tupera tuperaさん(前編)京都歴8年。ワインと馴染みの店のある暮らし

tupera tuperaさん(前編)京都歴8年。ワインと馴染みの店のある暮らし

関西ファン !

2023.09.28

文:あまから手帖編集部・伊藤志織 / 撮影:佐伯慎亮

関西ラバーな著名人インタビュー連載「関西ファン!」今回のゲストは、亀山達矢さんと中川敦子さんご夫婦のクリエイターユニットtupera tupera(ツペラツペラ)さん。数々のロングセラー絵本、イラストレーション、ワークショップ、テレビ番組のアートディレクションなど、様々な分野で世界を舞台に活躍されています。2015年から拠点を京都に移したお二人に、京都での暮らしや好きなお店について伺いました。

目次

大好きな京都は“会話が生まれる街” かお馴染みは、子どもと一緒に行ける店 京都ライフの心強い味方は、界隈で話題の“あのひと”

大好きな京都は“会話が生まれる街”

――中川さんは、京都のご出身なんですよね。それで京都へ?

中川(以下、中):私は生まれたのは京都なのですが、生後すぐに父が転勤で東京に行くことになり、ずっと東京で暮らしていました。親戚は全員京都にいるので、夏休みやお正月などはよく京都に来てましたけどね。
東京には仕事も友達も、なんでも揃っていたから離れる理由はなかったんですが、2011年に震災があったのを機に自分たちの暮らしを見直して、一度の人生、いろんな場所に住んでみたほうが面白いんじゃないかと思って。いろいろ探したんですが、馴染みのある京都に落ち着きました。

亀山(以下、亀):僕は三重の伊勢出身なので、実家に気軽に帰れる距離感もいいなと。鴨川や山など、自然が近くにあるのも気に入ったんです。

tuperatuperaのお二人今回お邪魔したのは、京都市内のアトリエ。大きな窓から鴨川を臨むロケーションが気持ちいい空間。亀山さんは鴨川沿いをランニングして、ビールを飲むのが楽しみなのだとか。

tuperatuperaアトリエイメージアトリエのいたるところに作品やグッズがあって、いるだけで楽しい気分になってきます。

――京都暮らしで気に入っているところはどんなところでしょう。

亀:東京の友達や仕事関係の方など、京都っていうと喜んで来てくれるんですよ。あと、僕は講演会などで出張が多くて。ほとんど“初めまして”の人と会うわけですが、みんな京都での思い出を語ってくれるんです。以前フランスに行った時も、向こうの人が京都旅行の思い出を語ってました(笑)。

京都の人は京都の人で、聞かなくても美味しい店とか教えてくれるから、どんどん行きたい店がリストアップされていくんです。街の内外で、会話が生まれる場所なんです。住み始めてから、大好きになりました。

tuperatupera中川さん東京とも行き来しやすいですし、京都に住んでいるとい言うと、みんなに『いいね』って言われます」と中川さん

――確かに、人気の都市「京都」ならではの反応ですね! 外食はよくするんですか?

中:家で食べることが多いですが、仕事で疲れた日とかは外食もしますね。子どもも一緒に行ける店を選ぶことが多いです。引っ越して8年で子供たちも成長しましたが、まだ下の息子が小さくわんぱくだった頃は、子連れで行けるお店を探すのは結構大変でした。

かお馴染みは、子どもと一緒に行ける店

――どんなお店に行かれるんですか?

亀:よく行くのは、カフェレストラン『CAVA』。メニューが多くて、すぐきのピザとか独創的なものから定番まで、本当に美味しいんです。あと、『ヨージク』というロシア料理のお店。雰囲気のある店内で、ピロシキが絶品ですよ。
北大路橋の近くにある『レ・ドゥ・ギャルソン』っていうビストロも好きですね。フランクとたくちゃん(長谷川琢馬さん)っていう2人でやってたんだけど、たくちゃんは独立して『クマノワインハウス』を始めたので、こちらにも時々。あと、僕らがパスタソースのパッケージをデザインした『寺町コロンボ』さんとかね。

中:『寺町コロンボ』さんは、寺町に移転してからは絵本が置いてあったりして、ガラッと雰囲気が変わりましたよね。いま挙げたところはどこも馴染みで、子どももウェルカムでゆったり過ごせる。子どもと行ける店をいくつか持っていると安心できます。

京都ライフの心強い味方は、界隈で話題の“あのひと”

亀:友人から、お店を教えてもらうことも多いですが、 なかでも古道具屋の『ARUSE』の有瀬肇さんとは、家族ぐるみで仲が良いんです。界隈では『ARUSE』の照明を入れると店が流行るっていうくらい、人気のお店なんですよ。彼も僕もナチュールのワインが大好きで、気が合うんです。彼は生まれも育ちも京都なので、とにかく顔が広くて。美味しい店を教えてくれたり、連れて行ってくれたり。そういう人がいると新しい発見や出会いがあって楽しいです!

tuperatupera亀山さん

ワインを買う際は『エーテルヴァイン』に行き、自宅の小さなセラーで保管しているのだとか。

――このあとは、楽し過ぎる食卓と、作品のタネについて伺いました!

――後半に続く


tupera tupera(ツペラツペラ)さん

亀山達矢さんと中川敦子さんによる夫婦ユニット。絵本やイラストレーション、工作など幅広い分野で活躍。「やさいさん」「パンダ銭湯」「しろくまのパンツ」などベストセラーを多数生み出し、「わくせいキャベジ動物図鑑」では、日本絵本賞を受賞。NHK Eテレ「ノージーのひらめき工房」のアートディレクションも行っている。2019年に第1回やなせたかし文化賞を受賞。2022年に活動20周年を迎え、オリジナル切手が発行された。箱根「彫刻の森美術館」にて「しつもんパーク」展を開催している(2024年3月31日まで)。10月13日より、ペンドルトン社とのコラボした限定ブランケットが発売される。

【公式サイト】https://tupera-tupera.com/


Writer ライター

あまから手帖 編集部

あまから手帖 編集部

amakara techo

1984年の創刊以来、関西グルメの豊かさをお届けしてきた月刊誌「あまから手帖」編集部。 旨いものを求めて東奔西走、食べ歩いた店は数知れず。パン一つ、漬物一つ掲載するにも、関西の人気店を回って商品を買い集め、食べ比べる真面目なチーム・食いしん坊。

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