イニエスタ本人も登場!所有ワイナリー「ボデガ・イニエスタ」がプレス・ミーティングを神戸で開催

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サッカー界のスター、アンドレス・イニエスタさんのもうひとつの顔は、世界40カ国にワインを輸出するワイナリーのオーナーであることをご存知でしょうか。そのワイナリー「ボデガ・イニエスタ」が神戸でプレス・ミーティングを開催。イニエスタさん本人も出席しました。

(写真・文 宮崎佳代子)

ワイナリー経営の発端は意外な理由

元スペイン代表のサッカー選手、アンドレス・イニエスタさん(ヴィッセル神戸)が所有するワイナリー、ボデガ・イニエスタ(スペイン)は2018年11月11日、神戸国際会館でプレス・ミーティングを開催しました。

ミーティングには、イニエスタさん本人も参加。会の冒頭、進行役に紹介されるより先に、ジーパン姿で「ふらり」といった感じで会場入り。サッカー界のビッグスターという近寄り難さより、庶民的な親しみ易さが感じられました。半面、ちょっとシャイな印象も受けました。

181111_iniesta_01-1アンドレス・イニエスタさん。手にしているワインは、「ミヌートス116」の赤。「116」はワールドカップ南アフリカ大会の決勝戦で、イニエスタさんが決勝点となるゴールを決めたタイム。1300円(小売希望価格・税込み、以下同)。

スペイン本国からは、同社代表取締役のアグスティン・ラサロ・カバニェーロさん、醸造責任者のエクトル・マルティネス・ヒメネスさんらが来日。会に臨みました。

181111_iniesta_02写真左がマルティネスさん、右がラサロさん。ワインは同社の全16種類中の15種で、スパークリングワイン(スプマンテ)もある。イニエスタさんが持っているのは、息子の名前を付けた「フィンカ・エル・カリール・パオロ・アンドレア」。

ワイナリーは、イニエスタさんの故郷で、本宅を構えるカスティーリャ・ラ・マンチャ州のフエンテアルビージャ村にあります。人口約1800人の小さな村です。

iniesta_mapフエンテアルビージャ村へのマドリードからのアクセスは、AVEでアルバセーテまで約1時間半、そこから車で35〜40分。アルバセーテから路線バスも運行。ワイナリーは同村のマドリード発着のバス停から1.5kmほど離れたところにある。

181111_iniesta_04ボデガ・イニエスタのセラー。社員51人は全てフエンテアルビージャ村とその近隣に暮らす人々。画像提供:日本リカー

所有するブドウ畑は、セラーにほど近い標高700mから800m前後の高地に位置します。一帯は、「D.O.マンチュエラ」と呼ばれるブドウ栽培に適したエリア。年間平均降水量が400〜600mmという乾燥地帯ですが、ふたつの川が近くを流れており、その影響と地勢により、ブドウ栽培に適する独特の自然環境が形成されているそうです。

181111_iniesta_05ボデガ・イニエスタ所有のブドウ畑。総面積350haに16種類のブドウを栽培している。画像提供:日本リカー

イニエスタさんの両親は、元より合わせて10haほどのブドウ畑を所有していました。ファミリーにとって「ワイン造り」は、長年の夢だったそうです。その夢を叶えるべく、イニエスタさんは2000年前後から畑を買い足していきました。それは、「現役引退後の生活も考えて」のことだったと意外な動機を公表。恐らく、ここまでの成功を収めるプレイヤーになるとは、当初は周囲も本人も予想していなかったのでしょう。

一族はそれぞれ農繁期に近隣農家のブドウ収穫や農作業も手伝っていました。そのことが幸いし、購入した畑にどのブドウが最も適しているか、あらかじめわかっていたといいます。

そして2010年に待望のワイナリー、ボデガ・イニエスタをオープンしました。それは、ワールドカップ南アフリカ大会が開催された年。その決勝戦で「116分」に、イニエスタさんが劇的なゴールを決めてスペインを優勝に導いたのは、多くのサッカーファンの記憶に刻まれていることでしょう。

醸造責任者「イニエスタが有名だからといって、ワインを高く売る気はない」

現在、ボデガ・イニエスタでは「コラソン ロコ(Corazon Loco)と「フィンカ・エル・カリール(Finca El Carril)」の2ブランド、16種類のワインを製造しています。

それらは自社畑、もしくは自社で管理する畑からのブドウのみを使用。専門家が区画ごとに緻密に畑の管理をし、最高品質のブドウの収穫に努めているといいます。多様な生態系を維持するため、化学肥料や殺虫剤は一切使わず、植物由来の有機肥料のみで栽培。一部の畑ではEUによる有機栽培ブドウの認証を得ています。

ブドウは全て手摘み収穫です。それらを30分以内にセラーに運搬することを徹底し、フレッシュさを維持しています。また、製造工程での酸化を最小限に留め、品質を保つための様々な最新設備を導入することで、品種ごとの特長をしっかりと表現したワインに仕上げていると醸造責任者のマルティネスさんは話します。イニエスタさん一族の長年のブドウ栽培経験と知識も、大きな強みになっているそうです。

181111_iniesta_06伝統的な株仕立てではなく、垣根仕立てを採用している新規購入のブドウ畑。より多くの太陽光を受け、風通しの良い環境で生態系を守り、病害を防ぐことができる。画像提供:日本リカー

