中谷彰宏の「恋愛食堂」vol.6:長居しないーーお店の回転に協力する人は、愛される。

トイレに行列ができる理由は。
――トイレでスマホを触るお客さんは愛されない。
お店に列ができ始めたら。
――長居しないお客さんが、愛される。


「面接の達人」シリーズの著者で知られる中谷彰宏が恋愛のコーチングをする連載「中谷彰宏の恋愛食堂」。食事にまつわる実体験をもとに、「愛されるにはどうすればいいか」中谷流メソッドをご紹介します。

「ランチタイム女性お断り」というお店がありました。
そのお店でも、入店できる女性がいました。
食べるのが、速かったのです。
女性差別ではありません。
ランチタイムに女性がゆっくり食事されることは、お店にとって、迷惑だったのです。
老舗であるそのお店は、繁盛を続けています。
夜は、女性客でも、賑わっています。
ここに、愛されるお客さんになるマナーのヒントがあります。
お店の売上げは、客単価だけではありません。
客単価×回転率です。
大阪と東京では、同じ系列の同じ業態の店舗でも、売上げに差があります。
東京の店舗より、大阪の店舗のほうが、売上げが大きい。
回転率が、大阪のほうが、高いためです。
愛されるお客さんになるには、お店の回転率に協力することです。

愛されるために その1・メニュー選びの前に、ドリンクをオーダーする。

最初のドリンクに、迷いはありません。
最初のドリンクは、味わうよりも、乾杯のためのものです。
「とりあえず」なのです。
飲める人は「生ビール」、飲めない人は「ウーロン茶」をすぐオーダーします。
お店の人がドリンクを準備している間に、オーダーを決めます。

愛されるために その2・おしゃべりは、メニュー選びの後に。

メニューを広げたままのお客さんがいます。
メニュー選びの最中に、ペットの話題が出て、みんな一斉にスマホを出し、お気に入り画像の見せ合いが始まりました。
これでは、永遠にメニューを決めることはできません。
飲食店は、カラオケ店ではありません。
カラオケ店は、滞在時間で料金が加算されます。
飲食店では、料理にお金が発生しているので、時間は関係ありません。

愛されるために その3・オーダーは、幹事がまとめる。

3対3の合コンで、幹事がいない場合、オーダーが1人ずつになります。
たいてい1人、優柔不断な参加者がいます。
その1人が、あれこれ迷い始めると、オーダーを取りに来たスタッフは、テーブルを離れることができません。
高額な時給を払っているスタッフの時給を、奪い続けることになります。
幹事は、事前に決められているわけではありません。
そんな時、気を利かせて、メニューを取りまとめる幹事役を引き受ける人が、お店に愛されるお客さんになります。

愛されるために その4・料理が来たら、お喋りを中断する。

会話中、きりの良いところで料理が出て来るわけではありません。
愛されるお客さんは、どんなにオチの手前でも、話を中断することができます。
お店の人は、気づかないふりで、見ています。
せっかく熱々で届いた料理が、どんどん冷めていきます。
「冷めていた」というコメントが書かれることがあるのは、喋っていたからです。

愛されるために その5・食後のスマホチェックは、お店を出てから。

食事が終わると、突然、静かになります。
全員食事中は見ていなかった、スマホのチェックが始まるからです。
お店の売上げを奪っているロスタイムが、この食後のスマホチェックなのです。
「店内スマホ厳禁」と書かれているお店の気持ちも、わかります。

愛されるために その6・トイレの個室で、スマホを触らない。

飲食店のトイレは、最小限しかありません。
以前より、トイレ待ちの行列が長くなりました。
トイレの個室で、座席ではできない、スマホで連絡を取っているのが原因です。
ばれないように、わざわざ水を流したりしています。
並んでいる間に触るのは、問題ありません。
個室に入ったら、並んでいる人に配慮しましょう。

愛されるために その7・待っている人が1人でもいたら、長居しない。

速く、食べる。
食べ終わったら、早く出る。
それを、並んでいる人は見ています。
お店の人も、見ています。
同行者も、見ています。
並んでいる人がいるのに、気づかない人への次回のお誘いは、なくなってしまいます。

writer

中谷 彰宏

nakataniakihiro

作家・俳優。恋愛からレストラン経営まで、著作1100冊を超える。日本中・世界中のレストランを巡りサービスについて研修。実家は、スナック・寿司店。中谷塾主宰。【公式サイト】https://an-web.com/