西天満『串かつ だいぼん』 名店の系譜を継ぐ軽やかな串かつ

大阪・西天満の一角に建つビルの5階に、2024年9月にオープンした『串かつ だいぼん』。予約が取れない名店『あーぼん』から暖簾分けしたいま話題のお店です。師匠譲りの軽やかで季節感のある串かつに、「魚が大好き」というご店主の個性を織り交ぜたコースを提供しています。

イタリア料理を経て名店『あーぼん』で串かつを勉強

2024年9月のオープン直後から、話題の『串かつ だいぼん』。
31歳の若き店主・泉谷 大さんは、イタリア料理店を経て芦屋の名店『串かつ あーぼん』で10年間経験を積んで独立。
「当初イタリアンで働いていたのですが、大将の人柄やお客様目線の考え、アットホームな店の雰囲気に惹かれ、働かせてもらうように。25歳でイタリアへ渡るつもりが、コロナもあってそのまま『あーぼん』で経験を積みました」。
そうした努力が実を結び、自店を持つ際には大将から店名の“ぼん”を初めて受け継いだのが『だいぼん』です。

主役は魚。季節の勢いを閉じ込めた串

師匠ゆずりの串かつは、ふわふわの卵白を加えた衣と微細なパン粉を纏わせ、オランダ製の高級ラードでカラリと揚げた軽さが真骨頂。
旬の勢いをまるごといただくようなおいしさが、ぎゅっとつまっています。

一方、自身のスタイルとしては「魚好きのため、魚にこだわりたい」と、長崎県五島列島の『林鮮魚店』から仕入れるスジアラやヒラスズキ、今回紹介するサクラダイなど季節の魚介を使用。
「処理が理想的で生でもおいしい魚のため、中心はギリギリ火が通ったレアを狙って揚げています。魚の味を感じて欲しいですね」と大さん。

串の皿盛り
コースのスタート前には、揚げられるのを待っている串が大皿にスタンバイ。これからのコースに期待が高まります。
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そんなスペシャルな20串が登場するコースは、ほかにも、定番のスティック野菜や箸休めの茶そば、アイスクリームが。足りなければ有料で串かつの追加が可能です。

オクラとエビの春巻き
コース12500円より。オクラの春巻きは『あーぼん』の夏の名物。春巻きの皮の中に粗く叩いたエビとオクラの輪切りを包んで揚げたアミューズ感覚の1串目。レモンと塩で。
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オクラとエビの春巻き、だいぼーる
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サクラダイ
『林鮮魚店』から届くサクラダイは厚く切り、ふんわりしっとりした舌触りを堪能。シンプルに塩で。
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茶蕎麦
箸休めの茶蕎麦は『あーぼん』でも定番。ツルンと喉越しを高めるために加えたナメコや山芋のほか、ワサビをキリリと効かせ、串カツの油脂をさっぱり切る。
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カマンベール串
シメはデザート串を。カマンベールにブルーベリージャムをかけた串は口の中でとろけるチーズとフルーツの甘さが出合う。ほかにも、季節限定で生のイチゴにイチゴジャムをかけた串なども。
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実はお酒のリストもスペシャル

酒屋を営む親友とのタッグで、実はお酒もスペシャル。
例えばオリジナルのハイボール「だいボール」は、お酒好きなら誰もが知る京都の会員制バー『Bar Kellar』監修で、串かつに合うブレンドにこだわった一杯。

だいぼーる
だいぼーる1000円。グレンリベットをベースに、シーバスリーガルの18年をコクとして、バスカーアイリッシュウィスキーのグリーンラベルを引き締め役としてブレンドしたオーク樽で寝かせた香り高さやスッキリ感に感激。
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その他、少量から楽しめるお宝ワインや西天満らしいキラ星のようなシャンパーニュがあるかと思えば、ビールは550円と良心的な価格に驚きます。
「串かつ屋なので、ラフに楽しんで欲しい!」と大きく笑う大さん。早くも師匠譲りの人間性や心地いいサービス、雰囲気にファンが。お酒好きと足を運んで欲しいですね。

内観
後ろの水槽にはクルマエビが。その日の分を取り出して、活けの串で提供。
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だいぼんBAR
実は隣には、ウエイティングや帰りに立ち寄れる『だいぼんBAR』が併設。バーだけの利用も可能です。
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