
お茶を自由に楽しみ尽くす!「京都吉田山大茶会」
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「京都吉田山大茶会」が今年も開かれます。茶会というと格式のあるお茶席を想像しますが、このお茶会は〝全国から集まった世界中のお茶を自由に楽しむ〟がコンセプト。6月3日(土)、4日(日)は新緑の吉田山へぜひ!
お茶は古来、薬であり、コミュニケーションの手段でもあった
京都吉田山大茶会は2010年から始まり、今年で12回目。中国茶専門店「岩茶房」が企画し、京都や静岡、福岡、鹿児島など全国からお茶の生産者や販売者、茶房など37店が出展します。
吉田山は古来より「神楽岡=神が集いし岡」として崇敬される聖地
平安時代、「永忠が嵯峨天皇に茶を煎じて奉った」と文献に記述があります。その後、覚醒効果や二日酔い解消に有用な飲み物として認知され、戦国時代には千利休によって〝茶の湯〟が大成しました。
1587年には北野天満宮境内で豊臣秀吉が「北野大茶湯」を開催。身分を問わずお茶を持ち寄ることのできる無礼講な茶会だったと記録されています。
「京都吉田山大茶会」は吉田神社境内で開催
岩茶房からは、武夷山正岩茶や手作りマーラーカオなどを出品
時代とともに、お茶は形式的な美だけにとどまらず、喫し方も供し方も自由な〝生活文化〟として浸透しました。さらに作り手である生産者によっても違いが生まれ、その技法も発想も個性化しています。
423年前の「北野大茶湯」を再び⁉
製茶されたばかりの春の新茶を直接購入できるのが、毎年人気の理由
そんなお茶(自然)へのリスペクトを持って、心身の健康に良いお茶を次世代へつなげたい。しかも生産者から出来たばかりの新茶を直接購入できる機会を…と企画されたのが「吉田山大茶会」。出展者それぞれが自由な表現方法で提供し、喫茶文化を活気づける場となっています。
手から手へと渡される喜びは、直接販売でしか味わえません
「茶会というと肩肘が張るイメージですが、野外で風に吹かれながら喫茶をする大らかな場です。お茶に関わる方々が美味しいと思うお茶を持ち寄って、来場者が自由に選び楽しんで、お茶を身近により深く感じていただきたい」と岩茶房の上田博実さん。
日本から中国、韓国、台湾、ドイツ、南米まで
会場には、静岡県の小さな茶農園が育てた有機の茶葉や、三重県四日市産の紅茶、埼玉県で有名な狭山茶の微発酵茶や白茶、高知の野生茶…と実に多彩な300種以上のお茶が登場。日本茶だけでなく、台湾の食べるお茶「客家擂茶」、全工程手法(伝統製法)の岩茶や稀少品種の中国茶、韓国、ベトナム、南米、ドイツのお茶まで。
茶芸師による体験や、インストラクターのお話なども
お茶の振舞いや茶葉の販売ほか、茶葉を使った菓子やパンなどの販売、茶芸、中国書画講座、淹れ方レクチャーといった体験も。
茶文化の礎の地である京都で開かれる、21世紀版大茶会。お茶の歴史を受け継ぎ、新たな感動をもたらしてくれるお茶が全国から集まります。どのようなお茶と出合えるのか、楽しみですね。
入場無料ですが、各ブースでの茶席や体験などは有料。両日、かなりの来場者が予想されるので、早めに行くことをオススメします!
■イベント名
『京都吉田山大茶会』
■詳細
【日時】6月3日(土)・4日(日)両日10:00~17:00
【場所】京都市左京区吉田神楽岡町30
【入場料】無料
【問い合わせ】075-211-3983(岩茶房京都)
【公式サイト】http://ganchabou-kyoto.com/
Writer ライター

あまから手帖 編集部
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