パンが日常に運ぶ幸せ。摂津本山『knead』(ニード)

各町に美味しいパン屋さんが数多ある神戸は激戦区ゆえ、舌が肥えたお客さんも多く、皆さんそれぞれにお気に入りの店があります。2019年の開店以来、多くのファンを持つ人気店となった摂津本山の一軒をご紹介します。

開店と同時にお客さんが続々と

平日の開店時刻に合わせて取材に伺うと、待ちかねたようにお客が来店し、陳列台にびっしり並んでいたはずのパンが瞬く間に消えていきます。ここは摂津本山駅から西へ歩いて5分。十二間道路に面した小さな店。岩田友和さんと尚美さん夫妻が2人で営んでいます。

kneadのパン1
クリームパンにオーガニックシナモンロールなど、菓子パン系も充実。写真のパンは取材時のもの。
kneadのパン2
生地にシリアルを混ぜ込んだクロワッサンはザクっとした食感が特徴的。クロワッサンサンドも人気商品。
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調理師学校を卒業後、兵庫県内のベーカリーやホテル、大阪の有名店などでも修業した店主の岩田さん。自身が暮らす街で独立を果たしました。国産小麦、自家製酵母を軸にした、焼き色も美しいパンが並んでいます。

kneadのロゴ
捏ねる、磨くという意味を込めた店名。パンが日常に幸せをもたらしてくれます。
ブーランジェの岩田友和さんと接客担当の尚美さんご夫妻
ブーランジェの岩田友和さんと接客担当の尚美さんご夫妻。2人で切り盛りしています。
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ふかふかもちもち、毎日食べたい「和-nagomi-」

毎日開店時刻の10時と、11時ごろと14時前の3回焼き上げる人気商品が「和-nagomi-」食パンです。北海道産の「春よ恋」と「ゆめちから」という小麦粉をブレンドした生地を湯種製法で仕上げます。そのため、中心はもっちりふわっと。トーストすると外はサクッとクリスピー。この絶妙な食感がなんとも幸せな心地をもたらします。噛み締めると香りもよく甘みもあり、毎朝食べたくなる食パンです。棚に並んでは次々売れていく人気ぶり。焼きたてのためカットするのが難しいほどふわふわで、1本売りのみ。ご自宅でぜひ厚めに切って朝食で楽しんでみてください。

kneadの和(nagomi)
和(nagomi)は1本売で680円。予約しておくのがおすすめ。
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食材を活かして季節を表す

夏に食べたい食事パン「アラビアータ」は、赤唐辛子の風味が効いたピリ辛のトマトソースと塩麹漬けバジル、ミニトマトなどの野菜をのせて。こちらは「キタノカオリ」という風味のよさが特徴の粉に、多めの水を加えた生地を低温長時間熟成したチャバタ生地で、トースターでリベイクすると、外はカリッと中はもちっとした食感に。旬の野菜や果物を使った季節を感じさせるパンも岩田さんの得意とするところです。
ティータイムにぴったりのタルトも毎日1、2種類、季節の味が並ぶので、訪れる楽しみのひとつです。取材時は「瀬戸内レモンとアールグレイのタルト」。ザクっと香ばしいタルト生地の中に、アールグレイで風味付けたアーモンドクリーム。レモンピール、カスタードクリーム、上にはちみつ漬けのスライスレモンも乗せて。皮付きのアーモンドプードルを使って味わい深く、木次牛乳とマダガスカル産のバニラビーンズが香る自家製カスタードクリームもコクあり。そこへ紅茶とレモンで爽やかさという調和をとった初夏の味です。

kneadのパン3
左から「瀬戸内レモンとアールグレイのタルト」442円。しっかりと焼き上げた生地の食感と香りが爽快。香ばしくムチッとした「アラビアータ」324円。
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売り切れ次第閉店なので、商品が充実している午前中に訪れるのがお勧めです。また午前中は接客に忙しいため、電話はつながりづらいので予約の電話は午後にどうぞ。

kneadのパン4
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kneadの外観
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