【クロワッサンを求めてvol.2】外はザクッバリッ!中はムチムチ!なツンデレクロワッサン

【クロワッサンを求めてvol.2】外はザクッバリッ!中はムチムチ!なツンデレクロワッサン

小林明子の「偏愛パン」

2023.03.08

文・撮影:小林明子 / 人物・店内画像提供:Slō

ン十年前にパリで魅了されて以来、表面はカリッ、内層はムチムチな自分好みのクロワッサンを追い求める活動、略して “クロ活”を継続中。今回は“その2”、 京都・河原町『Slō』のクロワッサンを紹介します。

※前回の“クロ活”はこちら
【クロワッサンを求めてvol.1】ザクザクふっくらのバゲワッサン/奈良・ならまち『CONFECTION Artisanal Bread&Sweets』

目次

レシピは常にブラッシュアップ 店舗情報

レシピは常にブラッシュアップ

今、注目を集めている河原町五条界隈。そのなかでも特に人気を呼んでいるのが、鈴江篤さん&まどかさん夫妻が2022年6月にオープンさせた『Slō (スロウ)』だ。

京都市内にも大雪が降り積もった翌朝。「こんな天気なので、いつもよりパンの種類少なめで営業します」との告知がSNSで行われていたにも関わらず、慣れない雪道に最大限の注意を払いながら次々とファンが来店していた。
そんな悪条件下でも行列ができる人気店。平時の週末などは昼過ぎ早々に売り切れることも少なくない。

鈴江篤さん&まどかさん夫妻篤さんは、ハード系が人気の大阪と京都のベーカリーで修業。まどかさんは、食事系やおやつパンが人気のカフェ&ベーカリーで腕を磨いた。現在はパン作りを主に篤さんが、接客をまどかさんが担当。商品開発は協力して行っている。

10坪ほどのスペースには、厨房と店舗を効率よくレイアウト。骨太なハード系から、たっぷりの自家製カスタードが詰まったクリームパンまで、国産小麦で焼く40~50種のパンがガラスケース内に並ぶ。

店内に足を踏み入れると「おはようございます!」と、どんなに忙しくても元気よく挨拶してくれるまどかさんやスタッフさんにパンを指差しながらオーダーするのも楽しい時間だ。

ガラスケース

まさに飛ぶようにパンが売れる、そんな現状にも関わらず、「レシピは常にブラッシュアップさせています。クロワッサンも配合を少し変えたばかりなんです」と篤さんは話す。

国産発酵バターを折り込むクロワッサン生地は、主に北海道産ゆめきらりを使用。12層という少ない折り込み数に留め、ザクッ&バリッな力強い食感を生み出してきた。噛み進むとムチムチの内層が現れる、いわばツンデレなクロワッサンだ。

クロワッサン1日に80個以上売れることもある、人気のクロワッサン。1個240円。

そんなクロワッサンの配合を微妙に変えた理由を篤さんは「おやつパンと言うより、もう少し食事系にシフトさせたくて、糖分をわずかに減らして塩気を立たせるようにしました」。全粒粉入りのデニッシュ生地などにも挑戦していきたいと話す。

成型クロワッサン生地の端を棒状にカットし、それを芯にしてクルッと巻き上げて成型。この後、最終発酵を経て焼成する。

よりバター感が際立つようになった印象があるクロワッサン。1人につき3つは買ってほしい。1つは生ハムやサラダなどと。もう1つは餡かジャムを挟みたい。もう1つは帰る道すがら食べてほしい。店からの距離が近ければ近いほど美味しい、それがクロワッサンの醍醐味でもあるのだから。

■店名
『Slō』
■詳細
【住所】京都市下京区寺町通松原下ル植松町707-2
【電話番号】075-708-7815 
【営業時間】8:00~無くなり次第終了
【定休日】月・火・金曜(不定休あり)
【Instagram】https://www.instagram.com/slo.kyoto/

Writer ライター

小林 明子

小林 明子

Akiko Kobayashi

「パンの街」と呼ばれる京都の商家に生まれる。数人の従業員も住み込む、大家族に育ったため、朝食は各自が用意できるパン食が常だった。以来、半世紀以上にわたって毎朝の主食はパン。パン屋巡りの旅に出ることもあるライター。パンシェルジュ1級。

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