鮪だけじゃない「鮨 えいろう」の魅惑の誘惑。

鮪だけじゃない「鮨 えいろう」の魅惑の誘惑。

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2023.12.01

文:「あまから手帖」編集部 / 撮影:内藤貞保

京都の玄関口・京都駅の近くに、2022年オープンした「鮨 えいろう」。なんだか居心地がよくて、昼からほろ酔い、幸せ気分。帰るときは少し寂しさを感じて、また来たくなる。鮪問屋をオーナーに持つ鮨屋には、鮪だけではない魅力がまだまだあった。

目次

路地奥の鮨屋に人が集まる 次また必ず来たくなる鮨屋の魅力とは 店舗情報

路地奥の鮨屋に人が集まる

10月某日、京都駅に降り立ち、マップにたてたピンを目指して歩き始める。5分。道順はいたってシンプル…なはずだったが、目的地周辺にきて、迷子。どうやら最後に曲がる路地を間違えたようだった。

目印は、路地の入口に置かれた小さな行灯だけ。マップに集中しすぎると見落としてしまうので要注意。

それくらい細い路地の奥に「鮨 えいろう」はある。

店内は鮨屋では珍しいコの字カウンター。入ってすぐの席に案内された。大将の目の前。ラッキー!

良い席に通してもらったと喜んだが、ぐるっと回った反対側の壁側席が案外人気なんだとか。鮨屋で大将の手さばきを背中越しに見ることはめったにないからだろうか。たしかにその景色を味わってみたい気もする。次のお楽しみにしよう。

「鮨えいろう」の外観 「鮨えいろう」はこの細い路地の一番奥にある(撮影=編集部)。

「鮨えいろう」の店内「鮨えいろう」の大将・えいろうさん。

次また必ず来たくなる鮨屋の魅力とは

メニューには一品料理がズラリ。これは呑ませる店だと、自分の酒センサーがピピっと反応して自然と頬がゆるむ。
でも初めてでは目移りしてしまって、決めきれない。

秋を感じ始めた時期。この時は鍋の文字に反応して、とりあえず「葱鮪小鍋」を注文。ほろほろの鮪と、鮪の旨みを含んだ出汁が沁みる一品。

自分のような迷い過ぎる客も、または迷うのを早々にやめてしまう客も多いらしく、即興でおまかせにも対応してくれるそうで。なんとも有難い。

大将こと“えいろうさん”にお薦めを聞きながら一品を一通り堪能して、せっかくなので握りをおまかせで。

そんなときは、ほぼ必ず「いかうに」から始まる。それは、えいろうさんが鮨職人を志した際に、金沢で食べた「いかうに」があまりに衝撃的な味わいだったから。「ひと口目の感動を大切にしたい」と、えいろうさんの想いが込められている。

「鮨えいろう」のいかうに「いかうに」800円(撮影=編集部)。

鮪の卸専門の会社をオーナーに持ち、鮪の希少部位も扱うが、この「いかうに」も、一品も、「鮨 えいろう」には手札がたくさん隠されている。
口に入れた瞬間の「旨い!」が酒を呼び、えいろうさんが「おもしろい日本酒入ってますよ」とにっこり。

…やはり次も大将の目の前の、この席がいいかもしれない。

■店名
『鮨 えいろう』
■詳細
【住所】京都府京都市下京区北不動堂町573-3
【電話番号】 075-278-7744
【営業時間】 11:30~21:00
【定休日】火・水曜

値ごろ鮨、京寿司、手土産鮨、回る鮨、立ち鮨、町鮨、昼鮨、ハレの日鮨。ふらっと行ける鮨も、気合い入れて行く鮨も。鮨って楽しいなあ。

Writer ライター

あまから手帖 編集部

あまから手帖 編集部

amakara techo

1984年の創刊以来、関西グルメの豊かさをお届けしてきた月刊誌「あまから手帖」編集部。 旨いものを求めて東奔西走、食べ歩いた店は数知れず。パン一つ、漬物一つ掲載するにも、関西の人気店を回って商品を買い集め、食べ比べる真面目なチーム・食いしん坊。

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