日仏の星付きシェフの1dayコラボを広島よりリポート

日仏の星付きシェフの1dayコラボを広島よりリポート

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2023.04.06

文・撮影:「あまから手帖」編集部・白川恵理子

2023年5月の「G7広島サミット」開催を記念して、フランスのレストラン「ル・アール」シェフ、マチュー・デュピュイ・ポーマル氏と「hiroto」のオーナーシェフ・廣戸良幸氏がコラボ。当日の料理をレポートします。

フレンチ×日本酒の、五感を刺激するコラボレーション。

2023年2月末、広島のミシュラン二つ星レストラン「hiroto」に集結したのは、「シャトー・ドュ・ラ・ゴード」のレストラン「ル・アール」(一つ星)総料理長・マチュー氏率いる料理人チームに撮影隊、アーティスト。そして広島の4つの日本酒蔵の蔵元。広島の食材などを使った料理と広島の日本酒のペアリングで美食家たちの五感を楽しませた。

広島『hiroto』イメージ左がマチューシェフ。右は広島の蔵元4名。

まずアミューズは、ゆずのマシュマロや胡瓜とシソの野菜巻きなど、日本の食材を随所に。 続いては、青りんごのゼリーにワサビ、海苔の泡を添えた冷たい牡蛎。ここに合わせるのは「梅田酒造場」の「本州一 無濾過純米酒」。華やかな香り、さらっとした飲み口で、青りんごや牡蛎によく合います。

アミューズアミューズ。右側はサーディンのお料理。魚の骨の形をしたチップスと共に。

牡蛎牡蛎は南仏プロヴァンスを思わせるような華憐な盛付けで。3名分。

続く温かい牡蛎料理の次は、山口県産天然フグ白子の備長炭焼き。こちらは廣戸シェフが白子を焼き、マチューシェフが料理を組み立てます。ソースには「盛川酒造」の「白鴻」の酒粕を使用。とろりとしながらも清らかな風味のフグ白子に、少し甘めで酸味のバランスもいい「白鴻 四段仕込み 純米酒」がぴったり。

温牡蛎お酒のブイヨンを使用した温かい牡蛎には金柑をのせて

白子ふっくらと焼かれた白子は清らかな味わい。酒粕とディルオイル、カリフラワーのソースで。

愛媛県産白甘鯛はマチューシェフのオリジナルソースで。なんとこのソース、ユズポン酢を使用。オイルと合わさったポン酢の風味が、中国料理の「清蒸魚」のような味わいに。「藤井酒造」の「龍勢 生酛 日々綽々(しゃくしゃく)」の奥行きのある味わいが、強いソースに寄り添います。

調理中廣戸シェフが肉や魚を繊細に火入れし、チーム・マチューが一皿ずつに仕上げていく。

白甘鯛ポン酢みたいな味がする! と思えば本当にポン酢を使っていた(笑)。百合根も添えられています。

続いて愛媛県産アワビと焼きリゾット。上には熊本産の青のりがたっぷり。「三宅本店」の「千福 神力 生酛純米無濾過原酒」の甘酸っぱく濃厚な味わいが磯の風味に合わさります。

あわびむっちりとしたアワビに肝のソース。磯の香りが爽やか。

肉料理は、廣戸シェフが惚れ込んで使い続けている榊山牛のフィレ。柚子胡椒風味の透明なソース。こちらにはマチューシェフのレストランがある「シャトー・ドュ・ラ・ゴード」の「シャペル ガブリエル2017」を。フィレ肉の繊細な焼き加減と旨みに、どっしりとしながらも抜け感のある赤ワインが合わさりフレンチらしく締め括り。

肉付合せはレンコンとこごみ。廣戸シェフの圧巻の火入れが光る肉はビロードのような舌ざわり。

今回は広島の日本酒と、広島近郊の食材を堪能。サモアにルーツを持つマチューシェフのユニークな感性で楽しませてくれました。サミットの夕食会で供される料理や乾杯酒、食中酒は毎回注目の的。2023年5月の「G7広島サミット」ではどんな料理とお酒で各国の首脳をおもてなしするのか。楽しみですね。

外観廣戸シェフの普段のお料理も食べてみたくなりました。

■店名
『hiroto』
■詳細
【住所】広島市中区富士見町4-17
【電話番号】082-247-9889
【営業時間】18:00~22:00(LO)
【定休日】月曜(祝日の場合は翌日休)
【公式サイト】https://y788600.gorp.jp/

Writer ライター

あまから手帖 編集部

あまから手帖 編集部

amakara techo

1984年の創刊以来、関西グルメの豊かさをお届けしてきた月刊誌「あまから手帖」編集部。 旨いものを求めて東奔西走、食べ歩いた店は数知れず。パン一つ、漬物一つ掲載するにも、関西の人気店を回って商品を買い集め、食べ比べる真面目なチーム・食いしん坊。

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