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“人がつなぐ神戸の食” みんなで作ろう「食都神戸」

港町として栄え、海外の文化を巧みに取り入れてきた神戸の街は、独自の食文化を育んできました。その食を発展させたのは、異文化の味を喜んで取り入れてきた神戸の人たちの自由な気質でした――。
神戸市が5年前から掲げる「食都神戸2020」は、神戸を、そして食を愛する人たちみんなで、新しい食文化の発信地を作り上げていく取り組みです。
山・海が近いという地の利を生かした農業・水産業の生産者たちは、都市の人たちと交流しながら食材づくりに励んでいます。これら自慢の食材に敬意を払い、料理人が特別メニューを作る「神戸食材フェア」を開催。また、昨年実行された市民参加の企画「わがまち老舗プロジェクト」の拡大版としてアンケートを行った「神戸市民が愛する飲食店」の結果を公開。生産者・料理人・消費者である“人”を主役にしたコーナーで、「食都神戸」をご紹介いたします。
先人たちが築き上げてきたように、また新たな神戸の食文化を次の世代につなげていきましょう!

「食都神戸」プロジェクトイベントinfo.

●食都神戸DAY FARM to FORK 2020
 日時:2020年10月30日(金)前夜祭、2020年10月31日(土)、11月1日(日)
 場所:東遊園地(予定)

●未来につなぐ神戸の郷土食
 〜デザインと食の世界を一緒に考える〜

 日時:2020年11月頃(予定)
 場所:デザイン・クリエイティブセンター神戸(予定)

●「海と、魚と、」フィッシャーマンズマーケット
 日時:2020年11月頃(予定)
 場所:駒ヶ林漁港(予定)

●「食べるをつくる」木材と里山のマーケット
 日時:2020年11月頃(予定)
 場所:御崎公園(予定)

●食文化による郷土づくり
 カンファレンス・エクスカーション&瀬戸内経済文化圏 FOOD SUMMIT

 日時:2020年11月頃(予定)
 場所:デザイン・クリエイティブセンター神戸(予定)


詳細は www.gastropoliskobe.org

[問合せ]食都神戸事務局(いきいきライフ阪急阪神 内) TEL:0798-78-2753(受付時間:平日9:00~18:00)
昨年開催された、“わがまち老舗”プロジェクトの結果発表はこちらから。


神戸食材を育む生産者

生産地と消費地が近い神戸の食材は“顔の見える流通”が強み。異業種から転身する人も多く、独自のスタイルで生産物を育てています。これからが旬の食材について生産者の想いを聞きました。

イチゴ

神戸を代表する食文化である西洋菓子の発展と共に、イチゴの栽培は成熟してきた。主な産地は北区の二郎(にろう)や大沢(おおぞう)町、淡河(おうご)町や西区などの六甲山麓周辺。昼夜の寒暖差のある気候が高品質を生む。秋に定植されたイチゴは、12月から6月頃までと、品種の多様化で旬は長い。酸味が少ない「章姫(あきひめ)」、際立つ甘さの「べにほっぺ」、酸味と甘みのバランスが良い「やよいひめ」など多品種を栽培。

幸せな気分で作ってます

 家具ショップの店員から転身して、2018年に就農し、一人で農園を営む中井さん。ブルーベリーやブラックベリーに加え、昨年からイチゴの栽培にも取り組み始めた。土を耕して苗を植え、ミツバチで受粉させ、今春、初収穫を迎えた。「春先からハウスの中はイチゴの甘い香りでいっぱい。作業中も幸せな気分なんですよ」。土耕栽培の採れたてのイチゴは、昔ながらの甘酸っぱい味がする。

中井久雄さん

中井久雄さん

シェフの要望に応えて

 30歳で農業研修に参加した森本さんは、就農して今年で10年目。北区淡河町の数カ所の畑で、年間百種類余りの作物を栽培。自ら北野坂の食材店『ファームスタンド』へ週1回配達したり、東遊園地での「ファーマーズマーケット」に出店したりも。「街が近いので、完熟したイチゴを収穫してすぐに届けられる。シェフやお客さんから直に声を聞く機会も多いので、挑戦しがいがあります」。

森本聖子さん

森本聖子さん


北神ねぎ

JA兵庫六甲神戸北営農総合センターが「北区の新しい神戸ブランド野菜を」と、2013年から本格的に「北神ねぎ」のブランドで出荷を始めた。根深ネギで、太さ3cm前後、長さ80cm以上、白い部分20cm以上、2本で450g前後という条件を満たしたものだけが「北神ねぎ」として出荷される。5月に種を蒔き、7月下旬に畑に定植。11月下旬頃から3月上旬に収穫。寒くなるほど、旨みが増す。加熱すれば白い部分はとろりと甘く、緑の部分も香りよく美味。

ネギは素直なんです

 北区で母親と弟が営む農業を手伝うため、印刷会社の営業職を辞し、昨年就農した久保さん。「イチゴと季節野菜の栽培が主ですが、母は北神ねぎ栽培にも早くから取り組んできました」。7月末に五千株を定植、成長するごとに根元に土をかぶせる土寄せの作業が大変だと言う。これにより白い部分が長く太くなる。「ネギは素直。手をかけた分だけきれいに育つんですよ」。

