知る人ぞ知る熊本・球磨(くま)焼酎 注目の6蔵(前編)

知る人ぞ知る熊本・球磨(くま)焼酎 注目の6蔵(前編)

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2023.10.24

文:河宮拓朗 / 撮影:桂 裕幸

PR:主催/熊本県大阪事務所、企画運営「あまから手帖」

かつて源頼朝の命を受け、相良のお殿さまが熊本・人吉球磨(ひとよしくま)の地の利を生かし、外敵から700年間守り、治めました。この地で生まれ、お殿さまに献上された米焼酎「球磨焼酎」は実に500年以上の歴史を誇ります。現在では最新の技術も取り入れられ、幅広い個性を持つようになりましたが、関西ではまだまだその真の魅力が伝わりきれていません。そこで今、注目の球磨焼酎6蔵を前編・後編に分けて、紹介します。

目次

常圧蒸留ひとすじ家族3世代で造る酒/寿福酒造場 1300の樽の中で進む 焼酎の静かな熟成/大石酒造場 よき水・米と蔵人で球磨の風土を表現/豊永酒造 11月19日(日)球磨焼酎飲み比べイベント開催

常圧蒸留ひとすじ家族3世代で造る酒/寿福酒造場

5代目の蔵元杜氏・吉松良太さんを筆頭に、蔵人は家族5人のみ。球磨焼酎は「常圧蒸留ひとすじ。好きと思う酒を造らんとしょんなかね」と良太さんはいう。代表銘柄「武者返し」は、地元産の新米100%に白麹、吟醸酵母と蔵付き酵母を組み合わせて造り、2~3年寝かせたもの。口に含めば炊きたてご飯を思わせるふくよかな甘みと香り、かすかな香ばしさが食中酒としての実力を主張する。「温めるとなお旨いです。お薦めは燗ロック」。先代、母・絹子さんに加え、良太さんの姪御さん(まだ10代!)が今年から蔵に入り、先行きも明るいマイクロ蔵。

「寿福酒造場」
【住所】熊本県人吉市田町28-2
【電話番号】0966-22-4005

1300の樽の中で進む 焼酎の静かな熟成/大石酒造場

球磨川の最上流部に位置するこの蔵は、原料米を大切にしている。自社農場でヒノヒカリ、吟のさとなどを栽培し、さらに契約農場では無農薬鯉農法で五百万石を生産。これらの米から造られるのが、減圧蒸留の「大石」や「礼世奈(れせな)」、常圧蒸留「初代権六」などの主力銘柄だ。「吟醸酵母・KF7を使う『礼世奈』は、炭酸で割るとより香りが立つんです」と6代目の大石和教さん。樽熟成にも昭和50年代から取り組み、ブランデーやシェリーの樽、様々な材の新樽で多彩な原酒を造り分ける。樽の総数は1300にものぼるというから驚かされる。

「大石酒造場」
【住所】熊本県球磨郡水上村岩野1053
【電話番号】0966-44-0001

よき水・米と蔵人で球磨の風土を表現/豊永酒造

「球磨の米・球磨の水・球磨に根付いた人による焼酎造りを実践し、この球磨の風土を焼酎で表現したい」と5代目の豊永 遼さん。明治27年の創業当時から、自社田のお米を使った焼酎造りを行ってきたという。1986年からは地元契約農家が育てた米を含め、原料を有機農法米100%に。その米で造った「豊永蔵」の常圧は、フランスの「クラ マスター2021」において最高賞を受賞。また2022年「第1回 酒屋が選ぶ焼酎大賞」でも大賞を獲得。このコンクールでは同銘柄の「無濾過 自我田」も優秀賞を獲りました。賞歴に満足することなく、有機玄米100%使用の「完がこい」や、米焼酎にカルダモンを漬けたリキュール「カルダモン TAKE7」など、先代の史郎さんと共に意欲作を送り出し続ける姿勢がまぶしい。

「豊永酒造」
【住所】熊本県球磨郡湯前町1873
【電話番号】0966-43-2008

球磨焼酎、3蔵左から/「寿福酒造場」吉松良太さん、「大石酒造場」大石さん、「豊永酒造」豊永 遥さんと先代の史郎さん

11月19日(日)球磨焼酎飲み比べイベント開催

こうした魅力的な球磨焼酎を、屋台料理と共に飲み比べられるイベント「KUMA球磨焼酎サロン」が大阪にて11月19日(日)に開催される。 イベント詳細はこちら

あまから手帖2023年11月号

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