『GF RAMEN LAB』“旨い”グルテンフリーラーメンに迫る![大阪・関西万博]
完全グルテンフリーのラーメンでありながら、旨さをとことん追求した、作り手の顔が見える一杯(いや3杯)の実食レポ!
麺も調味料も完全グルテンフリー
会場のほぼ中央「静けさの森」エリアに隣接する「EARTH TABLE〜未来食堂〜」は、未来の食を体験できる6つの飲食店舗が軒を連ねる。なかでも「すべての人々に美味しいラーメン」をコンセプトに、小麦粉を一切使用しないラーメンを提供するのが『GF RAMEN LAB』。米から作ったGF(ジーエフ※1)ラーメン専門店だ。
※1 GF=グルテンフリーのことをジーエフと称する。
監修料理人は、ボストンの人気店『Tsurumen』店主の大西益央さん。大阪出身の大西シェフは、かつて大阪市内で『鶴麺』や『らぁ麺クリフ』を開き(閉店)その後、渡米。ボストンのグルメサイトでは「今、最も熱いレストラン」第1位に輝いた、大阪が、いや日本が世界へ誇るラーメン職人だ。
曰く「アメリカでラーメン店を営んでいると、“GF(ジーエフ)メニューはありますか?”とお客様から聞かれることが頻繁にあります。調べて分かったのですがアメリカでは、「セリアック病※2」をはじめ、小麦グルテンが原因で体調の不調を訴える方は少なくありません。また、小麦粉の過剰摂取に気をつけるスポーツ選手やセレブなど健康志向の方もいらっしゃいます。もはやGFは、アメリカでは常識なのです」。
“美味しいものは人を幸せにする”をライフワークにする大西シェフは、ビーフンの老舗メーカー『ケンミン食品』とタッグを組み、『GF RAMEN LAB』を立ち上げた。米粉の生地にかんすいを練り込み、ラーメンらしさを追求したGF中華麺を開発。おいしさを徹底追求した、GFラーメンを生み出したのだ。
※2 セリアック病
主に小麦グルテンが原因で発症する自己免疫疾患。小麦に含まれるグルテン(タンパク質)が原因で小腸の粘膜が異常をきたし、下痢や全身の倦怠感などが現れる。
プレミアムGFラーメンの要は「鶏清湯」と「鶏白湯」
この日実食したのは、数量限定のPREMIUM(プレミアム)GFラーメン2種。さらには、グルテンフリーとプラントベースが融合した「プラントベースとんこつ風ラーメン」。
まずはPREMIUMシリーズの何がプレミアムなのか? それは“極みのだし”にあった。味の大きな要は2つ。宮﨑のブランド地鶏「みやざき地頭鶏(じとっこ)」を水と酒だけで炊いた「鶏清湯(とりちんたん)」と「鶏白湯(とりぱいたん)」である。
まずは「GF 黄金の鶏油しょうゆラーメン」を実食。スープを口に含むと、鶏清湯のなんとも清らかな味わいの中に、醤油の旨みを感じ、表面を覆う鶏油が、味わいに深みを与えている。「醤油もGFです」と驚きの一言! 一般的に、醤油には小麦タンパクが使われるが、大西シェフは米と大豆由来の醤油をかえしに使っているとのこと。そしてGF中華麺をすすると…。ツルンと滑らかな舌ざわりのなかに、中華麺らしいコシと風味が健在!
