気分は海の中?梅田新食道街の『旬鮮市場 GYOぎょ魚』

 シンプルな鮮魚料理と串カツがメインのリーズナブルな酒場は、阪急大阪梅田駅からもJR大阪駅からもすぐ。まるで海の中にいるかのような不思議な空間も、居心地の良さのひとつです。

デザインのコンセプトは‟海の中“

 ディープブルーの壁に、潜水艦のような覗き窓。船の甲板をイメージしたであろう、さびれた金属製テーブルのヴィンテージ感など細部に見えるこだわりが、なんともお洒落。海中に沈む船をコンセプトにオーナーがデザインを考えたという店内は、まるでテーマパークのレストランです。
 店の場所は梅田新食道街の2階端。扉を開けると予期せぬところで‟ぎょぎょぎょ“と驚かされる、独特の空間。座っているだけで、ちょっとワクワクしてしまいます。

『GYOぎょ魚』店内
店内中央の大テーブルの中央には、海中から見上げる青空が描かれています。
『GYOぎょ魚』外観
1階から階段を昇ると、左手にある窓越しに店内の様子をそっと伺えます。
『GYOぎょ魚』テーブル席
店内は40席以上。ゆったり寛げます。
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鳥取直送の旬魚が隠れた人気

 実はこちらは、斜め向かいにある『焼味尽(やみつき) とくちゃん』の姉妹店。肉系と魚系とジャンルは違いますが、店が近いこともあって仕入れの一部は共通。鳥取出身の『とくちゃん』店長・山本耕太郎さんの伝手で鳥取から届く鮮魚は、その日の入荷によりますが名品珍品揃い。ひそかな楽しみにしているお客さんは、少なくありません。
 「今日はモサエビの身はお造りで、頭は殻ごと揚げてみました。白イカのゲソはよければ後ほど炙ってお出ししますよ」。日替わりの造り盛合せを説明するのは、『GYOぎょ魚』店長の駒井淳一さん。鳥取を中心に山陰で獲れる種類豊富な魚介を提供できることは店の強みになっていますと、笑顔で語ります。

『GYOぎょ魚』の造り盛合せ
何が出るかはお楽しみ。この日は鳥取の赤碕港や賀露港を中心とした、山陰から届いた白イカ、モサエビ、バイ貝の3種が登場。
『GYOぎょ魚』の白イカの炙りゲソ刺し
この日のおすすめメニューのひとつ、白イカの炙りゲソ刺し。絶妙な火入れでイカの甘みを引き立てています。
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紅ズワイガニ入りの贅沢コロッケも

 鳥取の鮮魚はその日次第ですが、常備している鳥取メイドな惣菜や酒肴も少しだけあります。 「大山牛乳と紅ズワイガニを使ったグラタンコロッケは特に人気です」と、駒井店長。こちらは鳥取県西部の境港市にある『北陽冷蔵』の看板商品。濃厚な大山牛乳にカニ身を合わせた贅沢なコロッケは、とろんとクリーミー。冷えたビールによく合います。
 そのほか、「富山が有名ですが鳥取の水揚げ量も多いんですよ」と置いているのは、ホタルイカの醤油漬。凝縮感あるワタの旨みと強い塩気が日本酒を誘います。   

『GYOぎょ魚』のグラタンコロッケ
グラタンコロッケは人気のため品切れ注意です。
『GYOぎょ魚』のホタルイカ醤油漬
濃厚なホタルイカ醤油漬450円は、日本酒のぬる燗とぜひ。
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余談ですが、鮮魚料理と並ぶ串カツは常時15種類前後。エビやレンコン、紅ショウガなどベーシックなものが中心です。串カツは5本盛りで800円となかなかお得。とりあえずビール!のお供に頼んで、造り盛合せをゆっくり待ちながら飲み始めるのも、楽しいですよ。

『GYOぎょ魚』の串カツ盛合せ
日替わりの串カツ盛合せ。この日はエビ、豚、ウインナー、シシャモ、ナス。
『GYOぎょ魚』外観
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