「りくろーおじさんのチーズケーキ」おいしい理由&並ばず買える方法も

大阪に住んでいると、当たり前にある『りくろーおじさんの店』。
名物のチーズケーキを買うお客で、いつも行列ができています。「大阪以外には、よう行かん」と言っている、りくろーおじさん。親戚のおじさんみたいに気軽に呼んでいるけれど、そもそもどんな人なんだろう。あの焼きたてチーズケーキは、どうしてあんなにおいしいの?
さらに、並ぶのが当たり前と思っていたら、並ばなくても買える新サービスが登場していたり、楽しすぎるバースデーケーキがあったり。
身近なのに、意外と知らなかったあんなこと、こんなこと。

「りくろーおじさん」の正体

「りくろーおじさん」とは、平成19年に74歳でこの世を去った、『りくろーおじさんの店』の創業者・西村陸郎さんのこと。菓子問屋や製菓会社での経験を経て、23歳で独立。菓子店やパン屋を経営するなかで、昭和59年にチーズケーキの販売をはじめました。 「焼きたての魅力がアピールできるお菓子をいろいろと試した結果、抜群においしかったチーズケーキに決まったそうです」と広報さん。

店舗で仕込み、オーブンから出したばかりのアツアツに目の前でロゴの焼き印を押していく独自スタイル。当時はワンコインの500円で販売されていたそうです。現在は物価高騰の波に抗いながら1065円。「いまでも、『昔は500円やったのにな~』と言われることがあります」と広報さんはいいます。当時爆発的に広まったチーズケーキ、それだけ印象的だったということですね。

「りくろーおじさん」の代名詞、チーズケーキの魅力は、なんといってもホカホカ、ふわふわ、とろとろの生地。フォークを入れると、シュワッと超エアリーな音が聞こえます。焼きたては玉子の風味が強くて、粗熱が取れると、デンマーク産クリームチーズのコクが現れます。冷蔵庫で冷やすと、高級感漂うしっとり系に。「レンジで温め直すとまたふわふわになりますよ」と広報さん。

チーズケーキの底にいる名脇役、レーズンの存在も忘れてはいけません。生地の柔らかさに寄り添うために、種なしブドウの軸などを手作業で取り除き、自家製のシロップで炊き上げています。

焼き上がりのハンドベル
焼き上がりはハンドベルで知らせてくれます。実は時間帯で鳴らし方が異なるんですよ。早朝はそ~っと、お客さんで活気が出る日中は盛大に。ちなみに「なんば本店」の「陸カフェ」では、焼き立てにクローシュを被せて、ベルを鳴らしながら運んできてくれます。
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りくろーおじさん看板
店頭レジにある2カ所に分かれた看板。一方は、待ってでも“焼きたて”を買いたい人用、もう一方は、すぐに買いたい人用。後者のチーズケーキは、“あらかじめ”と呼ばれています。広報さん曰く「“冷めている”とは言いたくないんです」とのこと。お店の心意気を感じます。
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おいしさの秘密は、袋や箱に施された工夫にも。普通は温かいケーキを袋に入れると結露してしまいますが、「りくろーおじさん」は特注の穴あきビニール袋が結露問題を解決。そして本体よりも1㎝の余裕をもたせた箱が焼き印が剥がれるのを防いでいます。こうした袋や箱の工夫は、顧客からの声を聞いた結果なのだそう。箱には、家でおいしく食べるための温め方や切り方、切り取れるアンケート用はがきなど、情報がぎっしりと書かれています。

チーズケーキを箱詰め
袋には無数の穴が空いていて、ほとんど結露しないようになっています。箱の指示通りに温めれば、家でも焼きたてのようなふわふわに。
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焼き印、4種類もあるんです

おなじみの焼き印ですが、実は4種類もあるの、ご存じでした? 10月限定ハロウィン用、12月限定クリスマス用、2月1日~14日・3月1日~14日限定の、バレンタイン&ホワイトデー用があるんです。

りくろーおじさん焼き印パターン
左上から時計回りに、通常用、ハロウィン用、バレンタイン&ホワイトデー用、クリスマス用。(画像提供:りくろーおじさんの店)
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「りくろーカット」をやってみよう

チーズケーキの底には、円周に沿ってレーズンが入れられ、カットした際に、均等にレーズンが入るように考えられています。でもレーズンが苦手な人も、結構いますよね。そんなときは、「りくろーカット」を。丸いケーキに「井」の字を書くようにナイフを入れると、真ん中はレーズンが入らないようになっています。

りくろーカット
りくろーおじさん焼き印パターン 「りくろーカット」をやってみました。確かに、レーズンなし。おじさんの焼き印にもナイフが入らず良い感じです。りくろーカットの詳細は、箱に書いてありますよ。(撮影:amakara.jp編集部)
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ターミナル駅界隈には8店舗

大阪府内に、11店舗展開している「りくろーおじさんの店」。そのうち8店舗がターミナル駅にあります。JR天王寺駅店、なんば本店、大丸心斎橋店、大丸梅田店、JR新大阪駅中央口店、エキマルシェ新大阪店、大阪伊丹空港店、新幹線改札内店(JR新大阪駅新幹線・改札内)。手土産を買うときに、さっと立ち寄れるので重宝します。

カフェ併設店で焼きたてを

なんば本店2階の「喫茶室 陸カフェROOM」、大阪・茨木市の彩都の森店併設の「喫茶室 陸カフェterrace」なら、焼きたてチーズケーキが食べられます。いずれも、公式HPから予約もできますよ。

なんば本店
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新サービス「リクロッカー」なら並ばず買える!

2025年1月には驚きの新サービス「リクロッカー」が登場しました。事前にモバイルオーダーで受取日時を入力すると、『なんば本店』から徒歩1分ほどの『なんばファクトリー店』のロッカーで受け取れるというもの。並ぶのが当前と思っていたチーズケーキに並ばず買えるなんて。
商品代プラス100円ですが、時間がないとき、並びたくないという方にはありがたいサービスです。 詳しい場所、注文方法はこちら

リクロッカー
画像提供:りくろーおじさんの店
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りくろーおじさんはバースデーケーキも楽しい

バースデーケーキも扱っている『りくろーおじさん』。店頭受取なら、定番のチーズケーキ以外にも、いろいろなデザインのものがあり、チョコプレートやろうそくを無料で付けてもらうことができます。

一方で、オンラインショップで販売している「バースデーチーズセット」もとても魅力的です。
定番のチーズケーキに、紙製のコック帽と、ケーキに立てるフラッグ、ローソクが付いてくるというもの。 誕生日に「りくろーおじさん」になりきれるなんて、盛り上がるに決まってますよね。 次のバースデーにぜひご検討を。

バースデーセット
画像提供:りくろーおじさんの店
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チーズケーキ以外もあります

“りくろーおじさん=チーズケーキ”というイメージが強いですが、先述の通りもともとは製菓と製パンのお店。レジ下の冷蔵庫には、マドレーヌ「ニコマド」や、ふんわりロールケーキ「りくろーる」「とろ~りプリン」などが並んでいます。数量限定の食パンもありますよ。オンラインなら、詰合せ・ギフトの販売などもしています。

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amakara.jp編集部

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関西の食雑誌「あまから手帖」(1984年創刊)から生まれたwebメディア「amakara.jp」を運営。カジュアル系からハレの日仕様まで、素敵なお店ならジャンルを問わず。お腹がすくエンタメも大好物。次の食事が楽しみになるようなワクワクするネタを日々発信中。