島根『界 出雲(いずも)・界 玉造(たまつくり)』で松葉ガニ遊戯
松葉ガニ×キャビアの贅沢な組合せ
まずは、出雲大社から北へ車で20分ほど、島根県出雲市の日御碕(ひのみさき)にある『界 出雲』のご紹介から。こちらの温泉旅館が提供する“八雲立つ蟹会席”は全8品。その一品目・松葉蟹の灯台盛りは、甲羅を器に山高に盛られた松葉ガニの身に3種の食材を添えながらいただきます。
キャビアと共に口にすれば、旨み濃厚な塩気がカニの甘みを鮮明に。生ウニを絡めれば旨み倍増。カニミソとの相性は言うまでもなく。斬新で贅沢な組合せが刺激的です。
そのほかにも、ふわふわのカニ真薯や内子と外子を混ぜ焼いたグラタンなど新味満載。終始カニ身をほぐさずにいただける有難い仕立ても魅力です。
岬に立つ『界 出雲』は絶景の宝庫
「‟灯台と水平線を望むお詣り支度の宿“が当旅館のコンセプトで、宿泊客の9割が出雲大社の参拝客。海から昇る朝日も海に沈む夕日もお楽しみいただける立地が魅力です」と総支配人の片山 航さんが自慢する絶景は、旅情抜群。青空を移す凪いだ海面や紺碧の海に映える白波…。テラスや大浴場、東西に面する客室のどこからでも楽しめる日本海の表情は、常にドラマチックです。
毎晩披露される石見神楽(いわみかぐら)“国譲り”で出雲大社の成り立ちを学び、塩分多めの強塩温泉で身を禊げば、お詣り支度は万全。1日2組限定の「出雲大社お詣り支度プラン」を選んで、出雲国風土記を参考に神様に献上する食事を模した神饌朝食や御神酒をいただいたり、出雲大社をガイド付きで巡るのもおすすめです。
全客室に露天風呂を備える『界 玉造』
一方、奈良時代から続く玉造温泉に佇む『界 玉造』のコンセプトは、“いにしえの湯と出雲文化を遊ぶ宿”。24の客室すべてに露天風呂を備えたロマンチックな設えが魅力です。
日本酒発祥の地との説がある島根にちなみ、石見神楽の演目は日本酒が鍵となる勇壮な蛇退治“大蛇(オロチ)”。県内30蔵42種の地酒を飲み比べできるマニアックながらもフレンドリーな『日本酒BAR』があるのは、こちらだけです。
王道のカニ鍋は宍道湖特産のシジミ入り
『界 玉造』の冬の夕食は“タグ付き活松葉蟹づくし会席”。『界 出雲』と同じく松葉ガニを主役にしながら、その内容は一つたりとも被っていません。
程よく創意を交えたメインは、地元・宍道湖(しんじこ)名産のシジミとの見事な出合いに唸る蟹すき鍋と、豪快な杉板奉書蒸しの2トップ。脇を固めるのは蟹刺し、焼き蟹、甲羅焼きなどで、締めは鍋だしで作る蟹雑炊。
せっせと身をほぐす達成感も含めて、これぞカニ料理!という王道の安心感も、やはり良いものだなと実感します。
「当旅館と『界 出雲』で連泊される方も、たくさんおられます」と、予想を超える相乗効果を満面の笑みで語る総支配人の岡本昌裕さん。まるで違う島根酒とのペアリング体験を経て、島根酒の魅力に目覚める方も少なくないそうです。
主題が同じだからこそ、際立つ違い。島根を深掘りできる愉快な蟹比べは、この2軒の組合せでしか味わえません。
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- 施設名
- 界 出雲
- 住所
- 島根県出雲市大社町日御碕604
- 電話番号
- 050-3134-8092(界予約センター)
- 営業時間
- in15:00~、out~12:00
- 料金
- 1泊2食付き1名あたり31000円~。
- 交通
- 出雲空港から車で約40分。
- 施設名
- 界 玉造
- 住所
- 島根県松江市玉湯町玉造1237
- 電話番号
- 050-3134-8092(界予約センター)
- 営業時間
- in15:00~、out~12:00
- 料金
- 1泊2食付き1名あたり41000円~。
- 交通
- 出雲空港から車で約40分。