「KYOTO GASTRONOMY AWARD2023」で ‟もうひとつの京都“の食の魅力を再発見!

「KYOTO GASTRONOMY AWARD2023」で ‟もうひとつの京都“の食の魅力を再発見!

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2024.02.08

文:川島美保 /撮影: 高見尊裕 

Sponsored by 京都府観光連盟

京都府域の食に関わる、文化・観光資源の魅力を発信・応援する「京都ガストロノミーアワード」による‟おいしい審査・発表会“に参加してきました。京都市内を中心に活躍する有名店と京都府内各地の地元人気店がコラボした新作料理は、ワクワクする逸品揃い。果たして栄えあるグランプリに輝いたのは…。

目次

‟もうひとつの京都“を応援 未知の食材、鬼海老登場 ほうじ抹茶という新食材 黒谷和紙を料理に!? 筍だけじゃない‟竹の里・乙訓“ グランプリは‟森の京都“の奉書焼き

‟もうひとつの京都“を応援

「京都府の地方ならではの知られざる食文化の魅力を知ってほしい!」。そんな熱い想いが、去る1月31日に開催された初イベントの趣旨。「京都ガストロノミーアワード」が応援するのは、‟もうひとつの京都“と呼ばれる、京都市内を除いた、京都府各地の観光エリア。日本海に面した「海の京都」、山・森などの自然に包まれた「森の京都」、お茶の文化と神社仏閣の宝庫「お茶の京都」、清らかな竹林が広がる京都西山「竹の里・乙訓」と名付けられた4つのエリアです。

その上記4エリアを代表する人気料理店と京都市内を中心に活躍する老舗や有名店が、本イベントのためにコラボ。現地視察などを経て刺激を受けた料理人たちの‟外からの視点“で、現地の魅力を再発見。生産者や料理人との交流が生んだ特別料理を、地元有識者や報道関係者ほか、公募した一般参加者150名による試食・投票で評価します。各地のおいしい情報を舌で体感できる、貴重なイベントです。

『京都ガストロノミーアワード』のPR動画と審査風景左/各エリアの魅力を伝えるPR動画上映の後に、料理試食という流れ。右/審査員には、弊誌編集顧問の門上武司や、京都府旅館ホテル生活衛生同業組合理事長の磯橋輝彦氏などが参加。

未知の食材、鬼海老登場

参加した料理店は、8組16軒。「海の京都」からは、「深化する京食材」をテーマにしたブリ大根と、「海×米 水の恵み」をテーマにした鬼海老のお茶漬けの2品が登場です。

「脂乗りが良いけれどすっきり爽やかな持ち味を生かしたい」と、焼いて香ばしさを出した伊根ブリが上品な味わい。初めて聞いた食材、「甘エビのようなとろりとした食感と甘みが印象的」という丹後産の鬼海老は、風味豊かな岩海苔と組み合わせたお茶漬けに。エビ殻でだしを取るひと工夫に、素材への敬意を感じました。

「海の京都」をテーマにした2品左/伏見の老舗料亭『魚三楼(うおさぶろう)』×天橋立の温泉旅館『文珠荘(もんじゅそう)』による「伊根ブリ大根~伏見の酒粕とともに~」。右/若狭街道沿いの『山ばな 平八茶屋』×夕日ヶ浦温泉の『佳松苑(かしょうえん)』による「鬼海老のお茶漬け」。バフンウニの塩漬けを添えて。

ほうじ抹茶という新食材

続いては「お茶の京都」から、「抹茶料理の新たな可能性」をテーマにしたほうじ抹茶の呉豆腐と、「懐石とイタリアンの出会い」をテーマにした京野菜ピッツァが登場。抹茶の原料となる碾茶(てんちゃ)を焙じたなんとも贅沢な‟ほうじ抹茶“と豆乳を葛(くず)で固めた一品は、和束産宇治茶の高い品質を真っ直ぐ伝える仕立て。「油脂やハーブを控えた和のピッツァを!」との意気込みで生んだピッツァは、トマトソース替わりにした金時人参のピュレの甘みに、会場各所から驚きの声が上がりました。

「お茶の京都」をテーマにした2品左/宇治の抹茶料理屋『辰巳屋』と和束の茶蕎麦専門店『和束家』による「ほうじ抹茶の呉豆腐」は、ほうじ茶でのばした一番だしとともに。右/京料理の老舗『瓢亭』と宇治の『アンティカ ピッツェリア ラジネッロ』による「京野菜ピッツァ」。味付けは塩のみで金柑の香りがアクセント。

黒谷和紙を料理に!?

