『エル・ポニエンテ』小西由企夫さんが作る「ニンニクスープ マドリード風」

『エル・ポニエンテ』小西由企夫さんが作る「ニンニクスープ マドリード風」

お家でキャンプ飯

2022.10.24

文:「あまから手帖」編集部・森 千尋 / 撮影:塩崎 聰
料理制作:小西由企夫

ソロキャンプに情熱を注ぐシェフたちによる、本誌との連動企画第3弾。今回はスペイン料理界の第一人者、『エル・ポニエンテ』の小西由企夫シェフによる、スパニッシュなキャンプ飯をご紹介。「ニンニクスープ マドリード風」のレシピを教えていただきました!

目次

ソロキャンは渓流釣りを楽しむための手段 カスティーリャの郷土料理「ソパ・デ・アホ」 「ニンニクスープ マドリード風」どう作る? 3つのポイントでスペインの風 店舗情報

ソロキャンは渓流釣りを楽しむための手段

今ではメジャーとなったスペイン料理ですが、その認知度を飛躍的に高めた立役者が小西シェフ。1983年に単身スペインへ。1987年に帰国するまで、スペイン各地の料理を学ばれました。1998年『エル・ポニエンテ』を開業。北浜にある本店をはじめ、バスク料理専門『アマ・ルール』、本場さながらのバル『エル・ポニエンテ・ゴソ』を展開中。

「フライフィッシング歴40年。国内外問わず海や河川を渡り歩いてきました。渓流釣りは山の奥地へと進んで行くので、目的地まで歩いて数日かかることもあるんです。キャンプは、釣り人にとっての大切な手段ですよ。ロケ日は雨で急な場所変更など、大変な撮影になりましたね(笑)。ただ雨の日は魚の活性が上がるので、お目当てのイワナがスイスイ釣れました。“Que Será, Será”ってやつです」。

摂津峡でフライフィッシングを楽しむ小西シェフ

カスティーリャの郷土料理「ソパ・デ・アホ」

現地の呼び名だとちょっと間の抜けた可愛い名前。「ソパ・デ・アホ」=「ニンニクスープ マドリード風」を作ってくださった小西シェフ。

「アホ」はニンニクを意味するスペイン語です。もともとはお腹を空かせた羊飼いが、硬くなったパンを美味しく食べるために作っていたこのスープ、お手軽ですがかなりの満腹感と口福を連れてきてくれます。日本でいうおじやスープのようなもので、お酒を飲んだ後に締めにもピッタリのひと品!

「ニンニクスープ マドリード風」どう作る?

【材料】2人分

・生ハム…40g
・バケット…6枚
・ニンニク…4片
・卵…1個
・ピメントン(スモークパプリカ)…大さじ1
・オリーブ油…60㎖
・水…250㎖
・塩…適量

【作り方】

ニンニクは薄切りに、バケットは2cm角ほど、生ハムは細切れにしておく。
鍋にオリーブ油を入れ、ニンニクがきつね色になるまで弱火で軽く炒める。
②にバケットを投入し、オイルをなじませつつ揚げるように火入れする。
③に生ハム、ピメントンを加えて軽く炒めたら、水を加える。
バケットがスープを吸ってふんわりするまで煮て、塩で味を整える。
とき卵を流し入れて火を止めたら完成。

ニンニクが高温になりすぎないようご注意

3つのポイントでスペインの風

ニンニクの香りは空気や温度によっていろんな物質に分解されていくため、温度、時間によって左右されます。せっかくの風味が高温で分解消失されないよう、オリーブ油を温める前にニンニクを鍋へ投入し、油とともにさっと火入れする感覚が大切だそう。

また、家庭では常備されていることが少ない「ピメントンパウダー」。原料はスペインのある特定の地域に生息する唐辛子。スイートタイプ(辛みなし)、スパイシータイプ(辛口)など、いくつか種類があります。「僕のおすすめはスモーキーな香りがたまらない『ラダリア』。近くのスーパーに売っていない時は、パプリカパウダーで代用もOKです」。

最後に、味にパンチが足りないと思った際は、少量の固形ブイヨンを加えるのがよいとのこと。水を入れ過ぎた!と醬油や味噌で味を整えるのは避けてください。3つのポイントで、食卓にスペインの風を吹かせましょう!

他にもナバーラ州の郷土料理「トゥルチャ・ア・ラ・ナバーラ」など、スペインの味を披露してくださった小西シェフ。フライフィッシングで釣り上げたイワナを調理する様子は、2022年11月号「これからの旅は、ローカルへ」特集の巻末連載にて。

■店名
『エル・ポニエンテ』
■詳細
【住所】大阪市中央区北浜2-1-21 つねなりビル1F
【電話番号】06-6220-6868
【営業時間】11:30~14:00L.O、17:00~21:30L.O
【定休日】日曜
【お料理】昼/ランチ2200円~、夜/アラカルト800円~。Gシェリー800円~、Gワイン900円~、Gカヴァ1200円~。※夜のみサ10%、アペリティーボ500円別。

あまから手帖/2022年11月号

これからの旅は、ローカルへ

シェフが持つ現代の感覚で地のものを昇華させたような、美食との出会いが待つ「ローカルな旅」をご提案。

Writer ライター

あまから手帖 編集部

あまから手帖 編集部

amakara techo

1984年の創刊以来、関西グルメの豊かさをお届けしてきた月刊誌「あまから手帖」編集部。 旨いものを求めて東奔西走、食べ歩いた店は数知れず。パン一つ、漬物一つ掲載するにも、関西の人気店を回って商品を買い集め、食べ比べる真面目なチーム・食いしん坊。

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