の鰻屋に誘いました。
好きな食べ物は、鰻とリサーチして、計画しました。
気合いが入っている彼は、下見で食べに行くことも、怠りませんでした。
「特上ひつまぶし」を注文して、12通りの味変も考えて、さりげなく指導しました。
「こんないろんな食べ方があるなんて、今まで知らなかった」と、彼女は大満足でした。
彼は、心の中で、ガッツポーズをしました。
サッカーでいうと、ハットトリックを決めて、3-0での勝利でした。
「お腹いっぱい」と、彼女はゴキゲンに言いました。
まさか、次のひと言が出てくるとは、思っていませんでした。
「デザートは、何があるの?」
「デザート……?」
「何言っているの。ここは、鰻屋だよ」と、声に出そうになるのを、こらえるので精一杯でした。
彼は、ふだんから、デザートを食べる習慣はありませんでした。
嫌いではないけど、食事の後に出てくるオマケと考えていました。
コースについていても、一口で食べていました。
片付けると言う感じでした。
もちろん、その鰻屋でも、食べたことはありませんでした。
メニューのデザートコーナーを、広げたこともありませんでした。
そして、心の中で、こうつぶやきました」
「お腹いっぱいって、言ったじゃない」
彼女が言ったお腹いっぱいの言葉の意味を取り違えていました。
彼女が言った「お腹いっぱい」は、「メイン料理は、お腹いっぱい」という意味だったのです。
デザートは、これからだったのです。
彼は、デザートは、ロスタイムと考えていました。
女性にとってのデザアートは、ロスタイムではなく、「後半戦」です。
まだこれから、45分あるのです。
むしろ、ここからが勝負のような世界なのです。
後半油断した彼は、大量失点することになりました。
もちろん、ノックアウト方式のデートでは、次回はありませんでした。

女性の「お腹、いっぱい」は「デザートに、空けておきたい」というメッセージ。

この彼女が、特別なわけではありません。
男性にとって、メイン:デザートの比率は、9:1です。
女性にとっては、メイン:デザートの比率は、5:5です。
デザートが大事であることを理解してくれている男性とつきあえば、ハッピーな恋愛になります。
例えば、中華のレストランで。
メインを食べ終わったところで、「お腹の具合は、どんな感じ?」と聞かれた時、女性が「もう、ちょっと、いけそうかな」と答えた時、男性は2通りに分かれます。
①チャーハンとラーメンを追加する人。
②デザートを多めに食べることができるように、お腹を開けておいてくれる人。
「まだ、ちょっといけるかな」は、「デザートに、空けてあるからね」という女性のメッセージなのです。

「鰻屋ならではのデザート」があったら、デザート専門店のデザートを超える。

「うちは、デザートのお店じゃないから」というお店もあります。
そういうお店は、デートで使わないことです。
お店には、お店の方針があります。
「デザートのお店じゃない」と言いながら「カップルにも来てほしい」となったら、お店側の作戦ミスです。
「おいしいかどうか」は、お店側の基準です。
お客さんの基準は「楽しいかどうか」です。
お客さんがお店を使うシーンに合わせて、メニュー構成を考えていくことが、プロです。
「鰻屋だから、デザートは、なんでもいい」ではなく、「鰻屋だからこその、デザート」をメニュー開拓してもいい。
「鰻屋なのに、まさかのおいしいデザート」というのがあれば、さらにプロです。
「鰻屋、恐るべし」と思ってもらえるのです。
男性がお店を選ぶ時も、デザートまで考え尽くされているお店をセレクトすることなのです。
「どういうお店を選ぶか」が、ワクワクする恋愛ができる相手がどうかの見極めになるのです。

writer

中谷 彰宏

nakataniakihiro

作家・俳優。恋愛からレストラン経営まで、著作1100冊を超える。日本中・世界中のレストランを巡りサービスについて研修。実家は、スナック・寿司店。中谷塾主宰。【公式サイト】https://an-web.com/