
幸せの風が吹く五色の菓子
あまからセレクション選
大阪を代表する料亭『柏屋』の亭主・松尾英明さんによるモダンな羊羹「かさね」。植物由来の日本の伝統文化に欠かせない五色に、天下泰平や災厄退散の願いが込められています。新年のお祝いに、ぜひこの高貴な菓子を。
日本を代表する染色家×料理人のコラボ菓子
かつての『あまから手帖』の連載で、すごく好きだったものがあります。
それは、日本を代表する染色家「染司 よしおか」5代目当主の吉岡幸雄さん(故人)と、大阪の名料亭『柏屋』の松尾英明さんがコラボした「かさねがさね」という連載でした(ちなみに編集担当は、あまセレスタッフでもある編集Cさん)。
最初の見開きに、草木花に潜む色を汲み出して、季節の繊細で鮮やかな色を再現した吉岡さんの織物。ページをめくると、その色を天然の食材で表現して2.5cm四方の羊羹へと映した松尾さんのお菓子が凛と並べられていました。
静かですが強く、深さを感じる色の重なり。
なんというか…、神々しい。
“これが日本の美意識なのだ”という、無言の説得力を感じたのです。
この時に掲載していた松尾さん作の羊羹の名を「かさね」と言います。
もともと、吉岡さんの著書も参考にしつつ「かさね」を作っていた松尾さんですが、この連載を機に師と仰ぐほど親交が深まったそうです。
左/2015年2月号のテーマは「梅」。右/2016年1月号のテーマは「松」(最終回)。
2023年幕開けは縁起のいい菓子と
「かさね」とは、平安貴族が絹衣の色の重なりで季節の彩りを表現した「かさねの色目」に発想を得た謹製の菓子。
今回ご紹介したいこの「こうふう」は、日本の伝統文化に欠かせない五色に、天下泰平、厄災退散の願いが込められています。ヨモギや紅花、黄菊など、色はすべて天然の素材由来です。それぞれの上品な風味が立ち、特に「黒」は竹炭と唐納豆の甘じょっぱい味わいで、ウイスキーなどのお酒とも好相性。
「幸せの風が吹きますように」と願いが込められたこの菓子は、自身の願掛けはもちろん、幸せを願う方へのギフトにもお薦めです。
また、複数の色を組み合わせた月替わりの「季節のかさね」も、数量限定でお取り扱いしています。1月のテーマは、こちらもおめでたい「松竹梅」です。

『柏屋』の「こうふう」のかさね
大阪を代表する料亭『柏屋』の亭主・松尾英明さんが、日本の伝統色で天下泰平の願いを表現した麗しい羊羹です。
Writer ライター

あまからセレクション
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