一度は行きたい、大阪居酒屋の巨星『居酒屋 ながほり』

「大阪の居酒屋は素晴らしい!」と内外から高い評価を受けています。そんな大阪居酒屋文化をけん引してきた1軒がこちら。一度は訪れてほしい居酒屋の巨星です。

小さな酒蔵、実は上等居酒屋

大阪・上町の静かな住宅街の一画。生垣に囲まれた門構えの向こうに、白壁の小さな酒蔵風の佇まいが見えます。石畳を数歩踏んで行き、引き戸を開けると、「いらっしゃいませー!!」と威勢のいい声が。
居酒屋と言うには、あまりにも凛とした空間。そして食材は一流のものばかり。それでも、日本酒応援団を自称する店主・中村重男さんは、「心は一生、居酒屋」と言います。
元は、店名の通りミナミの長堀橋近くに創業。23年の歴史を紡いできましたが、「お客さんをもっと喜ばせたい。日本酒を呑むための最高の空間を創りたい」と、2008年、この地に移転。一から酒蔵を模した1軒家を建て、グレードアップしました。
奥に長く伸びるカウンターが特等席。手書きの品書きには毎日70種以上が並んでいます。さて、何からいただきましょうか。

『居酒屋 ながほり』店内
『居酒屋 ながほり』メニュー
10

“日本一”のワサビでお造りを

「うちのワサビ、日本一なんですよ。醬油に溶かずに魚の上に載せて食べてみてください」と、中村さんが初めて訪れたらしい隣の女性客に声を掛けています。
そう、こちらのワサビは、「全国わさび品評会」で農林水産大臣賞を5回、内閣総理大臣賞も受賞している静岡・御殿場の田代耕一さんが作る「真妻ワサビ」。「甘みがあって辛味もドーンときて、粘りもスゴイ」と中村さんが日本一だと推す逸品です。まずはこのワサビを味わうためにもぜひ、お造りから行きましょう。

ミリオンセラーの名物・カニミソコロッケ

ミリオンセラーの名物・カニミソコロッケ
カニミソコロッケ450円。
10

お次は、「30年前からのうちのミリオンセラー!」という名物カニミソコロッケを。いわゆるクリームコロッケですが、カニミソが山ほど入っているので、まったりと深いコクがあり、日本酒によく合うのです。

野菜の旨みに驚くサラダ

日本酒は、全国から選りすぐりの銘酒が揃っています。さらに、ひとり息子の海里(かいり)さんがソムリエ資格を取得して以来、ワインもパワーアップ。
そんなワインに合わせるなら、例えば、デコポンと海老のサラダなどいかがでしょう。盛り込まれた野菜は、なにわの伝統野菜の「河内一寸豆」や、和歌山のスナップエンドウ、愛媛県のデコポンなどなど。全国の生産者のところへ中村さんが自ら足を運んで選んできた逸品ばかり。「豆ってこんなにおいしいの?!」と、目が覚めるような鮮やかな味わいです。
メニューは、数百円のお手頃価格から時価までと、ビックリするほど幅広い価格帯。でも、どれもとびきりの食材を駆使した酒のアテです。どうぞ、ごゆるりと酔ってください。

『ながほり』デコポンと海老のサラダ
パリのサラダ専門店で食べた料理を参考に生まれたという、デコポンと海老のサラダ2300円。
『居酒屋 ながほり』汁そば
土曜の昼限定・汁そば550円。何気なさそうで、実は、西長堀の本店のほか阪神梅田百貨店などにも出店する関西一とも言われる大人気のラーメン屋『カドヤ食堂』の麺を使用。深みがあり濃厚なのにキレがあるスープは、『ながほり』名物・比内鶏のガラと昆布で取ったもの。
10