万博でも注目のイタリア、ピエモンテのワインを知り、“地”の味を満喫する会へ

大阪・関西万博で屈指の人気を誇ったイタリアパビリオン。終盤に開催されたピエモンテ州PRウィークでは万博会場を飛び出し、大阪市内にてピエモンテ産スプマンテのテイスティングセミナーとガラディナーが開催されました。

ランゲ地方のスパークリング、アルタ・ランガって?

大阪・関西万博で、特に盛況だったイタリアパビリオン。週替わりで開催された各州とのコラボレーションウィークも好評でした。終盤のピエモンテ州PRウィークの一環で、「アルタ・ランガ保護コンソーシアム」の協力を得て近年注目のスパークリングワイン・アルタランガのテイスティングイベントがホテル「W大阪」で開催されました。
「ピエモンテ州、私たちの最も大切な宝の1つであるスプマンテ、アルタ・ランガD.O.C.Gを日本に紹介できることを光栄に思います」。ピエモンテ州知事のスピーチで会はスタート。

ピエモンテ州知事のアルベルト・チリオ(Alberto Cirio)氏
ピエモンテ州知事のアルベルト・チリオ(Alberto Cirio)氏。(画像提供:在日イタリア商工会議所)
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アルタ・ランガとは、ピエモンテのアレッサンドリア、クーネオ、アスティの3つの県にまたがる丘陵エリアで栽培したブドウを、瓶内二次発酵製法で醸したもの。主要品種はシャルドネ、ピノ・ノワール(ネーロ)とシャンパーニュに似ているが、熟成期間がスタンダードで最低30カ月と規定されており(シャンパーニュのノンヴィンテージの倍!)、2011年にD.O.C.G.(統制原産地呼称)に認定された高級スプマンテなのです。

 ピエモンテの老舗ワイナリーのスプマンテ
イギリス王室御用達のワインも造っていた「コントラット」はピエモンテの老舗ワイナリー。クリーミーできめ細かな泡が特徴的で、香ばしさが鼻に抜けるリッチな味わい。
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独特なテロワールが生む洗練の味

会場で解説してくれた日本ソムリエ協会常務理事の水口 晃さんによると、標高の高いエリア(300~600m)で栽培されるのも特徴。バローロやバルバレスコといった銘醸ワインと同じ土壌で作られるブドウはミネラルを多く含み、クオリティーが高いのだそう。
この日用意されたアルタ・ランガは、「コントラット」ブラン・ド・ブラン、「ボルゴ・マラリアーノ」ロゼ、「エンリコ・セラフィーノ」など全6種。甘酸っぱい木の実のようなニュアンスやリンゴのコンポートのような甘さ…と特徴は各々ですが、その味わいは実にエレガント。フレッシュなブドウの香りとミネラル感が調和し、まろやかでいてキレのある酸味が際立ちます。

「熟成期間が長いことから元々そんなに多く作れるものではないので、お目にかかる機会はまだ少ないかもしれません。ただ、スプマンテとしての伝統は長いですしワインとしてのレベルは高い。硬質的なミネラル感がありつつも余韻が長いので、食事にも合いますよ」。

(社)日本ソムリエ協会の水口晃氏
「ご紹介したロゼ『ボルゴ・マラリアーノ』は、砂や岩などが多い畑なので、果実味がストレートというか軽やか。チャーミングな味わいなんです」とキャラクターについて丁寧に教えてくれた水口さん。
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ピエモンテの味とワインを楽しむ

続いて催されたガラディナーでは、イタリア政府や万博関係者らと共に大阪・関西万博での成功を振り返りました。テーブルには、ピエモンテならではの料理とワインが登場。

ピエモンテ州アルバの白トリュフ
まずはピエモンテ州の宝石「アルバの白トリュフ」がお目見え!鼻を近付けただけで、濃厚で高貴な香りが漂う。バターや卵、肉と相性が良く、合わせると香りが際立つ。トリュフ犬とハンターによる「イタリアのトリュフ狩り」は2021年ユネスコ無形文化遺産として登録された。
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冷製ローストビーフのトンナート(ツナソース)×アルタ・ランガに始まり、白トリュフは相性抜群の半熟卵と。続くカルナローリ米のリゾットにもこれでもかと追い白トリュフをしていただき、ランゲ ネッビオーロと芳醇なマリアージュを。
メインは牛ホホ肉のバローロ煮込みにバローロを合わせるというピエモンテオールスターな美食時間を満喫しました。
地元の食材と伝統的な調理法によって、豊かな食文化、そして何世代にもわたるワイン造りを守ってきたピエモンテ。万博で様々な国の魅力を知ったなら、世界の土地土地で育まれた“文化ごと”グルメな時間を楽しみたいですね。

重厚な食文化を持つピエモンテ。バローロやバルバレスコなどイタリアを代表するワインに、トリュフ、ポルチーニ茸といった山の恵みも名産品
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