久保裕紀さん

久保裕紀さん


いちじく

全国3位(2015年度統計)の出荷量を誇る兵庫県産のいちじくのうち、神戸市が占めるのは約37%。植えられているほとんどが「桝井ドーフィン」という品種で、大きな実がたくさん生(な)るのが特徴だ。西区の伊川谷町、岩岡町、神出町、平野町などで収穫されたものは多くが神戸市内で流通する。完熟するまで育ててから丁寧に手摘みされた実は、新鮮で爽やかな甘さとソフトな食感。露地ものは9月から10月にかけてが旬。

摘みたての味をぜひ

 パンの製造販売会社で23年働いた久國さんは2013年に就農。現在、西区の畑でいちじくと、小松菜などの葉物を栽培する。いちじくは8月中旬から10月まで、毎日1個1個手で状態を確かめながら摘む。1個100g以上の大きさのものもあるとか。「いちじくは追熟できない果物。採った瞬間が一番美味しいんです。朝摘んだものを、昼には食べていただける距離なのが嬉しい」と話す。

久國二郎さん

久國二郎さん


須磨海苔

兵庫県の海苔の生産量は、全国第2位。須磨沖で海苔の養殖が始められたのは1961年頃で、現在、須磨浦、東須磨、塩屋、東垂水の4地区において、浮き流し式で行われている。豊富な栄養素と明石海峡の速い潮流、冬の冷たい季節風によって良い海苔が育つ。育苗は10月から始まり、12月10日前後から4月中旬まで収穫。「須磨海苔」として出荷されるのは、その一番摘み海苔だけ。色が黒くて艶があり、豊かな磯の香りと風味、肉厚だが歯切れが良いのが特徴。

貴重な海苔を広めたい

 神戸沖の海苔養殖を一番最初に始めたのが、若林さんが働く『すまうら水産』のある須磨浦地区だ。「須磨海苔と呼ばれるのは、神戸沖4地区の一番摘みの海苔だけ。年間の海苔生産量のたった3%なんです。春は潮干狩りが行われ、夏は海水浴場となる海で、貴重な海苔が穫れていることをもっと知ってほしい」。板海苔は軽く炙れば、香りと歯切れの良さが増す。海を守る活動にも熱心だ。

若林 良さん

若林 良さん


料理人と旬を楽しむ神戸食材フェア

秋のフェア(いちじく)2020年9月1日(火)~30日(水)開催

遊水 セセリといちじくのゴマソース 700円
キッチン ネモ いちじくとゴルゴンゾーラのディップ 780円
鉄板バル clap いちじくとスペイン産チーズのサラダ 780円
地魚・地野菜・地酒 なん天 神戸ポークのソテー いちじくソース 850円
ネイバーフード いちじくと紅茶のクランブルケーキ 350円~
リストランテ ハナタニ いちじくと米麹のジェラート コース 12,000円の中から
串揚げ やす桜 明石鯛といちじくの串揚げ コース 5,500円~の中から
ブラッスリー ラルドワーズ いちじくのベニエ カカオ鴨味噌
シソのヴィネグレット
コース 7,500円~の中から
エノテカ ベルベルバール 神戸産いちじくとモッツアレラ取り合せ 1,500円
いたぎ家 神戸いちじくと空芯菜の山椒ソース 880円

冬のフェア(須磨海苔、北神ねぎ、イチゴ)2021年1月15日(金)~2月14日(日)開催

セセリといちじくのゴマソース 700円

中国各地の名菜に創作を織り交ぜた料理を供する。こちらは、いちじくに刻んだセセリ、揚げた唐辛子をゴマソースと混ぜ合わせていただく、酒肴にぴったりの一品。見た目ほど辛くない唐辛子がいちじくの優しい風味を引き立てる。

【三宮・中国料理】
遊水

神戸市中央区三宮町2-11-1 センタープラザ西館B1
TEL:090-3846-0513
営業時間:11:30〜14:30ラストオーダー、17:30〜21:00ラストオーダー
休日:日曜

店主・法橋(ほっきょう)正敏さん


いちじくとゴルゴンゾーラのディップ 780円

定番メニューとワインが充実の洋食屋。いちじくがたっぷりと入ったディップは、ゴルゴンゾーラチーズ、クリームチーズ、コショウなどで調味。ゴルゴンゾーラのコクといちじくの甘さが見事に調和。ワインと合わせて楽しみたい。

【元町・洋食】
キッチン ネモ

神戸市中央区栄町通3-6-20矢代ビルB1
TEL:078-393-2688
営業時間:18:00〜22:30ラストオーダー
休日:日曜

店主・植田晃弘さん


北神ねぎのネギ焼き 1000円

鉄板焼きとタパスを軸にしたユニークなバル。北神ねぎとぼっかけ(スジとコンニャク煮込み)入りの羽根付きのビジュアルが特徴的。野菜スープ入りの生地でネギの清涼感ある香りが際立つ。醤油や塩であっさりと味わいたい。