日本に多く輸入されているベーシックレンジのワインに「コラソン・ロコ ブランコ」と「コラソン・ロコ ティント」があります。「コラソン・ロコ」は、「熱狂的な心」との意味。カジュアルに楽しむのにぴったりのワインで、コスパの高さにも定評があります。

「イニエスタという有名な選手のワイナリーだからといって、高く売って儲けよう、ということは端から考えていませんでした。我々の地元のことを知ってもらうためにも、いろんな人たちに気軽に手にとって欲しい。その想いを実現できる価格帯のワインを作ることを目標としてきました。そのなかで、ブドウの品質を最大限表現するために、設備投資や人員配置、畑の手入れなどを効率的に行っています」(マルティネスさん)

181111_iniesta_07-1イニエスタさんが右手に持つのが「コラソン・ロコ ブランコ」。トロピカルフルーツのような香りが特徴。スッキリ爽快な酸を持ち、軽い口当たり。左手が「コラソン・ロコ ティント」。テンプラニーリョとシラーのブレンド。香り高く、適度なタンニンを含む奥行きある味わいに、コスパの良さを実感する1本。1400円。ロゼもあり。

また、気候と土壌の特性で、品質の高いブドウを安定して収穫ができることも、コスパにつながっているとのことです。

神戸ビーフとのペアリング初体験、その感想はいかに……

ボデガ・イニエスタの上級レンジのワインは、樽熟成で醸造されています。アメリカンオークが20%、フレンチオークが80%。アメリカンオークはナッツ香がつきやすいので、フルーツの香りを大切にするために、フレンチオークを多く使用しているとマルティネスさんは話します。また、今後力を入れて生産していきたいと考えているボバル種の特長を調和よく引き出せるのもフレンチオークの方だそうです。

181111_iniesta_08ワイナリーのオーク樽。フレンチオークを多く使用している。画像提供:日本リカー

ボバルは、ポリフェノールの含有量が多いブドウ品種です。イニエスタさんの祖父以前の時代から所有している古い畑では、ボバルを栽培してきました。その畑を横切る道の名を付けたブランド「フィンカ・エル・カリール」のトップキュベ「フィンカ・エル・カリール・パオロ・アンドレア(5500円)」は、100%古木のボバルを使用。12か月間、樽熟成を行ったものです。

ワイン名の「パオロ・アンドレア」はイニエスタさんの長男の名前で、「私の最もお気に入りのワインのひとつです」とご本人。同ワインで神戸ビーフとのマリアージュを楽しんだそうで、「ほどよいタンニンと酸味が、神戸ビーフの後味をさっぱりとさせ、とてもいい相性でした」と語っていました。神戸ビーフの感想について尋ねられると、「スペインの赤身肉のビーフとは、飼料や育て方が全く異なるようで、まるで別の食べ物のようでした」とコメント。「どちらが好みですか?」との質問に、「どちらも!」と答えて笑みを浮かべました。

また、時折楽しんでいるというお寿司とのマリアージュには、娘の名前を付けた白ワイン「フィンカ・エル・カリール・バレリア(2100円)」がオススメとのこと。こちらは、フレンチオークで30日間発酵、4か月間熟成を行っています。豊かな酸味と上品な甘い香りを特長としているワインです。

イニエスタさんにワイナリーについての夢を尋ねると、「研究を重ねてワインが年々よくなってきているので、我々の土地のこと、ワインのことをさらに広く、そして多くの人たちに知ってもらえたらと思っています。またこの先、熟成が進んだワインの味わいの変化をみなさんに味わってもらうことも、大きな楽しみのひとつです」と、饒舌になって想いを語る様子が印象的でした。

ボデガ・イエスタはイニエスタさんそのもの?

プレス・ミーティング終了後、『VISSEL×BAR』で試飲会が行われました。イニエスタさんも出席し、ワイン片手に、来日したワイナリーの仲間たちとの会話をエンジョイ。ファンや店のスタッフとの記念撮影にも気軽に応じていました。

181111_iniesta_10『VISSEL×BAR』での試飲会にイニエスタさんも参加。

神戸ビーフのにぎり寿司が振る舞われ、イニエスタさん一押しの「フィンカ・エル・カリール・パオロ・アンドレア」との相性を試してみました。樽香がしっかりとついていて香り高く、芳醇な果実味と緻密なタンニンが織りなすまろやかな味わいが、神戸ビーフの旨みや柔らかな食感と抜群のマリアージュ。和牛と相性のいいワインと感じられました。

会半ばにして、またしても「ふらり」と市営地下鉄の通路を歩いて帰って行ったイニエスタさん。神戸のハーバーランドで買い物をする目撃情報も耳にしたことがあります。「コラソン・ロコ」は「自由闊達さ」を表現したワインとしていますが、それはまさにイニエスタさんそのもののように感じられました。シャイながら内に秘める情熱は熱く、スターながら神出鬼没の庶民性を持つ。そして「フィンカ・エル・カリール」には家族への深い愛。ボデガ・イニエスタは、そんなオーナーの魅力も香るワインでした。

【ホームページ】http://www.nlwine.com/

●問合せ
・日本リカー TEL:03-5643-9770
・ワインキュレーション(京橋ワイン) TEL:0120-070-880

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