正和堂書店おすすめVol.1:自分を見つめ直したいときに。「今宵も喫茶ドードーのキッチンで。」
contents
今宵も喫茶ドードーのキッチンで。 (双葉文庫) / 標野 凪・著
みなさんはどんな時に幸せを感じますか?
目まぐるしく変化する世の中を忙しく必死にこなす毎日。
自分にとって何が幸せか分からなくなってしまった時、もう一度本来の自分を取り戻させてくれるのが、このおひとり様専用カフェ『喫茶ドードー』の物語です。
『喫茶ドードー』は、毎日を頑張りすぎている人たちを、そっと癒してくれる場所。
読み進めるなかで、心を動かされた言葉がありました。
「自分が自分をいたわってあげなくて、誰がいたわるんですか?」
一人で仕事を抱え込み過ぎて体調を崩してしまった雑貨店の店長・小夜子に出されたのは、「自分をいたわる焼きマシュマロ」。マシュマロの由来などを店主・そろりとの会話を通して知り、マシュマロのように強くて柔らかい人間に、ゆっくりと、なっていけばよいと気が付きます。
もっと頑張らないと、追い込んでいるばかりで、ちっともいたわっていないことってありますよね。自分をいたわってあげると心にほんの少し余裕ができ、身近にある自分にとっての幸せに目を向けることができます。
そろりの言葉やマシュマロを通して彼女がゆっくりと、すっきりと前を向いた姿は、なんだか自分を見ているようで心が晴れやかになりました。
そんなこんなで自分をいたわり、
表紙を見たときから食べようと決意していたアップルパイを一人で食べる今、です。
5篇からなる連作短編集なので、通勤時間やちょっとした待ち時間に気軽に読むことができますよ。
writer
正和堂書店
seiwado book store
大阪・鶴見にある1970年創業の街の本屋さん。3代目の小西康裕さんが「読書時間がより楽しくなるように」とデザインしたオリジナルブックカバーが大人気。2代目の典子さん、3代目の康裕さん・敬子さんご夫妻(と4歳の長女)、康裕さんの弟・悠哉さんなど、一家で奮闘するSNSの総フォロワー数は20万人!
instagram@seiwado.book.store