上海の家庭料理を味わう優しい時間。大阪・空堀『上海ロンタン』でワンタンランチ

大阪・空堀の一角にある『上海ロンタン』は、上海の路地裏の記憶を映した空間で本格ワンタンが味わえる一軒。もちもちの食感とやさしい味わいが、気軽なランチにちょうどいい。

生まれ育った上海の路地裏を、空堀の街に写して

大阪・空堀の路地裏に建つ、大正時代の長屋を再生した複合施設「空堀 惣」。その2階にある『上海ロンタン』は、2019年9月に誕生した喫茶と雑貨の店だ。

扉を開けると、そこには上海出身の店主・エリックさん自ら内装を手がけた現地の風情を感じる空間が。

和室の押し入れを活用した棚では上海の作家による雑貨を販売。現地では誰もが親しむ麻雀牌、アンティークの照明、眺めるのも楽しいオブジェなどが随所に飾られた空間はまるでおもちゃ箱のよう。

空堀商店街にもほど近いチルアウトな雰囲気も相まって、心がほどける時間を過ごせる場としてファンが多い。

エリックさんは2017年に来日。友人に空堀周辺を案内してもらった際に、生まれ育った上海の下町・ロンタンに似ていると心を奪われたという。

「建物を見た時、生まれ育った上海の家を思い出し、ここなら自分のイメージに近い空間が作れるかもしれないと思いました。また、大好きな日本のドラマ「深夜食堂」のように店主とお客さんが自然と言葉を交わし、心が軽くなる場所を作りたいと考えました」と話す。

『上海ロンタン』オーナー
かつて空間デザインやライブ演出の仕事をしていたという店主のリュウ・イーさん。皆からエリックさんと呼ばれている。
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『上海ロンタン』店内
DIYで作った店内。「⼼が少し軽くなるような時間を過ごしてほしい」とエリックさん。大きな窓から吹く風に自然と心がほどける。
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上海仕込み、本格派の手包みワンタン

看板メニューは、上海の家庭料理のひとつである「ワンタン」。エリックさんの妻が実家のレストランのレシピを踏襲して作る本格派だ。

理想の皮を目指し、試行錯誤の末に完成させたのは厚みのあるモチモチ食感の皮。そこに風味がよく、中国では日常的に使われる中国野菜「薺(ナズナ)」と国産豚肉で作る餡がぎっしり。黒酢やラー油、ゴマダレといった3種のタレで味変しながら楽しむ。

ひと口ほおばれば、肉の味わいと圧倒的な皮の弾力が口いっぱいに。あっさり軽めに済ませたいランチや小腹が空いた時のおやつにもおすすめだ。

『上海ロンタン』本格手作り上海饂飩 国産豚肉と野菜ワンタン
本格手作り上海饂飩 国産豚肉と野菜ワンタン10個1300円。海苔と小海老のスープもセットに。
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食後に広がる、静かなスイーツの余韻

食後には、台湾から仕入れるこだわりの中国茶や手作りのデザートを。黒ゴマ餡を餅で包んだ、白玉のような見た目の「タンエン(湯円)」は黒胡麻の香ばしさがたまらない、上海の定番スイーツ。乾燥桃がブレンドされたフルーティーで爽やかなウーロン茶「白桃烏龍」と共に楽しみたい。

かつて音楽ライブの音響やライブ演出の仕事をしていたというエリックさん。店内では不定期で音楽のイベントも。

「ここはレストランというより、文化交流の場。小さいお店だからこそできることをやりたいですね」と微笑む。

ゆるやかな時間が流れる中でいただくワンタンと中国スイーツは、日常使いのランチにぴったりだ。

『上海ロンタン』タンエン
黒ゴマ餡を入れたもちもち食感の中華スイーツ「タンエン」3個750円。
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『上海ロンタン』白桃烏龍
みずみずしい白桃の香りが広がる「白桃烏龍」1ポット1000円。
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『上海ロンタン』外観
長屋を再生した複合施設「空堀 惣」の2階に店を構える。
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おしごとランチ、おでかけランチ

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writer

佐藤 良子

satoryoko

料理取材に徹して20年の食ライター。歴史が好きなため、料理史の観点から見るレストラン取材がライフワーク。日々賑やかな小学生2児の母。
Instagram@ryocosugar