正和堂書店おすすめVol.2:“あのとき”のかけがえのない味。「やっぱり食べに行こう。」
大阪市、今福鶴見駅からちょっと歩いたところにある『正和堂書店』は、小西さんご家族が経営する街の本屋さん。実は鞄からチラ見せしたくなるオリジナルブックカバーが大人気の書店さんでもあります。本はココロのごちそうといいますが、ブックカバーに包んで大切に持ち歩きたい、おいしい本を書店員の小西さんにご紹介していただく連載「ブックカバーの下はごちそう」。第二回目は、旅する気分で読める原田マハさんのエッセイ「やっぱり食べに行こう。」。
contents
やっぱり食べに行こう。(毎日文庫) / 原田マハ・著
旅×おいしいもの。心が高鳴る組み合わせに、久々にエッセイに手を伸ばしました。
マハさんらしい、アートにちなんだ海外のお話も多いのですが、私のお気に入りは「神戸のとんかつ」のエピソード。マハさんが学生時代に足繁く通った洋食屋『もん』は、ドアを押して入っていくたびに、ちょっとずつ大人になるような気がした、と語っています。
そこでふと、京都の『スマート珈琲』を思い出しました。私も学生時代はアルバイト代を貯めて通い、社会人になってからは営業の際のランチをここで食べることを楽しみにしていました。何だかお店に自分の変化や成長を報告できているようで、嬉しく思ったものです。
決して高級なごちそうじゃなくても、自分にとってはかけがえのない味になるのですね。
なんともお腹がすくおいしいエピソードがたっぷり詰め込まれたエッセイ。1つのエピソードが2ページ程度のため、隙間時間に気軽に読み進めることができ、その都度海外や国内へ妄想トリップに連れて行ってくれます。
忙しいけど気軽に旅気分を味わいたい人に。
writer
正和堂書店
seiwado book store
大阪・鶴見にある1970年創業の街の本屋さん。3代目の小西康裕さんが「読書時間がより楽しくなるように」とデザインしたオリジナルブックカバーが大人気。2代目の典子さん、3代目の康裕さん・敬子さんご夫妻(と4歳の長女)、康裕さんの弟・悠哉さんなど、一家で奮闘するSNSの総フォロワー数は20万人!
instagram@seiwado.book.store