『焼味尽(やみつき) とくちゃん』の厚切り牛たん焼でほろ酔い

 しっとりジューシーな厚切り牛たんの炭火焼が、ビールや焼酎を誘う絶好のつまみ。大阪・梅田のど真ん中にありながら隠れ家感満載の居酒屋は、ひとり呑みにもピッタリです。

場所は新梅田食道街の2階

 阪急大阪梅田駅から徒歩3分。狭い通路の中に約100軒の飲食店がひしめく「新梅田食道街」は、老若男女が集うグルメスポット。その2階、階段を昇った正面に『とくちゃん』はあります。人通りが多く終日賑やかな1階に比べると、2階にあるこちらは少し落ち着いた雰囲気です。

『とくちゃん』外観
こちらが新梅田食道街にオープンしたのは2002年。
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名物は厚切りの牛たん焼

 表の大看板に書いてある通り、こちらの名物は牛たん焼。1997年に大阪・箕面で創業した時から、関西で本格的な牛たん焼をいただける貴重なお店として長く愛されています。
 「跳ね返すような独特の弾力が牛たんの醍醐味。当店では厚めのぶつ切りにすることで食べ応えを出していますよ」と店長の山本耕太郎さん。
 備長炭でじっくりジューシーに焼き上げる牛たん焼は、味付けはごくシンプルに塩・コショウのみ。キャベツの浅漬けとたっぷりの白髪ネギを添えるのが、こちらのオリジナルスタイルです。
 絶妙な焼き加減と旨みに悶絶しますが、実は牛たんは3日以上寝かせることで旨みをグッと凝縮。さらに、隠し庖丁を入れて厚切りながら歯切れよくなるように一工夫。さりげないひと仕事で、ワンランク上のおいしさに仕上げています。

『とくちゃん』の牛たん焼
牛たん焼はレギュラーサイズ150gで2300円。タンのみのお替わり・かえタンは100g1580円。お供にするお酒は、鳥取の『千代むすび酒造』が造る5年古酒の米焼酎・猫また焼酎520円をぜひ。
『とくちゃん』の店長・山本耕太郎さん
山本店長は料理人歴25年というベテラン。鳥取県琴浦町の出身です。
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さりげない鳥取の幸が色々

 牛たん焼き以外のメニューは、ミノやハラミなどの牛ホルモンの炭火焼のほか、ポテトサラダや冷やしトマトなど定番のつまみを中心に50以上。その中で特におすすめしたいのが、山本店長が故郷・鳥取から取り寄せている野菜やお米を使ったメニューです。
 「鳥取・大山エリアで採れる立派な白ネギは、白髪ネギにして牛たん焼にもたっぷり添えています。炭火で焼くと、甘さがグッと際立ちますよ。地元でコロッケと言えば、魚の練り物を揚げたコロッケ天のこと。地方色が面白いでしょう?少しでも故郷の応援になれば嬉しいですね」と山本店長は笑います。

『とくちゃん』のネギ芯焼
ネギ芯焼300円は甘辛いタレか塩で。
『とくちゃん』の魚天コロッケ
白身魚などのすり身に衣を付けて揚げた魚天コロッケ320円はむちっとした歯ごたえ。琴浦町にある『高塚かまぼこ店』から仕入れています。
『とくちゃん』の麦とろご飯
大和芋ならでの濃厚な粘りが堪らない麦とろご飯680円。お米は山本店長のご両親が琴浦町で営む『やまもと農場』直送。昔ながらの天日干しのお米は粒立ちがよく深い甘みがあります。
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隠れ家風のテーブル席も人気

 薄暗い照明に、ごつごつとした岩肌を思わせるような壁面。どこか洞窟風の雰囲気も、この店の魅力のひとつです。ゆったりしたテーブル席や炭火焼の臨場感を味わえるカウンターなど、気分に合わせて異なる趣の席を選べます。
 なかでも人気が高いのが、半個室風のテーブル席。他の席と距離があるので比較的静かで話しやすく、入り口以外を壁に覆われた造りが、心地よいプライベート感を演出してくれます。 牛たん焼に加えて店の雰囲気も味わい深い酒場は、店名通りヤミツキになりそうなポイントが満載です。

『とくちゃん』店内
なんとも言えない不思議なムードが漂う店内。大木の幹を大胆に組み込んだテーブル席も素敵です。
『とくちゃん』の半個室風テーブル席
秘密基地のようなムードも漂う、半個室風のテーブル席。
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