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明石の鮨 “前もん”を求めて

浦正 本店

セリ場から生簀に直行の白身魚が自慢

「水揚げ後の魚が、店の目と鼻の先の港でセリにかかるのは11時半。これがいわゆる“昼網”。セリ落とした魚が10分後には店隣の大きな生簀で泳いでます」と『浦正 本店』の板長・市川成雄さん。鯛やタコのみならず“前もん”の魚を求めて、明石を訪れる遠来のお客が近年とみに増えている。人気と旨さの訳を尋ねれば、この答え。
では明石らしいネタで、と握ってもらえば、白く美しい鮨がさざ波のように続々と。「前もんの強みは、やっぱり白身です」。肉厚のアコウからいけば、いきなり歯を押し返す弾力。明石鯛は歯ごたえのうちから身の味わいをしっかりと滲ませる。合間には、ふわふわ伝助穴子の口溶けや、「とれたての生ダコでないとこうはならない」という、庖丁で花のよう開いた明石ダコの強靱な弾性。米酢・リンゴ酢をブレンドした仄(ほの)かに甘いシャリはさっぱりと、魚の旨みを立たせる役どころに徹している。いや明石鮨、お見事。

浦正 本店

中央手前から時計回りに、肝をのせたアマガレイ、透き通るような身の昼網真鯖、アコウ、黒メバル、伝助穴子炙り、昼網のサワラ、蒸し穴子など。写真の11カンで6000~7000円程度。

浦正 本店

左/明石の小ダコの煮付900円。シャープな醤油の辛みとタコのちょうどいい歯ごたえ。
右上/明石浦漁協のセリ買参権を持ち、鮮魚店も営む店ゆえ、隣にはこの大きな生簀。
右下/この道35年、板長の市川さん。カウンターにはエビや貝類の生簀も。

浦正 本店

明石市日富美町14-23 メルゼス明石1F
TEL/078-917-9955
営業時間/11:30~14:00ラストオーダー、17:00~20:45ラストオーダー
休日/火曜
交通/各線明石駅から徒歩20分/駐車場5台/予約必要/カードほぼすべて可
座席/1F カウンター10席、座敷2~5名/2F 個室1室(2~6名)、座敷約30名
金額/造り5種盛り3300円、明石産蛸盛り2750円、明石蛸棒寿司3080円。生ビール中650円、明石「来楽 純米吟醸」1合750円。※税込


寿司・割烹 貞楽ていらく

前もんの一品にも自信の鮨呑み割烹

「うちのガシラは活(い)かってるから、炊くと爆(は)ぜよるんです」とは『貞楽』三代目の大西伸和さん。なるほど身が盛り上がり、皮が大きく裂けているのを、ひと口食べて驚愕。煮付けたとは思えぬ筋肉質の歯ざわり。身の味だけで充分に旨くて、さっぱり甘い煮汁は表面にのみ染みた、この塩梅がベスト。「注文後に生簀からすくって捌きます。こんな風に生簀で1~2日おいて身を締めるのが活け越し。魚種に応じて、背骨の神経を除く神経締めもキッチリやってます」。
前もん代表の一角を占める穴子で固めた3種盛り。ホロリ崩れる蒸し穴子のにぎり、ポリポリ食感が小気味いい穴新巻に、海苔で巻いたこれは? 「創業時からの一品、シソと巻いた磯辺焼き。つまみにどうぞ」。地の酒「来楽」と合わせれば品よき潮の香り。明石呑みの多幸感はいや増しに増す。
両店とも鮨の質に比すれば支払いは手頃。大阪どころか東京から通い来る客もいるというのが頷け、また、明石の前もんの値打ちを正しく知らしめる2軒である。

寿司・割烹 貞楽

6000円のコース(全5〜6品)から。右から時計回りに穴新巻、蒸し穴子にぎり、磯辺巻き。シャリ酢はマルカン酢の「きぶき」1種のみ。

寿司・割烹 貞楽

左/ガシラの煮付2300円~。臭みのない身の味わいを最大限生かすため、酒やみりんを使わず醤油と砂糖でシンプルに。先代からの教え。
右上/タコぶつ1400円~。締まった身のうちから、噛むほどに甘やかな旨みが染み出る。

寿司・割烹 貞楽ていらく

明石市本町1-1-5
TEL/078-911-8051
営業時間/11:30~13:30ラストオーダー、17:00~21:00ラストオーダー(ネタ切れ次第終了)
休日/火曜、第3水曜
交通/各線明石駅から徒歩3分/駐車場なし/予約ベター/カードほぼすべて可
座席/1F カウンター7席、テーブル8席/2F 座敷4~16名
金額/にぎり1カン300~1000円、造り盛合せ1800円~、コース6000~10000円。瓶ビール中600円、明石「来楽 特別純米」1合800円。※税別


あれば注文したい 明石「ぜひ!」ネタ

サワラ

魚に春と書く通り漁獲量のピークは春だが、味の旬は脂がのる秋~冬。とりわけ「昼網の」サワラがあれば、ぜひ1カン。サワラの先入観を覆すブリンブリンの歯ごたえを楽しめる。

めぐりアジ

名前の由来は、皮ぎしの脂肪が厚く皮が剥きやすいからとも、目がクリッとしているからとも。回遊ではなく居着き(定着型)で大きくなった明石のアジ。高価だが脂のり抜群。

マゴチ

砂底を好んで棲む平たい体形のフィッシュイーター。クセのない白身は薄造りや天ぷらにもお薦めの高級魚だ。一般に夏がシーズンとされるが、明石周辺では脂がのる冬も旬。

アオリイカ

海の宝石と称えられ、食味の良さをも兼ね備える秋のイカ。漁獲量が少なく、一般の小売に回されることはまれな高級イカの筆頭だ。明石で揚がったものなら味は言わずもがな。


市内10店舗で使える
鮨クーポン発売中

明石観光協会では、『浦正 本店』『貞楽』をはじめ市内10店舗で使える鮨クーポン「技の一品」を販売している。2000・3000・5000円(税込)の定額で、明石鮨や一品料理を堪能できる気軽さが魅力だ。明石駅構内のピオレ明石西館内「あかし案内所」、アスピア明石北館7F「明石観光協会事務所」で販売中。

技の逸品クーポン

撮影/ハリー中西  文/河宮拓郎  ●問合せ/明石観光協会 TEL:078-918-5080 www.yokoso-akashi.jp