
JR兵庫駅に近くある、下町の名ビストロ
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フランス料理のコースの愉しみとは何か、選べるメインか、手作りパンか、ワインとのペアリングか。締めのデザートに、初めて目を向けてみた。
むしろ、待ち遠しくなるデザート
コース料理の最後、デザート(デセール)は要るか要らないか。私は要らない派なのだが、フランス料理店では必ずと言っていいほど提供してくれる。小さなケーキや季節のタルト、チョコレート、フルーツのコンポート、ソルベ。甘いもの目当てで入ったカフェのメニューに並んでいたのなら、とても魅力的。しかし私はコース料理の後はラーメンやうどんなど出汁の利いたものが欲しくなるタイプ。お酒は飲まないくせに、不思議な話。
なぜフランス料理のコースの締めにはデザートがお決まりなのか。それは長い間砂糖が希少だったため、料理に使うことができなかったことが関係するらしい。歴史的に見てもフランス料理のコースの締めはデザート以外ではありえないのだ。
なるほど、と思い勝手にデザート要らないなどとほざいていた自分を反省していたところ、その改心が認められたのか、とても美味しいデザートを提供されるフランス料理店に出合った。JR兵庫駅を少し歩いたところにある、「ビストロ プティポワ」だ。
「Deux étoiles」というコースには、アミューズグール、前菜2皿、本日のスープ、選べるメインが付く。その後、ついにデザートが現れる。
「フルーツ以外はすべて手作りです」
ご主人の言葉を聞きながら口に運んだクレームブリュレ。カリッとほろ苦いカラメリゼ、甘いカスタードソース。めちゃくちゃ美味しい。
誕生日であることを前もって伝えておけば、「happy Birthday」とチョコレートでメッセージを書いてくれる。
■店名
ビストロ プティポワ
■詳細
兵庫県神戸市兵庫区塚本通5-1-26
☎︎078-578-3287

あまから手帖では今回、「名店とは何か?」を色々な切り口から考え、関西の「名店」を厳選。一生に一度は行きたい高級店、唯一無二の味、会いに行きたい名物店主、さらには浪速の名酒場や、売切れ御免の秘境ラーメン店、名店を継いだ名店、贈って喜ばれる口福の名品など。知られざる名店、むしろ迷店まで、あなたなりの「名店」にきっと巡り合えるはず。
Writer ライター

あまから手帖 編集部
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