21時、キャンドルを灯したバータイムへ。『RUSTICO』の夜

神戸・元町の素朴なイタリア料理店『RUSTICO(ルスティコ)』。実は21時以降はお料理のオーダーをストップして、バー営業に切り替わる。
ナチュラルワインはもちろん、ひそかに棚に並ぶウイスキーや食後酒、軽いアテなども登場。“もうちょっと飲みたい夜”の、優しい終着地点だ。

一日の締めくくりこそ、豊かな時間を

「みんないつも時間に追われてるけど、好きなお酒を飲んだりおしゃべりしたりしながら、一日の終わりぐらいゆっくりと丁寧に過ごしたいよね」

店主・鈴木俊平さんのそんな想いからゆるりと始まったバータイム。通常営業よりも照明を落とし、ゆらめくキャンドルの光が温かく迎え入れてくれる。

一軒目で解散するには名残惜しい夜。シュッとしたバーもいいけれど、もう少しだけ肩の力を抜きたいし、おしゃべりだって楽しみたい。そんな日の行き先にぴったりだ。

神戸・元町『RUSTICO(ルスティコ)』外観
暗がりに浮かぶ明かりが幻想的で、つい足を止めたくなるムードが漂う。
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ナチュラルワイン以外の選択肢も!

普段は料理に合わせてナチュラルワインを提案しているが、21時以降は食後酒のグラッパやリモンチェッロといった甘めのお酒、華やかな香りのジンやウイスキーなども登場。食事を終えた後に嬉しいラインアップだ。

神戸・元町『RUSTICO(ルスティコ)』バックバー
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神戸・元町『RUSTICO(ルスティコ)』グラッパ
ふくよかで甘い樽の熟成香がふわり。グラッパ800円。
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ちょっとつまみたい気分なら、ハムやチーズ、パンなどの軽いアテを。

サッと出された一皿が美しく、もちろんおいしいのはレストランだからこそ。やっぱり気分がアガる。

神戸・元町『RUSTICO(ルスティコ)』イチジクと生ハム
イチジクと生ハム1700円。提供できるメニューはその日によって異なる。ワインはグラスで900〜1500円ぐらいが目安。
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おもしろいのが、味噌汁や刺身、蕎麦といった思いがけない一品がバータイム限定で登場すること! レギュラーメニューではないので、もし出合えたらラッキー。

こんな意外性も、お楽しみの一つだ。

笑い声と音楽が溶け合う止まり木

友人やパートナーと訪れる人、おひとりさまなど、さまざまな人が足を運ぶ。カウンターで隣り合った人同士が自然に会話を交わし、店主も混じって盛り上がることも珍しくはない。

単に飲食をするだけでなく、ゆるやかなコミュニケーションのハブとなる空気感には、流れる音楽もひと役買っている。「実はうち、結構いいスピーカーなんですよ(笑)」という通り、良質なサウンドが心地よく時間を溶かすようだ。

しかし抜群の居心地の最大の理由は、もしかすると鈴木さん自身が誰よりリラックスして楽しんでいるからなのかもしれない。

神戸・元町『RUSTICO(ルスティコ)』内観
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お酒を飲み、笑い、語らう。豊かな時間に必要なものは、思っているよりもシンプルなものだと思う。
明日からもまた前を向ける、そんな夜を過ごそう。