京都の宮津が“食”でアツい!「宮津・天橋立マリアージュ」始動

京都府宮津市が今、優れた食材の生産地として注目を集めています。2024年から著名な料理人とタッグを組んだ「料理と地酒のペアリング」メニュー開発に取り組んでおり、2025年より市内のホテルや飲食店で順次提供を始める予定。市外への流通も少ない希少な宮津食材が、どのような料理に仕立てられ、今後どこで味わえるのかをレポートします。

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「天橋立」の観光名所で知られる宮津市。実はこの近辺の海域は、リアス式の地形に加え、対馬暖流と日本海固有水が交差しプランクトンが豊富なことから多種の魚介が育つ「奇跡の海」と呼ばれています。特に宮津湾は、周囲の山々から微生物分解された落ち葉が堆積し、底からは真水が湧き出ているため栄養分が特に高いそう。日本一と名高いトリ貝から、牡蛎、甘鯛(グジ)、イカ、スズキ、アジ、タイ、カニまで、国内でも他に例を見ない魚種の多さを誇る漁場なのです。

「宮津・天橋立マリアージュ」奥田シェフ
地産地消の第一人者である奥田シェフ(左)。
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そんな宮津の食のポテンシャルを世界に向けて発信しようと、2023年8月から「天橋立ガストロノミー」構想がスタート。地産と地酒をマリアージュしたメニューの開発を行う「宮津・天橋立マリアージュ」と、SUSHIクルーズや定置網漁体験といったコンテンツを集めた「宮津ガストロノミーツーリズム」の2本柱で新たな宮津の魅力を創出するプロジェクトです。

「宮津・天橋立マリアージュ」渡辺シェフ
日本料理の楽しさを新潟から発信する渡辺シェフ。
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そのうちの「宮津・天橋立マリアージュ」では、山形「アル・ケッチァーノ」の奥田政行シェフと、新潟「割烹 渡辺」の渡辺大生シェフがメニュー監修人を務めます。首都圏や京阪神ではなく、敢えて“日本海を舞台に活躍する2人”が選ばれたのだとか。

「宮津・天橋立マリアージュ」甘鯛を使った料理3品
まずは「甘鯛を使った料理」3品から。昆布〆炙り酢橘添え、一夜干し焼き海苔醤油、鱗揚げ。
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同年10月にメルキュール京都宮津リゾート&スパで開かれた試食会では、甘鯛やタイ、サザエなど地元食材を使いシェフ2人が考案したメニューをお披露目。城﨑雅文宮津市長、料理マスターズ倶楽部事務局長の高橋喜幸氏、メディア関係者らが実食し、感想や今後の展望について意見を交わしました。

「宮津・天橋立マリアージュ」ありが鯛
脂が少ないレンコ鯛に、イカでコクを補いオリーブオイルを纏わせた「ありが鯛」。
「宮津・天橋立マリアージュ」小松菜とサザエのグリーンスープ
「小松菜とサザエのグリーンスープ」は、異なる苦み同士を合わせることで新たな甘みを引き出すという逆転の発想。純米酒との相性抜群。
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奥田シェフは「同じ甘鯛でも若狭とはまた違った味わいがあります。宮津は食の可能性に溢れた土地」と感心。渡辺シェフは「食材そのものが美味しいので味を足す必要がなく、調味料を極限まで少なくできる」と宮津の食材への期待を語りました。

「宮津・天橋立マリアージュ」甘鯛の笠松焼のバーニャカウダソース
「甘鯛の笠松焼のバーニャカウダソース」。煮詰めた“ひしこ”、天然塩、オリーブオイルを利かせたバーニャカウダソース、ハクレイ酒造の特別純米酒「香田」を激熱燗で。
「宮津・天橋立マリアージュ」ご当地おにぎり
「ご当地おにぎり」。京都府立海洋高校(宮津市)が製造する鯖缶の鯖をトマトペーストとケイパー、オリーブオイルで煮詰めて具材に。
「宮津・天橋立マリアージュ」地ワイン
宮津では地酒だけでなく地ビール、地ワインも生産。
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「宮津・天橋立マリアージュ」で開発されたメニューは現在、宮津市内のホテルやレストランでの提供を見込んで準備を進めています。「橋立ベイホテル」では1月6日より受付をスタート。他のホテルや店舗での提供に関しては公式HPでチェックを。