大阪・北新地の人気寿司店の2号店は、使い勝手よし!

大阪・北新地の人気寿司店の2号店は、使い勝手よし!

門上武司の「今月の一軒!」

2022.10.03

文・撮影:門上武司

編集顧問・門上武司が出合った、キラリ輝く一軒をご紹介。今回は、人気寿司店の2号店として誕生した『寿し処黒杉 心貫(しんかん)』です。同じ大阪・北新地内で構えるメリットを生かしつつ、スタイルを違えることで好評を得ています。

目次

寿司屋激戦区・北新地で2号店 仕込みはスタッフ揃って本店で 北新地で2軒、というメリット 店舗情報

寿司屋激戦区・北新地で2号店

北新地で一体何軒の寿司屋が技を競っているのか。おそらく100軒は超えるだろう。『寿司処 黒杉』は中でも人気の一軒。大将の黒杉章宏さんは「最近、『つまみは要らないから、にぎりだけ食べたい』と仰るお客様が増えてきました」と話す。ちょうど、若いスタッフも育ってきた。同じ北新地で2号店を……そこで、アラカルトがコンセプトの『寿し処黒杉 心貫』をこの8月にオープンさせた。好きなネタを好きなだけ食べることができる寿司屋。寿司好きにはたまらない一軒だ。

仕込みはスタッフ揃って本店で

「ネタもシャリも本店と一緒です」と、『寿し処黒杉 心貫』料理長の小室優作さん。

握っていただいたのは、北海道南部・戸井揚がりのマグロの赤身。脂にキレがあり、すっと喉を通る。香りだけが残り、食欲に勢いが生まれる。コハダは、気持ちが緩むような柔らかな酢のあたり加減。赤貝はコリッとした食感の奥から弾ける旨みがたまらない。中トロは、するりと溶けてゆくような滑らかさで、余韻にうっとり。シャリを包み込むように握られた新イカは、わずかな塩で甘さが一気に引き立つ。ウニは思わず飲み干してしまいそうに蕩(とろ)ける。そして穴子と続くと、口中の喜び度合いが高まってゆく。締めに玉子。

初めて伺ったこの日は、突き出し、にぎり12カン、味噌汁で8800円のおまかせにしてもらった。初回はこのコーススタイル、2回目からはこちらのオーダー、という感じで楽しむのもいい。

寿司

寿司

北新地で2軒、というメリット

仕込みは本店で一緒に行う。魚は片身におろして運び、シャリも同じものを使う。「どちらかの店のシャリが足りなくなれば、スタッフが運ぶこともあります」と小室さんは同じ北新地で店を構える長所を話してくれた。常連が来た時は、大将が顔を出すこともあるという。つまり、大将の目が届く範囲で仕事をするという安心感が店にもお客にもあるのだ。

また、日本酒にも工夫がある。冷酒は常時5種で、スタッフが選んだリーズナブルな価格のものを入れ替わりで提供。そこへ1種だけプレミアムで評価の高い銘柄を用意する。一軒目としてはもちろん、食事を済ませた後に軽く飲みながら寿司を数カン食べるのもよし。つまり自分の都合とシチュエーションによって訪れることができる、ありがたい一軒なのである。

寿司屋カウンター

■店名
『寿し処黒杉 心貫』
■詳細
【住所】大阪市北区曽根崎新地1-10-22 ミヤプラザ10F
【電話番号】06-6347-0919
【営業時間】18:00~翌1:00LO
【定休日】日曜、祝日
【お料理】にぎりおまかせ(付き出し・寿司12カン・料理2品・デザート)11000円、日本酒グラス770円~、一合1540円~。

Writer ライター

門上 武司

門上 武司

Takeshi Kadokami

あまから手帖・編集顧問。年間外食350日という生活を20年以上続け、食事と食事の合間にもおやつをボリボリ…。ゆえに食の知識の深さは言わずもがな。食に携わる生産者・流通・料理人・サービス・消費者を繋ぎ、発信すべく、日々奔走している。

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