書店員のおすすめ!今月の『食の本』〜神戸 ジュンク堂書店三宮店〜

 “日記を通じて垣間見る、著者の生活と人となりとは”

9784122067370 富士日記(上) 新版 武田百合子 著 中公文庫 2019/5/23

富士日記(上)新版

 

武田百合子著 中公文庫/1034円

作家・武田泰淳さんの奥様、百合子さんが富士山の麓で過ごした日々を書いた日記。夫の没後に発表、出版された。中(1056円)・下(1034円)と全3巻あり、昭和39年7月〜51年9月まで収録。

 

好きな本のジャンルが日記文学なんです。様々な日記文学を調べていると、よく本書が出てくるので、読んでみると魅力にどっぷりはまりました。筆者のことは存じ上げませんでしたが、日記文学は読んでいるうちに書き手の日常や人生を垣間見ているようで、とても親近感が湧くんです。

作家である夫に薦められ書き記した、富士山麓で過ごした13年間分の日記になっていて、毎日3食分の献立も事細かに書かれています。なかでも「ふかしパン」がよく出てくるのですが、筆者の作るそれはどんな形状でどんな味だったか、すごく気になります。お客様が来たときの会話の内容や、どの料理をよく召し上がるかも細かく記録されていて、人間観察が好きだったのかなと、その性格を読み取るのも面白い。そんな自分は真似して日記を書き始めて、三日坊主で終わってしまいました。
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雑誌担当 飯島香緒里さん

ジュンク堂書店三宮店

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