町中華で芦屋のイメージをひっくり返す!?

町中華で芦屋のイメージをひっくり返す!?

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2023.03.13

文:「あまから手帖」編集部 / 撮影:塩崎 聰

様々な町中華が紹介されている2023年3月号。高級住宅街と言われる芦屋にも町中華はあるんです。思い出の店がついに掲載されるということで、芦屋出身の編集者が熱い思いを込めて語ります。

目次

青春時代の思い出の店がついにあまからに!? 「これが芦屋です」と言いたい。 店舗情報

青春時代の思い出の店がついにあまからに!?

3月号中華特集が動きだしたある日、「番号中華やりたいんだよね」とボスが言った。
数字を店名にしている中華料理店のことらしい。

パッと頭に浮かんだのが、地元・芦屋にある「三十番」だった。中高生時代、部活終わりによくお世話になった。運動部だったから、お腹をすかせて行っていた。

検索して、ボスや特集リーダーに見せると、「え!?芦屋にこんなとこあんの?」と驚かれた。(失礼!)まぁ、世間の芦屋のイメージからはほど遠い外観だから仕方ない。だから余計にこの店の良さを知ってほしくなった。

ボスとライターさんとロケハンに訪れて、十年以上前の青春時代を思い出す。当時は空腹を満たすためのラーメンセットや焼飯セットばかり。今は、ビールを片手に定番の焼き餃子なんて。

大人になったな、自分…。

焼餃子焼餃子750円。揚げワンタンと並ぶ人気メニュー。

「これが芦屋です」と言いたい。

「いい店だね」。三人の意見が一致した。
昔から知っている店が褒められると改めて嬉しい。

思い出のある、地元の店を取材できる!と、意気揚々と取材申し込みへ。
そして断られた。(あれ…?)町中華は手強い。
「通って口説こう!」とまた意見が一致。
”通いつめて口説こう大作戦”でいくことでまた意見が合い、とりあえずその日は店を後にした。

ボスは東京から関西へ来たばかりで大阪在住、ライターさんも大阪生まれ大阪育ち。二人とも芦屋初上陸! ということで、少しばかり芦屋ツアーをした。そこで、ボスの感想。
「道が真っすぐだね!!」
た、たしかに。でも芦屋の感想がそれって…やっぱりボスの視点は面白い。「道路で綱引きできるじゃん」とも。

店の話に戻そう。
「三十番」は阪急芦屋川駅のそばの「山手サンモール」という商店街のなかにある。
商店街というと想像と違うかもしれない。どっちかというと“ストリート”。
私が小学生だった20年も前にはすでに廃れ、、いや静かな通りだった。開いている店も少なかった。今の方が飲食店も増えている。
そんな中60年続くというのはすごい。どの世代でも街に愛されてきた証拠だ。

芦屋というと、誰しもハイソなイメージを持つ。だからこそ、この店を知ってほしい。世間的な芦屋のイメージからは程遠いような見た目のこの店が、芦屋の本質かもしれない。(言い過ぎ?)

兵庫・芦屋『三十番』外観阪急芦屋川駅から行くと、すぐに見えてくる黄色の看板が目印。

という勝手な思いも込めて、ここはなんとしても紹介したい!と、次の日も店を訪れた。
思い出のある店だということ、何度も通ってきたこと、熱い思いを込めて説得。しようとしたら、途中くらいですんなりOKが出た。
すぐに書き手さんとボスに連絡した。「取材許可もらいました~!」そしてガッツポーズ。

私のよく知る時代と店主は変わっていたが、変わらないものもある。なにより、取材を通して改めてファンになった。
知らなかった事実も聞けた。
「三十番」の由来は、ぜひ本誌でどうぞ。

■店名
『三十番』
■詳細
【住所】兵庫県芦屋市西山町1-4
【電話番号】0797-32-2615

掲載号
あまから手帖『2023年3月号中華の町へ』P56
おそらく関西の雑誌史上、最もディープに攻めた中華料理特集。「鉄鍋炖」に「第三の王将」…、中華の沼は深いのだ。

Writer ライター

あまから手帖 編集部

あまから手帖 編集部

amakara techo

1984年の創刊以来、関西グルメの豊かさをお届けしてきた月刊誌「あまから手帖」編集部。 旨いものを求めて東奔西走、食べ歩いた店は数知れず。パン一つ、漬物一つ掲載するにも、関西の人気店を回って商品を買い集め、食べ比べる真面目なチーム・食いしん坊。

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