ラグジュアリーな空間で味わう魚介イタリアン / 大阪・北新地『ラ ローザネーラ』

ラグジュアリーな空間で味わう魚介イタリアン / 大阪・北新地『ラ ローザネーラ』

会食手帖

2022.08.31

文:「あまから手帖」編集部 / 撮影:太田恭史、塩崎聰、下村亮人

「周りを気にせず愉しいひとときを過ごしたい」。そんなニーズにお応えして、個室やコースのご用意がある、会食におすすめの一軒を毎月ご紹介。第1回目は、シェフが自ら釣った魚でもてなす北新地の『ラ ローザネーラ』。

目次

新地らしい ラグジュアリーな店内 シェフの魚料理は、淡路の海から始まる 自ら釣った魚を華やかなイタリアンに 店舗情報

新地らしい ラグジュアリーな店内

2020年11月に、北新地に移転OPENした『ラ ローザネーラ』。尾崎牛専門店として開いた姉妹店『パヤータ』を尾崎牛と釣り魚の店にシフトチェンジし、リスタートした。

店内は新地らしくラグジュアリーで、大人の雰囲気が漂う。品よく配した濃紺のヴェルベット壁が印象的なフロア、そして4席のカウンター、6名までの個室もあって、使い勝手がよい。

大阪『ラ ローザネーラ』店内

シェフの魚料理は、淡路の海から始まる

オーナーシェフの有藤寛海さんは、小学生の頃から海釣りや潜りを始めた大の釣り好き。毎週のように4時に起床し、大阪から淡路島まで2時間ほど車を運転し、船上で5時間、また大阪に戻り、店で魚の処理を終えて18時に営業開始するシェフの体力に脱帽だ。

大阪『ラ ローザネーラ』オーナーシェフの有藤寛海さん

「魚の鮮度や締め方も大切ですが、それ以前に漁場が大事。水質、エサ、潮通しが一番重要です。由良の魚の浜値が高いのは、漁場がいいからですよ」。その漁場に通うことが、有藤さんの新たな仕事の一つになったのだ。

「釣った魚は骨まで使い切って、成仏を願うのがモットー」とも。釣り上げた魚は船上で血抜き。鮮度を保って大阪まで持ち帰る。海から命をもらっていることを実感しながら、有藤さんは日々、厨房に立つ。

大阪『ラ ローザネーラ』釣りの様子

自ら釣った魚を華やかなイタリアンに

その日釣った魚は内臓を取って水気を拭き、「旨みがのるまで寝かしています」と有藤さん。こうして旬魚の旨みが際立ったところで、真鯛ならカルパッチョやパスタ、メジロならカツレツにと、見た目も美しいイタリアンに仕立てる。

料理はおまかせコース17000円(全7~8品)のみ。とある日のメニューをのぞいてみよう。

大阪『ラ ローザネーラ』前菜

こちらは、鯛のカルパッチョ。「身はあえて厚めに切っています。噛むと味がよく分かるので」と有藤さん。オリーブ油とイタリアの魚醤コラトゥーラ、フルーツトマト、香味と野菜、レモン汁で軽やかに仕上げ、コースの幕開けを飾る。

大阪『ラ ローザネーラ』パスタ

パスタは、鯛のアラを使ったアクアパッツァ風。頭や中骨、香味野菜でスープを取ったフュメ・ド・ポワソンに、ニンニク、トマト、アサリ、シジミなども加えて、深みのある味わいに。鯛の身はしっとりして、その旨みを纏ったパスタはお代わりしたいほど旨い。

大阪『ラ ローザネーラ』メイン

メインは、メジロを香草パン粉カツレツに。パン粉にはローズマリー、パセリ、少量のニンニクを加えてある。「魚の良さを生かしたいから衣はあくまでも薄くつけています」。ソースはフルーツニンジンのピュレで、優しい味わいに仕上げている。

店舗情報

■店名
『ラ ローザネーラ』

【住所】大阪市北区堂島1-3-24 エスパス北新地20 4F
【電話番号】06-6342-9192
【営業時間】18:00~22:30(ラストオーダー20:30)
【定休日】日曜
【お料理】コース17000円。Gワイン1500円~、Bワイン7000円~。

あまから手帖/2021年2月号

魚、ひと仕事。

日本一の鯛を巡るルポに加え、片刃庖丁の話、旬魚の料理店、干物や海鮮グルメ缶詰、ニューウェーブな魚屋をご紹介。

Writer ライター

あまから手帖 編集部

あまから手帖 編集部

amakara techo

1984年の創刊以来、関西グルメの豊かさをお届けしてきた月刊誌「あまから手帖」編集部。 旨いものを求めて東奔西走、食べ歩いた店は数知れず。パン一つ、漬物一つ掲載するにも、関西の人気店を回って商品を買い集め、食べ比べる真面目なチーム・食いしん坊。

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