
知って感じて、味わう?ブルーオーシャンドームで壮大な「海」の体験を
contents
水はどこからどこへいく?を「知る」
西ゲート近くの大屋根リング横、猛烈な陽射しに照らされる白いドーム。周りには水が張られ涼やかなルックス。世界的な建築家 坂 茂氏が設計した3つのドームのひとつ目「ドームA」に入ると白い世界が広がり、目にも涼しい。
プラスチック海洋汚染防止に対して様々に取り組むZERI JAPANが環境問題への取り組みの一環として、またその理解促進を目的に出展したこちらのパビリオン。デザイナー・原 研哉氏を総合プロデューサーに迎え、「ドームA」では「水の循環」をテーマに展示している。
雨が山に降って湖に流れ、やがて川になり、海に還っていく──落差を利用したピタゴラスイッチのような楽しい展示は、ガラス製のししおどしから流れていく水が、落ちそうで落ちない絶妙なバランス!竹を使用した建築はもちろん、設計もスゴイ。
にょろにょろ、コロコロとグミのようにプルプルのグミのような水滴たちが流れる様子に和みながらも、自在に姿を変える水は生き物のよう。そして、海、陸、大気のすべてがつながっていることを体感する。
海洋問題をリアルに「感じる」
続いての「ドームB」は一転して漆黒の世界。舞台を囲むように座ると、眼前に巨大な球体のモニターが迫ってくる。
美しい地球が映し出されるとさらに暗転し高精緻な球体LEDスクリーンの姿が浮かび上がる。約7分の映像にはプラスチックゴミであふれる海洋汚染、それに囲まれる海洋生物、さらに海で育まれる命…。見方によっては様々な捉え方ができる内容だからか、なんだかモヤモヤする。それに、フルCGの暴力的なまでの美しさに心を奪われる反面、どこか狂気じみたものも感じる。
人間は、海をゴミ箱にしてはいないか。そんな危機感の種火のようなもの、だったのかもしれない。
海を身近に「味わう」体験も
身も心も震える映像体験をしたらパビリオン最後の部屋「ドームC」で再び明転。パビリオンの建築家・坂 茂氏の代名詞である紙管を用いたドームが明るく、心地よい。ステージでシンポジウムやトークショーが開催されるスタジオ空間で繰り広げられる、団体や企業のプレゼンテーションが公式YouTubeチャンネルでLIVE配信される。また壁面には海業の持続的発展へ取り組むサポート企業『サラヤ』『レンゴー』の常設展示もある。
最後は、一画に設けられたカウンターで「味わう」ひとときを。「海と山の超純水」は「天然の海塩×山の恵み・湧き水」でつくったもの。高知の塩職人・田野屋塩二郎氏の塩を使った贅沢な一杯、監修は料理研究家・土井善晴先生!
塩と水、つまりは「塩水」なんですが。そこにどんな思いを巡らせるかで味わいは変わるもの。生命の源である海と、その浄化へ思いを巡らせるひととき。
自然に、海に生かされていることに感謝しながら「どう生きるか?」。最先端かつサスティナビリティに重きを置いた美しい建築の中で、胸に重たいものをしっかり受け止めた。
data
- 施設名
- ブルーオーシャンドーム
- イベント名
- 大阪・関西万博(EXPO2025)
- 住所
- 大阪府大阪市此花区夢洲
- 場所
- 西ゲートゾーン
- 期間
- 2025年10月13日まで

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