心なしか小麦の麺と比べ、米粉の麺はスープの絡みがよい気もする。だからこそ、鶏清湯とGF中華麺との相性の良さを、じっくり堪能できるのだ。しかも2種のチャーシュー(豚肩ロース、ロース)や半熟卵、柔らかなメンマに至るまで「米醤油をベースに味付けした完全GFです」という徹底っぷり。
「GF 鶏白湯しょうゆラーメン」にも唸った。乳白色した鶏白湯は、どこまでも滑らか。「鶏清湯を引いたあとも旨みが残る、丸鶏・鶏がら・鶏もみじを、香味野菜と一緒に5時間かけて強火で炊き出し、エキスを引き出しました」と大西シェフが言うだけあり、凝縮感のある旨みがたまらない。その濃密かつクリアな味わいが、GF中華麺に見事に絡むのだ。刻んだ紫玉ネギや青ネギが香りと食感のアクセントになり、するする食べ進む。
衝撃はこれで終わらない。最後に紹介するのは、小麦はもちろん、動物性食材も不使用の「GFプラントベース とんこつ風ラーメン」だ。
このプラントベースのラーメンが、驚愕の食べ応え! 香味野菜や昆布から引いただしの旨みは深く、このコクはなんぞや……? と思ったら「豆乳を合わせています」と大西シェフ。程よいコシを感じるGF中華麺と、まろやかで味わい深いスープとの相性は絶大。しかも、大豆から作られた代替肉「ライクチキン」の、まるで鶏ムネ肉のようなしっとり食感と味わいは、大豆ミートは思えない存在感。
グルテンフリー、そしてプラントベース…といった次世代のスタンダードになるであろう食材の競演。なにしろ“旨さ”を徹底追求した、味づくりにあっぱれだ。
『Tsurumen』師弟セッション!
『GF RAMEN LAB』は、大西シェフの味づくりと「ケンミン食品」の長年のノウハウの集大成。こんな気合の入った店を率いるのは、笑顔が素敵な店長の梅崎梨夏さんだ。
梅崎さんは、大西シェフの弟子のひとり。かつて東京・亀戸で、大西シェフが開いた1000日限定の伝説のラーメン店『Tsurumen Tokyo』の店長を務めた実力を持つ。その後、跡地を引き継ぎ22年5月『しののめヌードル』を開業したラーメン職人だ。万博期間中は自店を休業、『GF RAMEN LAB 大阪・関西万博店』の店長に専任(!)という。思い入れも情熱の掛け方も凄い。
「世界各国からお客様が来られるこの場所で、美味しくて身体にも優しいGFラーメンを広めることができるのはとても嬉しいこと。GFという新たな食文化を未来へ繋げる、橋渡しができると嬉しいです」と梅崎さんは話してくれた。
デザートやドリンクもGFを徹底
GFはラーメンだけにあらず。一品料理やデザート、飲み物に至るまで、とことんGFにこだわったメニュー構成。たとえば、神戸のソウルフード「焼ビーフン」さえ、調味料にいたるまで完全GFなのだ。
また、デザートに用意された京都・松井山手の人気パティスリー『ナチュールシロモト』特製「米粉シフォンケーキ」は、ふわふわでしっとりモッチリ。別腹が作動する。
酒好きには、麦芽もホップも使わない米粉由来の「ライスラガー」や、神戸・六甲山『六甲山蒸溜所』と『GF RAMEN LAB』とのコラボにより誕生した「ライスウィスキー」など、ここでしか味わえないGFドリンク揃い。
GFラーメンをはじめ、米粉を用いたビーフン、そしてビールやウィスキー、シフォンケーキに至るまで。あらゆる食文化へと派生する米粉の新たな可能性を、体感できるだろう。
「全ての材料をグルテンフリー管理のもと、製麺・仕込み、店内厨房で調理しました」と話してくれたのは、ケンミン食品代表取締役社長の高村 祐輝さん。
そもそも、2025年に創業75周年を迎えるケンミン食品は、「健康(健)を皆さま(民)に」をコーポレートメッセージに掲げる企業。『GF RAMEN LAB』は、ビーフンをはじめお米の麺づくり専門メーカーによる、食の未来を見据えた新たな挑戦なのだ。
「日本が世界に誇る食文化である“ラーメン”の新たな魅力を“GFラーメン”で堪能していただきたいです」と高村さんは締めくくった。
data
- 店名
- GF RAMEN LAB 大阪・関西万博店
- 場所
- EARTH TABLE~未来食堂
- 期間
- 2025年4月13日〜10月13日
- 営業時間
- 10:00〜20:00LO
- 交通
- 東ゲートから徒歩約10分
- 席数
- カウンター21席、テーブル12席
- メニュー
- プレミアム「GF鶏清湯のすっきり柚子塩ラーメン」2600円、「GFしょうゆラーメン」1600円。
- 外国語メニュー
- 英語
- https://www.instagram.com/gframenlab/

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