学生食堂がコンセプト。大阪・谷町六丁目『カフェ・ボーチカ』でロシア料理ランチを
本場のレシピを受け継いだ老舗ロシア料理店
約19年前、大阪・新福島にあった『ボーチカ』をご存じだろうか?
それは、底抜けに明るいロシア人美女・ナターシャさんと博識でほがらかな元商社マン・岩崎真和さんによる気軽なロシア料理店。キッチンカーを利用した店舗が目印だった人気店だ。
2014年、手狭だったこともあり現在の風情ある長屋へ移転。ナターシャさんがロシアへ帰国した後も、彼女のレシピを大切に引き継ぎ、ピロシキやボルシチといった郷土料理の数々を、たっぷりのボリュームでリーズナブルに提供している。
「近くにロシア語の専門学校があって学生さんが来てくれるから、お腹いっぱい食べてほしくて」と岩崎さんが目指すのは、ロシア語で「スタローヴァヤ」と呼ばれる学生食堂のような存在。
ヘルシーな料理やDIYした空間、スローな街の空気感も相まって、心がほどける一軒だ。
ロシアの食文化が息づくボリューム満点の「ピロシキランチ」
昼時におすすめしたいのは名物が凝縮した「ピロシキランチ」。
ピロシキといえばパン生地やパイ生地などで具を包み、揚げたり焼いたりするなど多彩なタイプがある。岩崎さんが研究を重ねて完成させたのは、サクサク食感が楽しいパイ生地に肉を包んで焼くタイプ。豊かなバターの香りとクミンを利かせた合挽きミンチが口の中で響き合う。
そして、人気のボルシチもセットに。牛バラ肉を2時間煮込んだスープに、牛骨スープや野菜を合わせ、仕上げにビーツを加えた鮮やかな深紅色が目にも美しい。
「寒冷地のロシアではオリーブが収穫できないため、油脂は乳牛など酪農から生まれるもので補ってきたんです。だからロシアへ行くとさまざまな乳脂肪分のサワークリームが商品棚にあるんですよ」と岩崎さん。
オリーブオイル代わりのサワークリームを溶かせば、まろやかなコクが広がり、ひと口ごとに身体に染み渡るようだ。
サワークリームで煮る本場の白い「ビーフストロガノフ」
豪華に楽しみたいなら「カフェ・ボーチカランチ」を。
ミニサイズのボルシチやミニサラダ、2種類のパンに加え、おすすめのメインが登場する内容で、この日サーヴされたメインは「ビーフストロガノフ」。
ビーフストロガノフといえば、日本ではハヤシライスのような茶色い見た目が一般的だが、なんと『カフェ・ボーチカ』ではシチューのような白い見た目だ。
「ロシアのビーフストロガノフは細切りにした牛肉をサワークリームで煮込むのが定番。ロシア革命の際、ロシア貴族に仕えていた料理人たちがパリへ逃れてレストランを開き、当時フランスでよく使われていたソース・エスパニョール(茶色いソース)を使った肉料理としてアレンジされました。その料理を、パリへ修業に行った日本人シェフたちが持ち帰り広がったのが茶色のビーフストロガノフです。うちでは、ロシア流にサワークリームで煮ています」。
と、白い見た目こそ原点だという驚きの事実が判明。商社時代からロシアに精通する岩崎さんの歴史トークも楽しいのだ。
4月からはボルシチとピロシキを楽しめるテイクアウトメニュー「ボルピロ弁当」1000円も販売。忙しい仕事の日にも持ち帰れる心強い味方だ。
data
- 店名
- カフェ・ボーチカ
- 住所
- 大阪府大阪市中央区谷町6-6-10
- 電話番号
- 090-1593-8122
- 営業時間
- 12:00〜14:00、18:00〜22:00
- 定休日
- 月・日曜
- 交通
- 地下鉄谷町六丁目駅すぐ
- 席数
- テーブル14席
- メニュー
- ボルシチランチ1000円、ピロシキランチ1400円、カフェ・ボーチカランチ2200円。ロシアンティー200円、ランチワイン400円、ウォッカ430円〜。夜はアラカルト。
- 外国語メニュー
- ロシア語
- https://www.instagram.com/cafe.bochika/
- 備考
- ※現金のみ対応。
writer

佐藤 良子
satoryoko
料理取材に徹して20年の食ライター。歴史が好きなため、料理史の観点から見るレストラン取材がライフワーク。日々賑やかな小学生2児の母。
Instagram@ryocosugar
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