手作り体験vol.1:大人も全力!チキンラーメン『カップヌードルミュージアム 大阪池田』
チキンラーメンファクトリーとは
梅田を歩いていると、透明のバッグに入ったカップヌードルを肩から下げて歩く人によく出くわします。「あー、カップヌードル作ってきはった観光の人かしらん」と微笑ましい。
大阪・池田市にある『カップヌードルミュージアム』は正式名称を『安藤百福発明記念館』といい、『日清食品』の創業者でインスタントラーメンを発明した安藤百福が、子どもたちに「発明・発見の大切さ」を伝えたいという想いから建てられた体験型食育施設。
好みのスープと具材を選んで、自由に絵を描き、世界にひとつだけのカップヌードルを作れる「マイカップヌードルファクトリー」は、ご存じの人も多いはず。予約なしでフラッと立ち寄れるこちらに対し、意外と知られていないのが2階にある「チキンラーメンファクトリー」。予約必須で、実はカップヌードルのそれより歴史が古く、99年のミュージアム開館時からある体験施設なのです。
粉から!本気のチキンラーメンづくり
体験は2人一組がデフォルト。休日や大型連休の体験は、予約スタートとともに席が埋まる予約困難な大人気プログラム。
席にはキュート過ぎるひよこちゃんバンダナとエプロンが置いてあり、付けながらはしゃいでいると、作り方のビデオ解説が始まりました。これを見ておけば体験がスムーズとのこと。
まずは生地づくり。小麦粉をボウルに出すところから始まるが、「ああ、ラーメンって小麦粉やったんや」と今さらながら勉強。練り水を加えてコネコネして麺棒で押さえていくのですが、これが結構力がいります。たくましい二の腕を駆使しウンショッと力を入れていると、スタッフが時折優しくチェック。
休む間もなく製麺機のハンドルをくるくる回して生地を繰り返し捏ねていきます。楽しいけどこれもまあまあ腕に力がいる。ハガキ2枚分ぐらいのサイズになったところで、生地を休ませてその間にパッケージに好みの絵を描いていきます。相方の画力に嫉妬しつつ、次は生地を薄く伸ばす工程。
なめらかで薄い、一反木綿みたいになったら、麺状に切り出してハサミでカット。独特の切れ味がやみつきになりそう。 蒸しの工程を経た麺にゴマ油をかけてまぜまぜ。中華の干し豆腐みたいでおいしそう。じゅるり。
計量→型入れを経ると、スタッフによる「揚げ」。160℃で2分。これがインスタントラーメン誕生の最も重要なカギとなった「瞬間油熱乾燥法」というらしい。引き上げられると、卵ポケット付きのあのチキンラーメンが姿をあらわした!
目の前でパッケージをしてもらいながら、揚げかす?をいただいて、ポリポリしていると完成! 市販品と合わせてチキンラーメンを2つと、使用したひよこちゃんバンダナをお土産にいただき、ほくほく。
所要時間約90分。2人一組というのも納得の作業量で、みっちり体験したら大人もほどよく疲れます。しかし、この工程を90分で収めるとは…。この体験プログラムのスタートに当たっては、技術に誇りを持つ麺職人らから「無理です!」という声もあったそう。だが社長は、「父親(=創業者)は自宅の裏庭に立てた小屋の中で作ってたんやから一般の人にも体験してもらえるはず!」と言ったそう。企業努力にも脱帽なのでした。
百福イズムに触れる
お土産を手にしたら、すぐ隣に展示されている安藤百福氏の歴史や功績を知るスペースへ。90歳を超えてなお、愛したゴルフに勤しむ姿に翁の底力を知る(グラサン姿がかっこよすぎるから見てほしい)。戦後の動乱のなかで、天ぷらに着想を得てたった一人でカップヌードルを開発したという逸話や、数々の語録に触れて胸がアツくなる。
冒頭にも記したが、そもそもここは、未来ある子どもに「ひらめきの大切さ」「あきらめない執念」を百福氏自身が伝えたいという思いから建てられた施設。その情熱、大人の心にも響きました。
気になる予約方法は?
個人 (20人以下) の事前予約はインターネットまたは電話で。体験希望日の3カ月前の同日10:00から前日16:30まで予約が可能。連休や週末は予約開始とともに次々と埋まっていくので要注意。
体験名:チキンラーメンファクトリー
料金:中学生以上1000円/小学生600円 ※未就学児は体験不可。
定員:各回24組、48人
体験スケジュール:
9:30 / 11:00 / 13:15 / 14:45(所要時間90分)、各回48人
予約はこちらから。
data
- 施設名
- カップヌードルミュージアム 大阪池田2F
- 場所
- 大阪府池田市満寿美町8-25
- 電話番号
- 072-752-3484 (休館日を除く9:00~16:30)
writer
おばやし零余子
obayashi
兵庫県宝塚市在住の独身アラフォー編集者。酒と酒場好きで、年々大きくなる身体に危機感を覚え山登りに目覚めるが、一向に痩せる気配なし。最後の晩餐は雑煮。