「森の京都」から登場したのは、「京料理とジビエの出会い」をテーマにした鹿すね肉の味噌煮込みと、「伝統工芸と京料理」をテーマにした奉書焼き(紙包み焼き)。クセのない夜久野産鹿肉に綾部産の和辛子を添えた煮込みは、まさに知られざる食材の融合。800年の歴史を持つ黒谷和紙を和食の伝統的技法に活用した奉書焼きは、工芸品を違和感なく食に組み込んだ発想が見事でした。

「森の京都」をテーマにした2品左/東山の料亭『菊乃井』と鴨すきで有名な福知山の『柳町』による「鹿すね肉の味噌煮込み」。カカオマスや八丁味噌、黒糖が深みの秘密。右/北白川の『茶懐石 三友居(さんゆうきょ)』と綾部の料亭『ゆう月』による「黒谷和紙の季節の奉書焼き」。紙包み焼きした京丹波高原豚のバラ肉や海老芋を、京丹後にある『木下酒造』の熟成酒を利かせた玉味噌ダレで。

筍だけじゃない‟竹の里・乙訓“

とうとう最後、「竹の里・乙訓(おとくに)」から登場したのは、「西洋料理と京料理のセッション」をテーマに、あえて筍は使わずに小蕪と九条ネギを使った鶏肉料理と、それと対照的に「旬を超越する筍料理」をテーマにした筍と菜花の辛子和え。筍と並ぶ特産品・菜花と九条ネギに焦点を当てた和の趣漂うフレンチの古典料理は、蕪の葉をソースにして食品ロスも考慮。「竹の里・乙訓には、採れたての京たけのこを生のまま‟パック“にした商品があるんです」という訴求を兼ねた春の和え物は、長岡京の歴史にちなんだ料理名も洒落ていました。

竹の里・乙訓左/嵐山の料亭『鳥米(とりよね)』と長岡京の『洋食屋AKIRA』による「小蕪と九条ネギを使った鶏のガランティン。鶏肝のムースや蕪を鶏肉で巻いて焼き、軽く燻製。柚子が香る蕪のピュレや素揚げした九条ネギなどを添えて。右/京懐石の老舗『美濃吉(みのきち)』と長岡京の京料理店『京・洛西 ぶへい』による「京たけのこと花菜の‟ガラシャ和え“」。地元・勝龍寺城に輿入れした細川ガラシャにかけた命名。

グランプリは‟森の京都“の奉書焼き

審査の結果、グランプリに輝いたのは「森の京都」の「黒谷和紙の季節の奉書焼き」。食を通じて文化も感じられる粋な仕立てと、春なら筍、秋なら栗や松茸など、季節に応じて京都の美味を閉じ込められる高い汎用性が評価されました。

さらに、準グランプリには「海の京都」の「伊根ブリ大根」が、さらに特別賞には「森の京都」の「鹿すね肉の味噌煮込み」が選ばれました。どちらも意外な地元食材を知れたことと、定番料理をひと捻りした調理法が、高い評価につながったようでした。

コラボレーションした料理人の感想にもありましたが、参加者すべてにとって「新鮮な出合い」の連続だったイベントでした。もっとリアルな体験を求めて、今度は‟もうひとつの京都“に足を運んでみようと思います。

「京都ガストロノミーアワード」受賞風景手前から2名が、グランプリを受賞者した『ゆう月』料理長の通山直人さんと、『茶懐石 三友居』の山本 寛さん。

■イベント名
『京都ガストロノミーアワード』
■詳細
【問合せ】京料理・地元農林水産品持続支援プロジェクト事務局(京都新聞COM内)
【電話】075-241-6171
【㏋】https://kyoto-gastronomy.com/

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