JR兵庫駅に近くある、下町の名ビストロ

JR兵庫駅に近くある、下町の名ビストロ

ピックアップTopics!

2024.04.01

文:「あまから手帖」編集部・森千尋 / 撮影:山口謙吾

フランス料理のコースの愉しみとは何か、選べるメインか、手作りパンか、ワインとのペアリングか。締めのデザートに、初めて目を向けてみた。

目次

むしろ、待ち遠しくなるデザート

むしろ、待ち遠しくなるデザート

コース料理の最後、デザート(デセール)は要るか要らないか。私は要らない派なのだが、フランス料理店では必ずと言っていいほど提供してくれる。小さなケーキや季節のタルト、チョコレート、フルーツのコンポート、ソルベ。甘いもの目当てで入ったカフェのメニューに並んでいたのなら、とても魅力的。しかし私はコース料理の後はラーメンやうどんなど出汁の利いたものが欲しくなるタイプ。お酒は飲まないくせに、不思議な話。

なぜフランス料理のコースの締めにはデザートがお決まりなのか。それは長い間砂糖が希少だったため、料理に使うことができなかったことが関係するらしい。歴史的に見てもフランス料理のコースの締めはデザート以外ではありえないのだ。

なるほど、と思い勝手にデザート要らないなどとほざいていた自分を反省していたところ、その改心が認められたのか、とても美味しいデザートを提供されるフランス料理店に出合った。JR兵庫駅を少し歩いたところにある、「ビストロ プティポワ」だ。

「Deux étoiles」というコースには、アミューズグール、前菜2皿、本日のスープ、選べるメインが付く。その後、ついにデザートが現れる。

「フルーツ以外はすべて手作りです」

ご主人の言葉を聞きながら口に運んだクレームブリュレ。カリッとほろ苦いカラメリゼ、甘いカスタードソース。めちゃくちゃ美味しい。

誕生日であることを前もって伝えておけば、「happy Birthday」とチョコレートでメッセージを書いてくれる。

Deux étoilesコースより、締めのデザート。

■店名
ビストロ プティポワ
■詳細
兵庫県神戸市兵庫区塚本通5-1-26
☎︎078-578-3287

2024年4月号「名店とは何か?」

あまから手帖では今回、「名店とは何か?」を色々な切り口から考え、関西の「名店」を厳選。一生に一度は行きたい高級店、唯一無二の味、会いに行きたい名物店主、さらには浪速の名酒場や、売切れ御免の秘境ラーメン店、名店を継いだ名店、贈って喜ばれる口福の名品など。知られざる名店、むしろ迷店まで、あなたなりの「名店」にきっと巡り合えるはず。

Writer ライター

あまから手帖 編集部

あまから手帖 編集部

amakara techo

1984年の創刊以来、関西グルメの豊かさをお届けしてきた月刊誌「あまから手帖」編集部。 旨いものを求めて東奔西走、食べ歩いた店は数知れず。パン一つ、漬物一つ掲載するにも、関西の人気店を回って商品を買い集め、食べ比べる真面目なチーム・食いしん坊。

Related article 関連記事