2月21日(金)~3月31日(日)の期間限定で「宮崎県フルーツフェア2025@ポアール」を開催!

太陽の国・宮崎県はフルーツ大国。県民のソウルフルーツは、世界でも珍しい異色の柑橘・日向夏で、全国一の生産量を誇る金柑も旬を迎えています。そこで今回、大阪の本格洋菓子の名店『ポアール』ではこの2つの果実を使った新作スイーツを創作。各店にて限定販売します。

太陽の国・宮崎県。生産現場に行ってみた
日向夏は“夏”って付いているのに旬は冬!?

 「宮崎は太陽の国って本当ですね」と、輝く陽光の中で笑顔を見せたのは辻井良樹さん。大阪を代表するパティスリーの一つ『ポアール』のグランシェフだ。そんな辻井さんと共に、「宮崎県フルーツフェア」を前に産地を訪れたのは同店ケーキ主任・谷畑 亮さん。聞けば出身は宮崎県とのことで「実は、日向夏は〝夏〞って付いているけど冬が旬なんですよ」と早速耳寄り情報を聞かせてくれた。

 そんなふたりが日向夏作りの名人を訪ねると収穫の真っ最中。「僕らは子どもの頃、おかずと一緒にご飯の時に食べたっちゃ。醤油付けてね」との名人の言葉にビックリしつつも辻井さん、「確かに柑橘と醤油で、ポン酢感覚で美味しいはずですね」と何やらヒントを得たよう。

 もう一つ、完熟金柑❝たまたま❞の生産農家へ。1本の木に1000個成るという金柑がハウスの中に溢れんばかり。「摘果(果実の間引き)が大変さ」と25年のベテラン農家さん。樹上で完熟させた実を試食して、「皮と実の間に香りがありますね」と谷畑さん。「産地を訪れるとご苦労がよく分かり、良いものを一緒に創りたいという想いが募ります」とは辻井さん。

 帰阪後、フェアに向けて何度も試作を繰り返されて、日向夏と金柑のケーキとフィナンシェが誕生。「例えば、ニンジン嫌いが食べられるニンジンケーキでは意味がないと思ってます。今回も、日向夏、金柑、それぞれの香りや❝らしさ❞を味わってもらえるケーキが出来ました」と笑顔のおふたりだ。

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江戸時代文政年間に宮崎市で発見された柑橘・日向夏は、黄色い外皮を剥き、ふかふかのアルベド(白皮)と実を一緒に食べる異色の柑橘。
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「昭和 40 年からオヤジが始めたっちゃ」という宮崎市田野町の野﨑重光さんの畑へ。
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ハウスの前で試食。「ほのかに嫌味のない苦味がありますね」と辻井さん。葉や外皮まで齧って「葉っぱは山椒に似た爽やかな香り。外皮も美味しい!」と笑顔。
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県内産金柑の約 70%を産出する、宮崎県南端の南那珂地域へ。「時期を早めて作るのがハウスだけど、逆転の発想で樹上で完熟させるんです」という鬼塚 晃さん。
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210 日樹上完熟させ、皮ごとそのまま丸かじりできる大きく甘い「たまたま」を作る。
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試食しながら辻井さんと谷畑さん、「最小限の加工でフレッシュなケーキにするか」「ドライにもしてみたいですね」と早速ディスカッション。
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何度も試作を繰り返し誕生したのは
日向夏と金柑の種のケーキとフィナンシェ。

 フェアで登場するケーキは2種。まずは「金柑のハチミツのムース」。「思った以上に繊細」な金柑は、皮の甘みを出すため 2日掛かりでシロップ漬けに。フォークを入れるとシロップ漬け、ドライ、スライスしたフレッシュなど様々な金柑が顔を出す。

 もう一つが「日向夏のショートケーキ」。生産者の言葉をヒントに、「醤油を使いたくて」、宮崎産の醤油で漬けた外皮をトッピング。さらに葉に風味を感じた山椒もひと振り。食べ進めると醤油ゾーン、山椒ゾーンが現れひと口ごとに驚きが。ふわふわの生地の中にも、果実の部位がゴロゴロ。日向夏の爽やかな苦みを感じる。クリームは果実を引き立てるべく甘さ控えめ。「フルーツが前に出るだけでなく、もう一歩奥深さが出るように」と工夫された2種だ。

 さらにフィナンシェも2種創作。ポアールのフィナンシェはシェル型。真ん中はしっとりふっくら、貝殻の縁の部分はカリサクに焼き上げる。生地になるアーモンドは、毎日その日使う分のみを石のローラーで丁寧に挽くので、より香ばしさが引き立つ。この自慢の生地に、シンプルに砂糖漬けした金柑のスライスと、日向夏の皮の砂糖漬けを合わせたフィナンシェは、果実そのもの以上にフルーツの味が際立っている。この2つは北新地のフィナンシェ専門店のみで販売。焼き立てをぜひ。

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写真左から、「日向夏のショートケーキ908 円」 (フェア期間中は特別価格 843 円)。「金柑たまたまのモンテリマール」 951 円(フェア期間中は特別価格 800 円)。
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写真左から、「金柑たまたまのフィナンシェ」486 円(フェア期間中は特別価格 454 円)。「日向夏のフィナンシェ」465 円(フェア期間中は特別価格 432 円)。
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