書店員のおすすめ!今月の『食の本』〜京都・河原町 丸善京都本店〜

 “煮込んだカレーの濃厚さ、秘密はあの具材にあり”

一晩置いたカレーはなぜおいしいのか

食材と料理のサイエンス

一晩置いたカレーはなぜおいしいのか-文庫カ

稲垣栄洋著 新潮文庫/605円

数々のベストセラーを送りだしてきた農学博士である著者が、科学的根拠に基づく「おいしさの秘密」を解説する本書。

味・食感・香り…すべての謎を解く鍵とは。身近な料理にも科学が潜む。

 「2日目のカレーは、より濃厚になる」「ご飯と味噌汁は定番の組合せ」「寿司と一緒に飲むのはあがり」といった、私たちにとって今や“あたり前”になっていること。そこに理由があったなんて、考えたことがありませんでした。それを、科学的な根拠を元に教えてくれるのが本書。

次の日のカレーの粘り気が強く味が濃いのはジャガイモに含まれるデンプンが原因ということや、米と味噌汁だけで多くの栄養素を網羅しているからセットで食べると健康的だということ、お茶の殺菌作用で寿司ネタの生魚のリスクを減らしていること。それがさっきの“当たり前”の理由だったんです。すべてに理由があったと知ると、以前と見え方が変わり食べるときに新鮮な気持ちになります。料理はあまり得意ではない私ですが、雑学としても面白く、食への興味も湧きました。
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文庫本担当 森川佳美さん

丸善京都本店

梶井基次郎著『檸檬』の中で、主人公がこの書店の本棚にレモンを置いていく描写があり、読者が実際に再現できるようレモンを置く専用の籠が設置されている。

京都市中京区河原町通三条下ル山崎町251 京都BAL B1・B2 TEL075・253・1599 営業日時 通常11:00〜20:00/無休