発酵料理人・楠 修二さんのグリル春野菜と発酵キャベツのサラダ
あまからCookingアーカイブ
今、再び注目を集める「発酵」。今回は発酵をテーマに活動する料理人・楠 修二さんに、塩や糀を混ぜて乳酸発酵させた“発酵野菜”の作り方を教えていただきました。簡単に作れてそのままはもちろん、料理のアクセントにもなる万能調味料。発酵キャベツの作り方とSiセンサーコンロで作る和のおかずをご紹介します。
まず、発酵キャベツを作ろう
発酵食品は、毎年何かしらブームがありますが、今再び注目を集めているのは、コロナ禍を経て、長年親しんできた自然の叡智が見直されているということも背景にあるようです。今回は手に入れやすいキャベツ、玉ネギ、プチトマトに、塩を加えて乳酸発酵させた「発酵野菜」の作り方を、発酵料理人・楠 修二さんに教えていただきました。
まずは、シャキシャキ食感に乳酸発酵の程よい酸味と旨みのある「発酵キャベツ」の作り方です。そのまま漬け物として、漬け汁は酢のように調味料と使えるのを生かし、今回はグリル野菜や生野菜に、発酵キャベツを合わせてサラダにアレンジ。キャベツの酸味がドレッシング代わりとなり、滋味深いひと皿になります。
【発酵キャベツの作り方】※作りやすい分量
- ①
- キャベツは外葉を外し、水洗いせずに汚れがある場合は拭き取る。600gを粗めのせん切りにし、塩12g(キャベツの量の2%)を加え、優しく和える。しんなりとしてきたら、約5分間、手のひらでぐっと押さえながら揉み込む。
- ②
- 熱湯消毒した瓶に水分ごと移し、拳で上から強く押して空気を抜く。瓶の内側に食用アルコールをスプレーし、キッチンペーパーで汚れを拭き取る。
- ③
- 瓶に合う大きさの清潔なビニール袋に水を入れ、余った部分を捻りながら空気を抜き、遊びが出るように上部で結ぶ。キャベツの上に落とし袋をのせ、優しく押さえつけて空気を抜く。食用アルコールをスプレーし、蓋をする。直射日光の当たらない風通しの良い場所に常温で1~2週間おくと酸味が出てくる。その後は冷蔵庫で保存する。※餃子のタネに加えたり、だし汁に鶏手羽元、発酵キャベツと漬け汁を加えてスープにしても。
キャベツと塩をよく揉み込む。水を入れた落とし袋を瓶の上からのせて、野菜が空気に触れないようにする。
グリル春野菜と発酵キャベツのサラダのレシピ
【材料】2人分
ウド(根元を切り、皮を剥く) … 1/2本(約40g)
アスパラガス(根元の硬い部分は削ぐ)… 2本
空豆(サヤから外す)… 8粒
塩・オリーブ油 … 各適量
〈A〉
発酵キャベツ(上記参照)… 50g
ウルイ(斜め切り)… 40g
クレソン(葉の部分)… 20g
魚醤(淡口醤油でも可)… 小さじ1/2
オリーブ油 … 大さじ1と1/3
【作り方】
- ①
- ウドは厚めの斜め切りにする。水にくぐらせ、ザルに上げる。『クラスS』付属の波型プレートパンに、アスパラガス、空豆と共に並べて塩をし、オリーブ油を回しかける。マルチグリルにセットし、調理モード「波型プレートパン」・「焼く」、火加減「強」を選択、タイマーを7分に設定して焼く。アスパラガスは食べやすい大きさに切り、空豆は薄皮を剥く。
- ②
- ボウルに〈A〉と①を入れて混ぜ合わせ、器に盛る。
波型プレートパンで手軽にグリル調理。火加減と調理時間を設定するだけで、香ばしく焼き上がり、野菜が凝縮した味わいに。
発酵料理人・楠 修二さん
発酵人くすの木・楠 修二さん
1990年大阪生まれ、京都在住。寿司店や、京都の有名日本料理店などで修業し、2020年「CHEF-1グランプリ」に出場。現在はフリーの料理人として活躍。日本料理の調味料が発酵でできていることから発酵の奥深い世界に魅了され、自家製で味噌や醤油、納豆など約40種を作り、研究を重ねる。あらゆる「発酵」をテーマにしたポップアップレストランに料理人として参加。料理教室、発酵商品開発なども行う。活動近況はInstagramにて随時発信。
【Instagram】https://www.instagram.com/hakkounin_k/
クラスS[H]シリーズ
Writer ライター
あまから手帖 編集部
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