食事シーンにぴったりのファッションとは/黒沢祐子【食べる門には福来たる】

仕事に全力を注いだり、家族を支えたり。私たちは、常に“誰か”のために忙しい。
だからこそ、本当は一番大切にしたいはずの自分の心を置き去りにしがちです。自然体で丁寧な生き方にファンの多い、ウエディング・ライフスタイルプロデューサーの黒沢祐子さんに、「食」を軸に自分を喜ばせるためのヒントを教えていただく連載「食べる門には福来たる」。
会食やパーティーが増えるホリデーシーズン。第9回は、アパレルのディレクションも行う黒沢さんに「食とファッション」のお話を伺いました。

周囲と温度感を合わせるファッションを

気がつけば、食事の予定が立て込む年末シーズンへ突入。「何を着ていこうかな?」と、クローゼットの前で立ち止まる人も多いのではないでしょうか。

私は基本的には失礼のないような最低限のマナーさえあればいいと思うのですが、友達なのか仕事関係なのか、カジュアルなお店なのか格式のあるお店なのか。それを押さえたうえで、周囲の雰囲気を崩さないことを心がけています。
そういった意味では、カジュアルな場所では逆にかっちりした服装をしすぎないことも大切。気軽なスニーカーの方が馴染む場面もありますよね。

また、初めてお会いする人がいたり、お誕生日会などでは主役の方がいたりする場合も。そうした事前のチェックも頭に入れておくべきポイントかなと思います。

トップスに華やかさをプラス

テーブルに座っていると、目が行くのは顔まわりや上半身。だからこそ、そこに華やかさを持ってくることを意識しています。

たとえば定番の黒でも透け感のある素材を選んだり、袖にボリュームがあるものを選んだり。
トップスが黒なら赤いリップを選ぶだけでもパッと明るくなりますし、女性ならヘアスタイルや顔まわりのアクセサリーでもガラリとイメージを変えることができますよね。


カジュアルな場面なら、色物を取り入れることが多いです。
デニムを履くときもトップスはラメっぽい感じのニットや、ちょっと素材に表情のあるトップスを合わせるのも好きですね。

色物に抵抗感があるという方には、まずはやわらかニュアンスの色から取り入れたり、ジャケットのインナーとしてさりげなく着てみたりするのがおすすめです。

黒沢裕子さん
キラキラトップスに、ボリュームのあるイヤリング。
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頼れるのは、着物とワンピース!

どんなTPOでも安心な一着として、足首ぐらいまであるロング丈のワンピースが重宝します。旅行先のレストランにも持って行きやすいという利点も。

あとは、私は着物が大好き。格式のあるレストランや和食のお店でもとても美しく映えるので、ちょっといい場所に行くときに着ることも多いです。また、四季を表現できる着物だからこそ「今の季節にぴったりですね」とお店の方から褒めていただけることも。周囲の方が喜んでくださるのも、嬉しいですよね。
ずっと同じ姿勢で座っていてもシワが目立たないところもいいところです。

着物は慣れていないとなにかと難しいこともありますが、お作法の点でもさまざまな学びを得られて、知れば知るほど楽しいんです。
もし自分で着ることができるようになれば選択肢も増えますし、困ったときにも頼りになりますよ。

黒沢裕子さん着物
大好きな着物。夏は浴衣を着物風にアレンジして楽しんでいます。
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ファッションはコミュニケーションの一部

ファッションは、基本的には自分の気持ちが上がることが重要だと考えています。
でも私も若い頃は、それで突っ走ってしまって失敗した苦い経験も(笑)。先ほども言いましたが、自分らしさをベースにしながらも、周囲の温度感に合わる想像力や配慮が大切なんだなと、今は思います。

ファッションは自分を表現するツールの一つですが、食事のシーンではコミュニケーションの一部。

その日の装いをきっかけに、「アクセサリー素敵ですね」「そのトップスいいですね」とその場が和やかになることも。
相手との距離を縮めてくれる、心強い味方になってくれるかもしれません。

黒沢裕子さん
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連載「食べる門には福来る」

ウエディング・ライフスタイルプロデューサーの黒沢祐子さんに、「食」を軸に自分を喜ばせるためのヒントを教えていただきます。自分も、大切な人もハッピーになれるヒントが満載。

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writer

黒沢祐子

yuko KUROSAWA

ウェディング・ライフスタイルプロデューサー。
東京、神戸で7年以上ウェディングの現場を経験し、「より密にお客様と対峙したい」という思いから、2008年よりフリーランスへ。会場探しから共に行うスタイルが好評で、2016年にYUKOWEDDINGを設立。現在までに1000組以上のカップルを担当する。
一方で、2020年の鎌倉移住をきっかけにライフスタイル事業をスタート。現在は東京を拠点に、美容、ファッションなど総合的にプロデュース。2022年より、プライベートサロン「Y’s room」を主宰。
instagram@yukowedding