本誌では紹介できなかったスパイスカレー蕎麦と丼

本誌では紹介できなかったスパイスカレー蕎麦と丼

今月の…お蔵入り

2023.03.29

文・撮影:「あまから手帖」編集部・剱持裕典

「あまから手帖」では載せられなかったけれど、プライベートで食べたいメニューは結構ある。大阪・田辺「お蕎麦 燕堂」ならばカレー蕎麦と丼。“蕎麦屋で呑む酒は、なぜ旨いか。”ならぬ、蕎麦屋で食すカレーは?

目次

蕎麦屋で食すカレー系は、なぜうまいのか!? 店舗情報

蕎麦屋で食すカレー系は、なぜうまいのか!?

あまから手帖4月号の日本酒特集で、“蕎麦屋で呑む酒は、なぜうまいのか。”をテーマに、大阪・田辺の「お蕎麦 燕堂」を紹介した。

店主は、「悦凱陣」を醸す「丸尾本店」の元蔵人ゆえ酒に精通するが、そればかりか、料理もお好きとのこと。店に行ってみれば、蕎麦前が抜群によく、なかでも、手間をかけて炊いて蒸した大豆のしょうゆ豆は、それだけで永遠に酒が進む逸品だった。

酒も、出身の「悦凱陣」はもとより、「群馬泉」といった雄々しい酒もあり、そのセレクトにも1本筋が入っているように見受けた。

もはや間違いないと、即取材と撮影のお願いをして迎えた当日。

ライターよりひと足早く店に到着し、「お昼食べさせてください!」と注文したのが、特製だしカレー蕎麦と特製だしカレー丼をセットで。

蕎麦屋のカレーといえば、恐らく多くの人が想像するであろう、あのとろみがかったビジュアル。だがそうではない。丹精したつゆをカレー色に染めず、澄んだつゆの中、シュッと佇むようなカレーを、そんなカレー蕎麦を何て形容すべきか。

早速箸で軽くとき、蕎麦と共にすすればスパイスカレーの味わいだ。香辛料とつゆが絶妙にマッチし、辛さがじんわりやってくる。

カレー丼の方も、ひと口目に強く感じたのは甘みだったが、辛さがゆっくり浸透してくる頃には、スープ代わりのカレー蕎麦と交互に箸が止まらない。やはりペアで頼んでよかった!

スパイスとだしは、想像以上に合うのがわかった。

蕎麦も丼も、フレッシュなスパイスの風味を感じつつ、邪魔することがない。これなら酒とも合いそうに思えた。水のようにするする呑める純米なら、三つ巴になりそう……と、思わず「酒も」と店主に声をかけそうになったところでライター到着。

あぶない、あぶない。

真っ昼間から酒をあおり、
昼食後にシエスタ(昼寝)なんて、セレブな生活でもない。

今度こそ三つ巴と心に固く誓う。

特製だしカレーと丼特製だしカレー蕎麦1250円と特製だしカレー丼のコンビ

■店名
お蕎麦 燕堂
■詳細
【住所】大阪府大阪市東住吉区田辺4-8-7
【電話番号】06-6606-8516
【営業時間】11:30~14:00(LO)、17:30~20:00(LO)
【定休日】水曜、第2・4火曜休、臨時休あり

掲載号
あまから手帖4月号特集「日本酒の味」から「お蕎麦 燕堂」

Writer ライター

あまから手帖 編集部

あまから手帖 編集部

amakara techo

1984年の創刊以来、関西グルメの豊かさをお届けしてきた月刊誌「あまから手帖」編集部。 旨いものを求めて東奔西走、食べ歩いた店は数知れず。パン一つ、漬物一つ掲載するにも、関西の人気店を回って商品を買い集め、食べ比べる真面目なチーム・食いしん坊。

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