店内は浜田省吾尽くし。でも年配から子供まで集う「喫茶Sirara」の魅力

店内は浜田省吾尽くし。でも年配から子供まで集う「喫茶Sirara」の魅力

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2024.01.24

文・あまから手帖編集部・松崎聖子:撮影・赤鹿麻耶

一見、ほっこり系の古民家カフェなのだが。BGMはオール浜田省吾、店内も浜田省吾だらけ、なのに近所のご老人や主婦が普通にランチやモーニングに訪れる不思議な喫茶店を発見した。

目次

表向きはハマショーを微塵も感じさせない ハマショーの中に、ちょいちょいメルヘン 小川珈琲出身の店主、さすがの身のこなし 店舗情報

表向きはハマショーを微塵も感じさせない

「喫茶Sirara」店内寝っ転がりたくなるほど落ち着く和空間

何も知らずに入ると「…ん?」となる。築90年ほどの古民家、ちゃぶ台のある座敷や縁側でくつろげる、一見ロハスな京都らしいカフェ。でも流れる曲が全部ハマショー。

「喫茶Sirara」店内のハマショーグッズハマショー以外に、カフェ本各誌も置いてあるのでのんびりできますよ

店内には祭壇のような「ハマショーコーナー」もある。やけにリアルな肖像画や、「もっと自由でいいんだ もっと自分でいいんだ」とアツい歌詞が書かれたポスター。壁には「浜省10年ぶり新曲」の見出しが躍る新聞記事も貼られている。

言わなくても分かるが、店主の髙田充哲さんはハマショーファンだ。

「喫茶Sirara」店内のハマショー肖像画知人が描いてくれたというハマショー肖像画

ハマショーの中に、ちょいちょいメルヘン

髙田さんが2011年に店をオープンした時は、ハマショー色を抑えめにしていたらしい。でもBGMなどからバレて、次第にハマショーファンが集うように。さらに彼らは自作したハマショーグッズを献上したり、「家に置いといてもカミさんが嫌がるから」などと持ち込んだりするようになり、今の状態に。

「喫茶Sirara」店内のパステル絵画地元のイラストレーターが描いたというユニコーンのファンタジックなイラスト

「ハマショー居酒屋」はたまにあるようだが、「ハマショー喫茶」はだいぶレアだ。しかもこの店、ハマショーの中にちょいちょい「知り合いのイラストレーターが描いた」というメルヘンチックなパステル絵画が混じっている。

ハマショーとメルヘンのギャップたるや!

驚くことに「お客さんのほとんどがハマショーにあんまり興味ない人」だという。昼は近所のママ友がオムライスランチで長居し、朝にはご高齢の常連が毎日コーヒーで一服しに来る。休日は父子がケーキを食べに来る。こんなにハマショーに囲まれているのに、誰もが何の疑問もなくくつろいでいる。

小川珈琲出身の店主、さすがの身のこなし

さて店主の髙田さん、実はもともと「京都小川珈琲」直営店で長年メニュー開発などを担当しており、キッチン経験も豊富。だからコーヒーを淹れるのはもちろん、料理を作るのも手練れの技だ。

「喫茶Sirara」の髙田充哲さん帽子に輝くハマショーのバッヂも誇らしげに見える

調理風景を見ると驚く。野菜のカッティングスキル、ウインナーの包丁入れ、オムレツの焼き加減、どれもが安定感があり所作が美しい。大人数分の料理を毎日、均一にこなしてきたからこそできる芸当だろう。

「喫茶Sirara」のオムレツ&ウインナーモーニングオムレツ&ウインナーモーニング800円。トースト&サラダのモーニングは580円。通常500円のコーヒーが付くから朝はかなりお得だ

もちろん店はちゃんとハマショーの聖地になっており、京都でライブが行われる際には、ファンが巡礼に訪れるという。「ある時は店内が25人ほどのハマショーファンで埋まった」というから、その日は相当な熱気に満ちていたことだろう。

「喫茶Sirara」のオムライスオムライスはしっかりめに焼かれた卵にデミグラスソース。ハンバーグなどの一品、コーヒーまで付いて1000円

ハマショーファンは1人で来ていても同じ趣味を持つ人同士ですぐ仲良くなれるため、みんな相席を厭わず、この店で出会って友達になるケースも多いという。

「喫茶Sirara」のハマショーのポスターそうだ、ハマショーが好きかどうかなんて問題じゃない。この店に来る理由は自由でいいのだ

そんな話を聞いていたら、なんかハマショーが好きになってきた。

■店名
喫茶Sirara
■詳細
京都市中京区壬生東大竹町21-4
075-406-1803
https://www.facebook.com/p/Sirara-100057319635169/

喫茶店、カフェ、オレ&ラテ、コーヒーカクテル、コーヒーコース?ランチにスイーツ、コーヒーバッグも、珈琲豆も、盛り上がる和歌山も!!珈琲恋恋―and more!

Writer ライター

あまから手帖 編集部

あまから手帖 編集部

amakara techo

1984年の創刊以来、関西グルメの豊かさをお届けしてきた月刊誌「あまから手帖」編集部。 旨いものを求めて東奔西走、食べ歩いた店は数知れず。パン一つ、漬物一つ掲載するにも、関西の人気店を回って商品を買い集め、食べ比べる真面目なチーム・食いしん坊。

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