GI鳥取の認定酒を得た8蔵の中から、注目の3蔵を紹介!
米の作り手ごとに個性を紡ぐ/若桜町『太田酒造場』
同じ「辨天娘(べんてんむすめ)」でも「強力(ごうりき)」「玉栄(たまさかえ)」「鳥姫」など酒米違いだけで6種。さらに酒米生産者ごとに仕込みもタンクも分けて瓶詰。瓶裏面に酒米生産者名までも記している。「米作りに携わるうちに、田んぼごとの個性を真っ直ぐ楽しんでほしくなって」と5代目の太田章太郎さん。超軟水の仕込み水も酒米も地元若桜町産で、純米造りのみ。燗して良くなる酒造りを続けている。
「酒米が柔らかめなので、蒸した後に自然放冷でがっちり締めてゆっくり溶け切るように調整。炊きたてご飯のような甘みを感じる旨みに仕上げています」。深掘りした展開の根底にあるのは、米の作り手への敬意と、米と向き合う真摯な酒造りだ。
GI認定を受けた「辨天娘 純米 強力」は、コロナ禍の苦境に屈せず例年通りの仕込みを続けた結果得られた3年熟成もの。時間を経てまろみを帯び深みを増した琥珀色の酒は、飛び切り燗まで温めてもびくともしない重厚なボディ。それでいて温かみに溢れている。
ネイティブ・鳥取な生酛一徹/伯耆町『久米桜酒造』
「ありのままの自然に委ねることで生まれる、予測不能のゆらぎ。それがウチの“味”です」。アパレル業界から日本酒の世界に飛び込んだ異色の杜氏・三輪智成さんの一期一会を良しとする酒哲学は、アバンギャルドでアート的。水は地下150mから湧く大山の伏流水、米は近隣の契約農家から。半径数キロ以内のミニマムな世界の土着感を描くべく、できる限り人の手を加えないネイティブな生酛造りを徹底している。
今回GI認定を受けた「生酛純米酒 八郷」は、170年の蔵の歴史の中で安定した人気を誇る定番ブランド。ラベルは昔ながらだけれど、味は今どき。のびやかでフレッシュな乳酸感と透明感ある複雑味が、鳥取の酒の幅広さと奥深さを教えてくれる。
40年先の守破離/境港市『千代むすび酒造』
ウイスキーやジン製造への着手など、革新を恐れない老舗蔵の販路は今や世界15カ国。安定した品質のために繊細な温度管理ができる最新の仕込みタンクを導入する一方で自然酵母が住み着く築80年の土蔵での自家精米も続ける。それは、守るべき伝統を知っているからだ。
「2065年に迎える創業200年の折に、次世代へ元気にバトンを渡すことが目標です」と創業160年を機に6代目に就任した岡空 聡さん。売上の数ではなく、日本酒の価値を底上げしてみせると瞳を輝かせる。「一番好きな酒です」とGI認定酒に選んだ看板銘柄「千代むすび 強力50」の名を純米吟醸から純米大吟醸へと変えたのもその一手だ。飲み口穏やかながらも印象深いコクがあるスタンダードな酒は、今後ますます広く愛されるに違いない。
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- 備考
- 【本件に関する問合せ】鳥取県関西本部 TEL06-6341-3955
【備考】※このページに掲載の内容は2026年2月時の情報です。

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