品格あるフロアでいただく割烹 / 大阪・東心斎橋『翠(すい)』

品格あるフロアでいただく割烹 / 大阪・東心斎橋『翠(すい)』

会食手帖

2022.09.14

文:「あまから手帖」編集部 / 撮影:塩崎 聰、下村亮人

個室やコースのご用意がある、会食におすすめの一軒を毎月ご紹介する「会食手帖」。第2回目は、割烹らしい品格あるフロアが目を引く、大阪・東心斎橋『翠』です。

目次

店主は割烹歴約20年 洗練度が増した「おまかせコース」 終盤のごちそう

店主は割烹歴約20年

店主の大屋友和さんは、昭和52年創業の大阪・法善寺横丁『浪速割烹 㐂川(きがわ)』で11年修業後、2011年に独立。2016年に同じ東心斎橋内で、現在の場所に移転オープンしました。

あじろ天井や、美しい栃(とち)のカウンターなどが目を引く、ゆったりとした品格ある店内です。手前がカウンター、奥にはテーブル席や2~10名までの会食ができる個室もあって、落ち着いて食事が楽しめます。

大阪・東心斎橋『翠』店主の大屋友和さん『翠』店主の大屋友和さん。

洗練度が増した「おまかせコース」

大屋さんが身上とするのは、上等な食材を選び、創意工夫に遊び心を加えて、無駄なく美味しく使い切る大阪料理。その味わいの根幹を担うのが、昆布だしです。

大屋さんは移転を機に、その昆布だしを大胆にも刷新。 昆布は水出しせず、40℃で1時間の後、80℃で30分という独自の抽出。この方法で、塩さえ不要な、透き通った旨みの深いだしが誕生したのです。

さらに「素材の持ち味を生かすのに格別必要ではない」と確信し、思い切って白砂糖を不使用に。煮炊きものの味の輪郭と精度は、ジャンプアップしました。

日本料理の根幹部分を見直すことで、一層洗練された「おまかせコース」(17600円※サービス料10%別)。オーガニック野菜や、主人自ら能勢の山に入って摘む山野草も活用したりと、進化が止まりません。では、とある日のお料理をご紹介しましょう。

大阪・東心斎橋『翠』牡丹鱧、オクラの葛豆腐、管牛蒡の煮物椀牡丹鱧、オクラの葛豆腐、管牛蒡の煮物椀。昆布だしの滋味深さが旨みに奥行きを与えています。

大阪・東心斎橋『翠』白甘鯛の焼き霜降り(左)、淡路ダコと築地から届くウニの造り(右)左 / 白甘鯛の焼き霜降り。和歌山産3.5kg級を4日熟成。潮の香が上品な隠岐(おき)島産藻塩と自家製麹醤油で。右 / 淡路ダコと、築地から届く親指大の大間のウニの造り。海苔醤油と、淡口醤油ベースの造り醤油を添えて。

大阪・東心斎橋『翠』琵琶湖産の大鰻白焼き琵琶湖産の大鰻白焼き。炭火の後、遠火の天火でじっくり焼き、バリバリと鮮烈な皮の食感に。

大阪・東心斎橋『翠』大阪千両茄子の翡翠焼き大阪千両茄子の翡翠(ひすい)焼き。胡麻味噌に大徳寺納豆をはらり。

このほか、先付、揚げ物、肉料理などが付く全10品を味わえます。

終盤のごちそう

『翠』の「おまかせコース」は、締めのご飯も魅力の一つです。

「コース終盤にもう一度ごちそうを」という思いから、割烹ならではの季節感溢れるご飯が供されます。

秋には新物を使った「イクラのご飯」が、季節ごはんとして登場予定です!

大阪・東心斎橋『翠』店内の様子

■店名
『翠』
【住所】大阪市中央区東心斎橋1-16-20 心斎橋ステージア2F
【電話番号】06-6227-8578
【営業時間】12:00~13:00LO(第3火曜、水・土曜のみ※要予約)、18:00~20:30LO
【定休日】日曜
【お料理】おまかせコース17600円。※サービス料10%別。
https://kbdf601.gorp.jp/

あまから手帖/2021年1月号

食べる、SDGs

「SDGs(持続可能な開発目標)」を「食」の視点から分かりやすく、面白く、美味しく掘り下げます! 『翠』流、始末の料理ではレシピもご紹介。

Writer ライター

あまから手帖 編集部

あまから手帖 編集部

amakara techo

1984年の創刊以来、関西グルメの豊かさをお届けしてきた月刊誌「あまから手帖」編集部。 旨いものを求めて東奔西走、食べ歩いた店は数知れず。パン一つ、漬物一つ掲載するにも、関西の人気店を回って商品を買い集め、食べ比べる真面目なチーム・食いしん坊。

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