“砂糖のために植民地を獲得菓子が作った歴史の数々”
お菓子でたどるフランス史
池上俊一著 岩波ジュニア新書/1012円
世界の人々を魅了するフランス菓子の誕生には、国家・戦争・文化・ブルジョア・科学技術の発展など、
歴史の出来事と大きな関わりがあった。菓子からフランス史を学ぶ新しい切り口の歴史書。
カロンはフランスを代表するスイーツですが、実はカトリーヌというイタリア人女性が起源。というのも、大食漢だった彼女が国の政略結婚でフランスに渡ったあと、作らせたのが根付いたようです。てっきりフランス発祥だと思っていましたが、まさかのイタリアからやって来ていたとは。手づかみでステーキを食べていたフランス人に、テーブルマナーを広めたのも彼女だそう。このように戦争で、色んな国の文化を取り込んでできたのが今のフランスなんですよね。菓子を作る砂糖を多く手に入れるために、植民地をたくさん作ったというから、その熱量は凄い。
このように菓子の誕生を追っていくと、必ず歴史の出来事に紐づいていて、いつのまにか歴史の勉強になっているのがこの本の面白さ。大学生や、歴史の勉強を再開したい方にもお薦めしてます。
仕入れ担当 網口渓太さん
紀伊國屋書店グランフロント大阪店
スタッフ発案の『Queen』コーナーを展開したところ好評だったため、継続的に様々な特設コーナーを設置。イベントも頻繁に開催する大型書店だ。
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