【元町・鉄板焼き】
鉄板バル clap

神戸市中央区元町通2-8-18 桃林ビル1F
TEL:078-392-0280
営業時間:17:30〜翌1:00ラストオーダー
休日:月曜

店主・菅沼政幸さん


須磨海苔とちりめんのかき揚げ 400円

兵庫産素材と地酒を掲げ、地元愛に溢れる大将が作るのは、須磨海苔とちりめん、小エビも加えた薄衣のかき揚げ。カリッとした歯応えと口いっぱいに広がる磯の香りが堪らない。プラス100円でお茶漬けも可能。締めにぜひ。

【県庁前・居酒屋】
地魚・地野菜・地酒 なん天

神戸市中央区下山手通4-14-2
TEL:078-331-6665
営業時間:17:30〜23:00
休日:月曜

店主・楠本喜章さん


神戸イチゴサンド 600円 ※要予約

近隣野菜や厳選食材、手作り惣菜、焼き菓子を扱うお店。「神戸産『紅ほっぺ』を美味しく食べてほしい」と、地元だから入手可能な完熟生イチゴをフレッシュチーズ、ジャムと共に、国産小麦粉を使った自家製ビスケットでサンド。

【元町・食料品店】
ネイバーフード

神戸市中央区元町通1-12-6
TEL:078-381-6727
営業時間:11:00〜19:00(日曜、祝日は〜18:00)
休日:月・第3火曜

店主・安藤美保さん


いちじくと米麹のジェラート コース12000円で提供 ※要予約

“神戸らしさ”を堪能できるリストランテ。ドルチェのいちじくに添えるのは、赤ワイン、ゴルゴンゾーラチーズ、自家製米麹を加えたジェラート。米麹の塩気とゴルゴンゾーラの深い旨みが、いちじくの繊細な甘さを引き立たせる。

【北野・イタリア料理】
リストランテ ハナタニ

神戸市中央区中山手通1-27-12
TEL:078-242-5778
営業時間:18:00〜20:00ラストオーダー
休日:日・月曜

店主・花谷和宏さん


明石鯛といちじくの串揚げ コース5500円~で提供 ※要予約

魚介と野菜に日本料理の技を施し、串揚げで“和”を表現する店主が作るのは、鮮度の高い明石鯛でいちじくを巻いた一品。淡泊な鯛にとろりと蕩けるいちじくの甘みが秀逸。甘口醤油を少し付ければ、さらに味が引き立つ。

【北野・串揚げ】
串揚げ やす桜

神戸市中央区中山手通1-22-18
TEL:078-221-1518
営業時間:18:00〜22:00ラストオーダー
休日:日曜(日・月曜連休の場合は営業、翌火曜休み)

店主・本田康浩さん


須磨海苔と桃のテリーヌ コース昼3800円〜、夜5000円〜で提供 ※要予約

自家農園の有機野菜と気取らない南仏料理が自慢。日本酒でコンポートした桃を、シソのジュレと共に須磨海苔でまとめた意外な組合せのテリーヌは、コースのデセールで提供。海苔の食感と磯の香りが、桃の甘さと好相性を見せる。

【磯上・フランス料理】
ブラッスリー ラルドワーズ

神戸市中央区磯上通4-3-2
TEL:078-221-1171
営業時間:11:30〜13:30ラストオーダー、18:00〜20:00ラストオーダー
休日:月曜(祝日の場合は営業、翌日休)

店主・柘植淳平さん


イチゴと水牛モッツアレラの取り合せ 1500円

自然派ワインと、骨太のイタリア郷土料理が楽しめるバール。イチゴの脇を固めるのは、本場カンパーニュ州から取り寄せた水牛のモッツアレラチーズ。オリーブオイルをかけたシンプルな味付けゆえ、イチゴの甘酸っぱい味わいが際立つ。

【三宮・イタリア料理】
エノテカ ベルベルバール

神戸市中央区中山手通1-9-5
TEL:078-392-5253
営業時間:17:00〜23:00ラストオーダー(料理は22:00ラストオーダー)
休日:日曜(月曜が祝日の場合は営業、翌日休)

店主・宮本健司さん


北神ねぎのイリコ飯 コース3800円で提供 ※要予約

家族が育む野菜のアテと滋賀酒を供する居酒屋。コースの締めに五分搗き米と刻んだ北神ねぎ、イリコを土鍋で炊いたご飯が登場。トッピングには北神ねぎのジェノベーゼ風ペーストを絡めた白髪ネギ。ネギの風味が豊かだ。

【三宮・居酒屋】
いたぎ家

神戸市中央区中山手通1-14-7
TEL:078-333-9216
営業時間:17:00〜24:00
休日:日・月曜

料理長・板木平(いたぎだいら)匠さん


※紹介した料理は、フェアの一例です。食材の入荷状況によりメニューや日程は変更になる場合があります。

食都神戸MAP

撮影/太田恭史、香西ジュン、塩崎 聰、下村亮人、ハリー中西、東谷幸一、福本 旭  イラスト/駿高泰子  文/宗田洋子(生産者)、藤川 満(食材フェア)

神戸市民が愛するお店