どこにでもあるパンを焼いていきたい。神戸・六甲道『BREAD DAYS』

神戸の小さなパン屋さんシリーズ。今回は灘区高徳町より、店主1人で仕込みから焼成まで、毎日およそ60種類を手がける『BREAD DAYS』の魅力に迫ります!

カッコつけない日々のパンを

神戸の老舗『イスズベーカリー』で17年修業した三渡勇樹さんが2022年4月に独立し開いた店。毎日明け方からたった1人で60種類ものパンを焼き上げています。昼時ともなれば閑静な住宅街にある店に、お客さんが次から次へとやって来て、お目当てのパンを買い求めています。どれにしようかと迷うほどの種類もさることながら、並んでいるパンの1つ1つがどれも大きくて見栄えがします。
「ハード系の大きいパンを中心にしたいと思っていて」と三渡さん。「小ぶりでオシャレなパンもいいですが、カッコつけず、どこにでもあるパンを極めたい。毎日食べても飽きないような日々のパンを焼いています」と静かに、でもとても力強く語ります。

BREAD DAYSのパン1
ある日の陳列台より。焼き色見事なパンが目移りするほどずらり勢揃い。
10
BREAD DAYSのパン2
ストーレートなネーミングにセンスあり。その名も「SioとOlive」259円。ゲランドの塩とオリーブオイルを練り込んだフォッカッチャ生地。上にも塩をあしらったビジュアルも個性的。成人男性の手のひらよりも大きくてふかふかです。
BREAD DAYSのパン3
コーナーには自信作のハード系。店名を配し店主一押しと書かれた「DAYSバゲット」302円など。
10
三渡さん
オーナーシェフの三渡勇樹さん。
10

噛めば噛むほど旨いハード系に唸る

独立前から数えてもう11年、継ぎ育てているという自家製のルヴァン種を使って焼くハード系のパンが自信作です。「ブレッドデイズ」と店の名前入りで焼き上げる「パン・オ・ルヴァン」はぜひ味わってみてほしい一品。薄くスライスしてトーストしたら、バターをほんの少し塗ってシンプルにそのまま食べてみてください。バリっとした食感、噛めば噛むほど立ってくる旨みと香りに「もっと食べたい」ときっと思うはず。私はリピート買いして、冷凍庫にストックしておこうと決めました(笑)。

BREAD DAYSのパン4
店名をあしらった自慢のひと品「パン・オ・ルヴァン」475円。継ぎ足しながら使う自家製ルヴァン種の風味がいい。そして大きい。高さも15cm超えでこの価格は値打ち。後日本当にリピ買いしに行ったほどお気に入りです。
10

「とっ散らかして食べて!」のクロワッサン

同じルヴァン種の生地にフランス産のクルミを混ぜ込んだ「ぷち胡桃バケット」(プチではない通常サイズもあり!)は肉系の食材を挟むサンドウィッチにおすすめです。フォカッチャ生地の中央にバジルペーストとベーコン、パルメザンチーズを入れ込んだ「フォカッチャバジル」は夏に爽やか。ワインのお供にも!

BREAD DAYSのパン5
左から時計回りに、「フォカッチャバジル」324円、「ぷち胡桃バゲッド」291円「Days Croissant(デイズ クロワッサン)」280円。
10

そして見るからに香ばしく、美しく焼き上がったクロワッサンは、外はバリバリ、それでいて中はしっとり艶やかです。「高さを出したいと思って焼いています。ボロボロと皮をとっ散らかしながら食べて欲しいですね」とイタズラっぽく微笑む三渡さん。
自宅にてリベイクして、サクッボロっと皮が崩れるのを気にもせず頬張り、温まることで立った発酵バターの風味を満喫。ちょっと綺麗に食べるのは無理だけど、気取らず食べてこそ旨いんだ!と、三渡さんの言葉の意味を噛み締めるのでした。

BREAD DAYSのロゴ
10