数学が苦手な人が、コーヒーを注文する話。

数学が苦手な人が、コーヒーを注文する話。

覆面調査の現場より

2023.02.01

文:「あまから手帖」編集部・白川恵理子 / 撮影:岡森大輔

2月号のコーヒー特集内でご紹介する祇園のカフェにロケハンへ。 レコードの音に、読書が似合う素敵な店で コーヒーを注文するのは、なかなかに難しく!?

目次

難解(?)メニューとの格闘も、また魅力 店舗情報

難解(?)メニューとの格闘も、また魅力

前日、私の確認ミスで開店時間が思っていたより遅く、入店せずに帰宅したリベンジ。今日はインスタもチェックして、開店の18:00にいざ。すると、トビラ前に「18:15頃からコーヒー提供できます」との貼り紙。時間をつぶして18:15きっかりにドアを開けると…視界が茶色い。

聞けば、手回し焙煎機で週に3~4回は豆を焼くそうで、焙煎が終わった直後。煙いですが大丈夫ですか、と店主が申し訳なさそうに席に通してくれる。煙が落ち着いてきたころ、先客のひとり客2組から順番に一つのメニューが渡され、順に注文を聞かれる。

イメージ看板のないカフェ。祇園の雑居ビルの外階段をあがってすぐのところ。

そして、私のところに回ってきたメニュー。コーヒーは豆の分量とお湯の量が違う1~5番があるというのは事前リサーチで知っていたが…豆とお湯の量が変則的! …あれは中学1年生の初めての中間テスト。数学だけが他の教科より20点ほど低く、「テスト中、お腹痛かった?」と担任に心配されたほど(いや、限界まで実力発揮した点数です)、数学、ひいては算数が苦手な私は思考停止…どれが一番濃くて薄いのか…目は数字を追えどもまったく頭に入らない。

メニュー表5番が一番濃いです(というのは、フツウ、パッと見てわかるものなのでしょうか)。

なんだかじっくりメニュー表を眺めている風に間を持たせて注文したのは…「ブランデーコーヒー」でした。お酒かい! という感じですが、丁寧に淹れてもらったその一杯は、甘くてほのかに苦くて、お酒の味がして、とっても美味しかった。思わずアルコールメニューを選んでしまったのは、昔大好きだったバーに、暗さが似ていたのもあるのかもしれないです。

ドリップ数人で来店しても、一人分ずつ丁寧に淹れてくださいます。

この祇園のカフェは2月号コーヒー特集内「やっぱりカフェが好き」にてご紹介。

■店名
『bande à part』
■詳細
【住所】京都府京都市東山区富永町138
【営業時間】夕暮れ(18:00頃)~24:00
【定休日】月曜、火曜
【Instagram】https://www.instagram.com/bande___a___part/

掲載号
あまから手帖2023年2月号「コーヒー/珈琲/coffee/コーヒ」
サードウェーブが落ち着いた今、大人がじっくり味わいたいコーヒーとは何か!? ツウが気になるあの人も登場!

Writer ライター

あまから手帖 編集部

あまから手帖 編集部

amakara techo

1984年の創刊以来、関西グルメの豊かさをお届けしてきた月刊誌「あまから手帖」編集部。 旨いものを求めて東奔西走、食べ歩いた店は数知れず。パン一つ、漬物一つ掲載するにも、関西の人気店を回って商品を買い集め、食べ比べる真面目なチーム・食いしん坊。

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