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正和堂書店おすすめVol.1:自分を見つめ直したいときに。「今宵も喫茶ドードーのキッチンで。」

大阪市、今福鶴見駅からちょっと歩いたところにある『正和堂書店』は、小西さんご家族が経営する街の本屋さん。実は鞄からチラ見せしたくなるオリジナルブックカバーが大人気の書店さんでもあります。本はココロのごちそうといいますが、ブックカバーに包んで大切に持ち歩きたい、おいしい本を書店員の小西さんにご紹介していただく連載「ブックカバーの下はごちそう」。第一回目は、現状に迷いや疲れを感じるあなたに「今宵も喫茶ドードーのキッチンで。」。

今宵も喫茶ドードーのキッチンで。 (双葉文庫) / 標野 凪・著

今宵も喫茶ドードーのキッチンで。
おひとりさま専用カフェ『喫茶ドードー』。住宅地の奥でひっそりと営業しているこの店には、毎日を頑張りすぎて疲れた人たちが、ふらりと訪れます。SNSに振り回されたり、仕事を抱え込み過ぎたり…余裕をなくしたお客さんたちの心や身体に、店主・そろりの言葉や、手作りの「あなたの悩みに効くメニュー」が優しく染み込んでいきます。
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みなさんはどんな時に幸せを感じますか?
目まぐるしく変化する世の中を忙しく必死にこなす毎日。
自分にとって何が幸せか分からなくなってしまった時、もう一度本来の自分を取り戻させてくれるのが、このおひとり様専用カフェ『喫茶ドードー』の物語です。
『喫茶ドードー』は、毎日を頑張りすぎている人たちを、そっと癒してくれる場所。

読み進めるなかで、心を動かされた言葉がありました。

「自分が自分をいたわってあげなくて、誰がいたわるんですか?」

一人で仕事を抱え込み過ぎて体調を崩してしまった雑貨店の店長・小夜子に出されたのは、「自分をいたわる焼きマシュマロ」。マシュマロの由来などを店主・そろりとの会話を通して知り、マシュマロのように強くて柔らかい人間に、ゆっくりと、なっていけばよいと気が付きます。

もっと頑張らないと、追い込んでいるばかりで、ちっともいたわっていないことってありますよね。自分をいたわってあげると心にほんの少し余裕ができ、身近にある自分にとっての幸せに目を向けることができます。

そろりの言葉やマシュマロを通して彼女がゆっくりと、すっきりと前を向いた姿は、なんだか自分を見ているようで心が晴れやかになりました。

そんなこんなで自分をいたわり、
表紙を見たときから食べようと決意していたアップルパイを一人で食べる今、です。

5篇からなる連作短編集なので、通勤時間やちょっとした待ち時間に気軽に読むことができますよ。

大阪の街の本屋さん『正和堂書店』が選ぶ、おいしい本連載「ブックカバーの下はごちそう」

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正和堂書店

seiwado book store

大阪・鶴見にある1970年創業の街の本屋さん。3代目の小西康裕さんが「読書時間がより楽しくなるように」とデザインしたオリジナルブックカバーが大人気。2代目の典子さん、3代目の康裕さん・敬子さんご夫妻(と4歳の長女)、康裕さんの弟・悠哉さんなど、一家で奮闘するSNSの総フォロワー数は20万人!
instagram@seiwado.book.store