発酵料理人・楠 修二さんの発酵トマトと鯛の炊き込みご飯

発酵料理人・楠 修二さんの発酵トマトと鯛の炊き込みご飯

あまからCookingアーカイブ

2024.06.12

文:「あまから手帖」編集部 / 撮影:東谷幸一 / スタイリング:松本淳美

今、再び注目を集める「発酵」。今回は発酵をテーマに活動する料理人・楠 修二さんに、塩や糀を混ぜて乳酸発酵させた“発酵野菜”の作り方を教えていただきました。そのままはもちろん、料理のアクセントにもなる万能調味料「発酵トマト」とSiセンサーコンロで作る和のおかずをご紹介します。

目次

発酵トマトを作ろう 発酵トマトと鯛の炊き込みご飯のレシピ 発酵料理人・楠 修二さん

発酵トマトを作ろう

続いて「発酵トマト」の作り方です。

この時期ぴったりの、シュワッと爽やかな酸味と旨み。梅干しに似たニュアンスのある発酵トマト。トマトソースに少量加えてパスタソースや、素麺つゆなどに加えても美味しいです。

今回は、発酵トマトの酸味が利いた鯛ご飯をご紹介します。鯛は炊き込まず、だしも不要。魚醤を加えてご飯を炊き、皮目だけをバリッと焼いて身は余熱で火を入れた鯛、発酵トマト、アク抜きした山菜をのせて仕上げます。ふんわりとした鯛の身に、梅干しのようなニュアンスの発酵トマトの爽やかさがいいアクセントとなり、箸が進みます!

発酵トマト

【発酵トマトの作り方】※作りやすい分量

ミニトマト600gを水洗いして水気を拭き取り、ヘタを取って半分に切る。塩12g(ミニトマトの量の2%)を加え、約5分間、ゴムベラでしっかりと混ぜ合わせる。
熱湯消毒した瓶に入れ、上から強く押して空気を抜く。瓶の内側に食用アルコールをスプレーし、キッチンペーパーで汚れを拭き取る。
瓶に合う大きさの清潔なビニール袋に水を入れ、余った部分を捻りながら空気を抜き、遊びが出るように上部で結ぶ。上に落とし袋をのせ、優しく押さえつけて空気を抜く。食用アルコールをスプレーし、蓋をする。常温で10~14日間おき、その後は冷蔵庫で保存する。※昆布だしに汁ごと加えて淡口醤油、塩で調味するだけで美味しいスープに。

発酵トマトの作り方トマトと塩をしかり混ぜ合わせる。水を入れた落とし袋を瓶の上からのせて、野菜が空気に触れないようにする。

発酵トマトと鯛の炊き込みご飯のレシピ

発酵トマトと鯛の炊き込みご飯のレシピ

【材料】4人分

発酵トマト(果肉の部分)… 30g
白米 … 2合
鯛(切り身)… 4切れ(約160g)
フキ … 4本
コゴミ … 6本

〈A〉
水 … 440ml
魚醤(淡口醤油でも可)… 20ml

サラダ油 … 大さじ1
塩・木ノ芽 … 各適量

【作り方】

白米を洗ってザルに上げて水気を切り、『クラスS』付属の「キャセロール」に入れて〈A〉と合わせる。蓋をして30分ほどおいて浸水させてからマルチグリルにセットする。調理モード「キャセロール」、オートメニュー「炊きこみごはん」を選択して炊く。
鯛に軽く塩をして5分おき、キッチンペーパーで水気を拭く。皮に庖丁目を数本入れる。フライパンにサラダ油を入れて、「あぶり高温機能」に設定し、皮目を下にして強火で焼く。焦げ目が付いたら、ひっくり返してすぐにバットなどに上げる。
フキは筋を取って笹切りにして水にさらし、コゴミは葉を切り落とす。沸かした湯に入れ、コンロタイマーを1分に設定して湯がき、冷水にとる。
① のブザーが鳴り、蒸らし時間に入ったら、蓋を開け、②、③をのせる。再び蓋をし、終了時間まで蒸らす。
終了のブザーが鳴ったら④の蓋を取り、発酵トマトをのせ、木ノ芽を散らす。混ぜ合わせて椀に盛る。

キャセロールでご飯を炊く、鯛を焼く蓋付きの調理鍋「キャセロール」を使い、グリルで炊飯もできます。オートメニュー「炊きこみごはん」を選択するだけ。蒸らし前と終了の2回ブザーが鳴るので、具材の後入れも可能です。

発酵料理人・楠 修二さん

発酵人くすの木・楠 修二さん発酵人くすの木・楠 修二さん
1990年大阪生まれ、京都在住。寿司店や、京都の有名日本料理店などで修業し、2020年「CHEF-1グランプリ」に出場。現在はフリーの料理人として活躍。日本料理の調味料が発酵でできていることから発酵の奥深い世界に魅了され、自家製で味噌や醤油、納豆など約40種を作り、研究を重ねる。あらゆる「発酵」をテーマにしたポップアップレストランに料理人として参加。料理教室、発酵商品開発なども行う。活動近況はInstagramにて随時発信。
【Instagram】https://www.instagram.com/hakkounin_k/

使用したコンロは
クラスS[H]シリーズ

Writer ライター

あまから手帖 編集部

あまから手帖 編集部

amakara techo

1984年の創刊以来、関西グルメの豊かさをお届けしてきた月刊誌「あまから手帖」編集部。 旨いものを求めて東奔西走、食べ歩いた店は数知れず。パン一つ、漬物一つ掲載するにも、関西の人気店を回って商品を買い集め、食べ比べる真面目なチーム・食いしん坊。

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