
山梨『星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳』で ワインに浸る山麓の休日
葡萄畑アペロでほろ酔いに
日暮れを前に夏色に輝く葡萄畑の向こう、真正面にそびえ立つのは雄大な八ヶ岳。野生のキジがのんきに畑を散歩する姿に、つい頬が緩む。気分はヨーロッパのヴァカンスだ。
「振り向けば南アルプスの山並み。素晴らしい大自然に浸ることが‟葡萄畑アペロ“の醍醐味です」。畑の主・小牧康伸さんが微笑む。ここ『Komaki Vineyard(コマキ ヴィンヤード)』で地元産のワインとチーズを嗜(たしな)むホテルアクティビティは、もう10年以上続いているという。
ディナーのテーマは‟ワインと野菜‟
日本屈指のワイン産地・山梨県北杜市の別荘エリアに建つ『星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳』が目指すのは、地域密着型ワインリゾート。人気のワイナリー『ドメーヌ ミエ・イケノ』との提携など生産者との深い繋がりでも有名だが、近年最大のトピックはメインダイニング『OTTO SETTE(オットセッテ)』の全面リニューアルだ。
ワインカーブをイメージした設えに刷新し、コンセプトはイタリア語でワインと野菜を意味する『Vino e Verdura(ヴィノ エ ヴェルデューラ)』。「前菜からデザートまで、以前に増して野菜を軸にしたコース構成に進化しました」と鎌田匡人(まさと)料理長が魅力を語れば、ソムリエの長久保正邦さんは「野菜の味や香り、テクスチャーも意識して、山梨とイタリアのワインを合わせています」とやりがいを話す。気心知れた2人が織り成すワインペアリングをここで頼まない選択は、ありえない。
刺激に満ちた甲州テロワール
ワインをモチーフにした器が印象的な前菜盛合せ「野菜のアソルティメント」は、そば粉が香るブルスケッタや空豆のクロケットなど4種類。バラエティ豊かなひと皿に合わせるワインは、白から赤まで幅広いニュアンスを持つロゼ。程よいベリー感と厚みある味が、猪肉も包み込む懐深さを見せる。
30種の野菜が並ぶスペシャリテ「畑の前菜」には、イタリア・カンパーニャのミネラリーな白ワイン。「潮風を受けて育ったブドウならではの塩気が、野菜の甘みを引き出します」と長久保さん。クレソンのジェノベーゼにはハーブ的な清涼感のある白、地元産鹿肉のコトレッタ(カツレツ)には、少しスパイシーな赤。個性的な10組のマリアージュは、デザートに至るまで続く。
幸せすぎる部屋飲み
ボルドーカラーを基調とした特別客室に戻れば、施設内のワインショップ『八ヶ岳ワインハウス』で入手しておいたおつまみセット「VINO BOX」が待っている。部屋付きのワインセラーの中には、希少な『ドメーヌ ミエ・イケノ』のワインが何本も揃っていたことも、もちろん忘れてはいない。
まだまだ夜を終わらせたくないけれど、目覚めの白ワインも悪くないな。そう思案しつつ、快適で上質な部屋飲みにふける。
まだまだ続く、ワインの時間
野鳥の賑やかなさえずりに目を覚まし、朝食はビュッフェ&グリルレストラン『YYgrill』へ。山賊揚げや鳥モツ煮などほっこりする山梨の郷土料理で胃を満たした後は、施設内のブックストア『BOOKS&CAFE』でお土産探し。旅や料理など約3000冊を取り揃える本格的なブックカフェには、地元クラフト作家の作品や雑貨も豊富に並んでいる。
チェックアウト後も、楽しみは尽きない。
レストランやカフェ、ベーカリー、ヨーロッパ雑貨など、ジャンル豊富な19店舗のショップが立ち並ぶホテルのメインストリート「ピーマン通り」の散策も外せない。
BYO (Bring Your Own(wine)の略称)といって、レストランやカフェにワインを無料で持ち込めるサービスも、『リゾナーレ八ヶ岳』ならではの、気の利いたサービス。『清里ハム』で注文したアソートピッツァのまわりに、買い集めたつまみと昨夜飲み残したワインを広げて、昼酒に興ずる。
帰りの電車まで、まだまだ時間はある。雲一つない青空が、いつにも増してキレイに見えた。
data
- 店名
- 『星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳』
- 住所
- 山梨県北杜市小淵沢町129-1
- 電話番号
- 050-3134-8093(リゾナーレ予約センター)
- 営業時間
- in15:00~、out~12:00
- 料金
- 2名1室利用時1名あたり24000円~。
- 備考
- ※このページに掲載の内容は2024年7月時の情報です。
recommend